あなただけをみつめる。15 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 
 
 
ホントは相櫻なんですけどねー
 
出てこない。そして、またです←
 
 
 
 
 
 
 
 
 
。oo。.:*:.。oo。.:*:.。oo。
 
 
 
 
最後に彼に会ったのは、雪が降る前。
松本から、彼がこっちに戻ってきているとそう連絡をもらった。
 
松本はあのカフェの常連で。オレより、彼とは前からの知り合いだったらしく。オレは、彼から松本を紹介された。松本は、オレの何が気に入ったのかしらないが積極的に話し掛けてくれて、可愛い弟みたいに思えて、彼と可愛がるようになった。オレと彼が付き合うのも応援してくれてた。
だから、彼と連絡していたのは知っていたが、彼とオレが連絡が取れなくなった頃、松本も取れなくなったが知り合いのつてで彼がこちらに戻って自分のではないが、他の人の個展の手伝いをしているということを知ったらしい。
 
 
「どうする、翔くん」
 
松本は、オレを気遣いながら聞いてきた。
 
「ありがとう。ちょっと考えてみるよ」
 
そういうものの、会いたい気持ちを抑えることは出来なかった。
 
 
会いたい
 
智くんに会いたい
 
 
どうして連絡をくれないのか?
あの約束を忘れてしまったのか?
 
聞きたい気持ちはすごくあるのに。
 
 
何も言わなくていい
 
ただ、あなたに会いたい
 
 
オレは松本から聞いた会場に向かった。
もしかしたら、すれ違いになるかもしれない。
でももし。。
 
 
 
オレはよく知らないが、名のある有名な方の個展らしく、会場は広く大きい。
松本から貰ったチケットを受け付けで渡し、パンフレットを受け取り会場の中に入った。
 
何枚もある絵画。
智くんとはモチーフもタッチも違うが、彼が好きそうな感じでなんとなく懐かしさを感じた。
 
しばらく、館内を回ると、忘れない後ろ姿を見つけた。
 
「さと…」
 
嬉しさのあまり、その後ろ姿に声を掛けようとした瞬間。
 
「智」
「いたの」
 
智くんに近づき、寄り添う綺麗な女の人。
 
 
 
ああ、そういうことか。
 
 
 
連絡が来なくなった理由。
智くんは、元々ノーマルな人だ。
 
オレは思い知らされた瞬間、彼から背を向け逃げ出すように会場を出た。
 
 
 
 
終わりを感じたオレは、それから誰が見ても分かりやすいように荒れた。
彼を忘れるなら、どんなこともした。
それが他の人に自分の本当の姿を知られることになっても…
 
 
「翔くん。翔くんは俺が守るから」
 
松本は、そんなオレを抱きしめた。
キスして、抱きしめて、肌を重ねて。
 
今の自分に戻してくれたのは、間違いなく松本だ。
感謝をしている。
 
だけど、松本には本当にすまないと思ってるが、彼を忘れることは出来なかった…
いくら忘れようとすればするほど、彼の存在が無くなることは無い。
 
なら、覚えておこう。
 
彼の優しさ、温もり、笑顔。
 
すべてをオレだけが…
 
 
 
 
つづく