あなただけをみつめる。14 | 青いたんぽぽ

青いたんぽぽ

ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 

前回、気障すぎたよ、俺・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

 

 

 

ゆっくりとコーヒーを飲みながら、読みかけだった本を開く。

久しぶりにこんな時間を過ごしてるようだ。

 

あの日以来、相葉さんはここには来ない。

それで良かった。

間違った選択をしないうちに、オレから離れた方がいい。

そして、オレも。

 

相葉さんと過ごす時間は楽しかった。

ただ、楽しい。何の偏見も持たず、下心も無く。

 

友達として。

 

もう、恋愛なんてしなくていい。

好きになることもなられることもなくていい。

そう思ってる。

静かにここで過ごすだけで、それでいいんだ。

 

 

 

「しょーくん、いるぅー?」

 

そんなオレの平穏な昼下がり。気分をぶち壊す彼、松本。

 

「いませーん!」

「うそつけ」

 

松本は、相変わらずのイケメンオーラ全開で店の奥。オレのところまでずかずかとやってくる。

 

「また、撮影抜け出してきたのかよ」

「だってさ、翔くんに会いたかったんだもん」

「そうか、もう会ったから帰れ」

「翔くん、つれない・・」

 

毎回同じ繰り返しなやり取りをする。

オレら、飽きねぇな・・・

 

松本はオレの前に椅子を持ってきて座る。

 

「いつも、綺麗だよ、翔くん」

「はいはい」

「もぉー、いい加減俺とより戻そうよー」

「ヤダよ」

「そんなこと言って。ホントは翔くんも俺のこと好きでしょ?」

「しつこい、お前。。って、そうだ」

「ん?何?」

「この前さ、松本、映画撮ったつったじゃん」

「うん」

「そのポスター見たよ」

「え!マジ!どうだった?」

「エロかった」

「でしょ!俺、あの時、翔くんを誘う感じで撮ったんだ!」

「はいはい」

「本気出したのに!」

「出てた出てた」

 

オレは松本との会話を楽しみながら、読んでる本を閉じる。

 

「で。松本は何しに来たの?」

「翔くんに会いに」

「それはさっき聞いた。で、何?」

 

松本が意味なくここに来ることはかなりあるのだが、今日は違う。

長年の付き合いで、こいつがそうであるかないかくらいわかる。

 

「松本?」

 

松本は一旦、オレから視線を外し、あの絵にやる。

 

「もう、何年?」

「ん?」

「あの日から」

 

真剣な顔つきの松本は、ホント、黙ってればいい男なのに。

 

「松本は、いい男だね」

「真剣に聞いてるんだけど?」

 

松本はオレのほうを見て言った。

 

「それ、思い出さなきゃダメ?」

「翔くんさ。もう、本気で恋愛しないの?」

「質問返し」

「俺、言ったよね、真剣だって」

 

分かってるけど。

 

「オレはもうしないよ」

 

したくないんだ。

 

「オレさ、あの人のこと忘れるってこと、止めたんだ。だってさ、どうやっても忘れることなんて出来ないだもん」

 

泣いても叫んでも。ほかの誰かと肌を重ねても。

いつも、あの人がオレの中から消えてくれることはない。

他の人とも付き合った。松本とも付き合った。

けれど、オレはいつもその人の向こうにあの人を見てしまう。

 

彼なら、こう言った。

彼なら、こうした。

 

彼なら、オレを…

 

ダメだダメだ。違うんだ。彼はもうここにはいない。

オレを迎えに来ることも無いんだ。

 

だって・・

 

彼には、もうオレではない、別の人がいるのだから・・・・

 

 

 

つづく