ぺちゃ、、ぺちゃ、、 ガリ、、ガリ、、


蒼太「もうよろしいですか?母上」


母上「ああ。、美味かった、、この子は柔らかくて

格別だ、、。」

蒼太「、、そう。」


母上「私の中で生きるがいい、、私の糧となり

血肉となり、、一緒にいてやろう、、」


蒼太「、、そうだね、、


母上「あと少し、、


もうすぐ、、もうすぐあの人に会える、、


ああ、、待ち遠しい、、お前も嬉しいだろう?」


蒼太「、、。」


母上「どうした?」


蒼太「そうだね。。」


母上「いい子だ、、また次も、、頼みますよ、、


蒼太、、」


蒼太「はい、、母上。。失礼します。。」 



蒼太「早く手に入れなきゃ、、手遅れになる


〖鬼切丸〗を、、早く、、」


ナレーション


戦乱の世に蔓延る魑魅魍魎


そんな乱世に現れたのが


最強の陰陽師「安倍晴明」


彼亡き後もその血は受け継がれ


そして今。


初代に劣らない力を持ったその人物は


美しい女性だった


人里を離れ世捨て人のように暮らす


そんな彼女の元を


今夜1人の男が訪れようとしていた。





帝「本当にこんな所にいるのか、、


こんな山奥に、、、」


妖女「ね!見て、、あんちゃん。あれ!


人間だ、、、珍しい」


妖男「ほんとだ、、人間だ。


妖女「美味そうだね。あんちゃん?」


妖男「最近食ってないからな、、

美味そうだ、、。」


妖女「久しぶりにご馳走ね!」


妖男「でも、、〖あの人〗が、、」


妖女「大丈夫よ。お先に!」


妖男「あ!おい!待て!」


帝「、、、!なんだ、、!?」


妖女「へへ、、こんばんは。」


妖男「ここは人間がひとりで来る所じゃないよ、、」


帝「子供、、いや、、何者だ!!」


妖女「おっと、刀は使わせないよ」


帝「刀が、、!いつの間に、、!」


妖男「美味そう、、人間なんて久しぶり」


帝「くっ、、お前達、、小鬼か!」


妖女「だったらなあにー?さて、、

あたし腕がいいなあ、、」


妖男「じゃあ僕は、、足かな、、」


妖女「体は半分こね。」


帝「くそっ、、」


妖男「1人でのこのこ来るからだよ。」


妖女「ほんと、馬鹿ね。 人間は。


じゃ、、いただきまーす!!」


帝「うわっ!!やめろ!!」


晴明「フッ」息を吐く音


晴明「急急如律令  呪符退魔。」


妖女「ひっっ!」


妖男「やばい、、この声は、、」


晴明「何をしている。」


妖女 「晴明、、なんでいるの!」


妖男「ほら!だから言ったんだよ!」


帝「、、、誰だ。」


晴明「下がって。」


帝「、、、そなたは一体、、」


晴明「私は」


晴明「安倍晴明」


帝「、、なんと美しい、、そなたが、、


ほんとに女性だったのだな、、」


晴明「え?」


妖男「晴明ごめんなさい!僕は止めたんだよ」


妖女「あんちゃんずるい!」


妖男「だから、呪符だけはやめて!」


晴明「まったく。。早く立ち去れ。」       


妖女「あんちゃん嘘ついてる!僕は足がいいな!って言ってたよ!晴明  」     


晴明「兄弟喧嘩は他所でやれ。それとも   


呪符を唱えようか?」         


妖男「ひっ!ほっ、ほら!行くぞ」      


妖女「あ!待ってあんちゃん! 」    


晴明「まて!」


妖女「なっ!何?」


晴明「刀を返してやれ」


妖女「わ、わかった、、はい!!返す!」


帝「あ、ああ。」


妖男「ほら!行くぞ!」


晴明「まったく、、   大丈夫ですか?お怪我は?」     


帝「あ、ああ。大丈夫だ。たすかった。礼を言う。」


晴明「こんな山奥で何を?ここは人間の


立ち入る場所ではありませぬぞ。」


帝「そなたは、、あの小鬼と暮らしているのか?」   


晴明「いいえ、、私が後から住み着いたので


小鬼達の縄張りに。」         


帝「たった一人でか?」      


晴明「1人ではありませぬ。」        


帝「え?」        


白狐「せいめーい!!どーこー!!せいめーい!」       


帝「、、?!他にも誰かいるのか?人が」          


晴明「いえ、、」      


帝「ん?」             


晴明「ここだ!!白狐!」


帝「白狐?」


晴明「私の共だ。」


白狐「あ!!いた!!もーっ!いきなり

消えるんだもん!探したよ!」


晴明「すまぬ。」


帝「子供?!」


白狐「なんだよいきなり。誰だお前。


晴明に何を、、、ん??くんくん、、」


帝「な、何だ、、何を、、」


白狐「この人の匂い、、人間?珍しい」


晴明「これは、共の白狐。」


白狐「、、怪しいヤツ。お前、何しに来た。」


晴明「これ。口がすぎるぞ」


帝「挨拶が遅れた。私は冷泉という。


都に不穏な事が起こっていて


どうも妖の仕業ではと


噂に聞く陰陽師  安倍晴明に会いに来た」


晴明「、、冷泉、、」


帝「晴明話を聞いてはくれぬか?」


白狐「なんだか偉そうなヤツ」


晴明「、、!!あなたはまさか、、、」


白狐「ん?」


晴明「、、、帝?様?」


白狐「え!?帝?!え!?」


帝「いかにも。私は冷泉帝


晴明「どうして帝が、、直々に、、お供もつけずに

何をしているのです。」


帝「その話は後だ。頼む。

お前のその能力「ちから」を私に貸しては

くれぬか。晴明。」


ナレーション

突如現れた 冷泉帝

共も連れずにやってきたこの男

果たして夢か幻か

何やら不穏な気配に

不安を覚える晴明と白狐

次回「鬼切丸」  「晴明の住処。」お楽しみに