『BEWAREN(ブワルーン)』

作 満月 たんぽぽ

ロイ
フランチェスカ
カージュ
ジェームス
ミシェル
ゴーイ


SE 銃弾飛び交う

カージュ
「ジェームス!あなた何してるの?!殺されたいの?」

ジェームス
「カージュ!アレを見ろっ!」

カージュ
「なっ!なんであんな所にフランチェスカが?!」

ジェームス
「分からんっ!だがあのままだと…」

カージュ
「ええ…連れ去られる……」

ジェームス
「フランチェスカは私たちの要なんだ。失うわけにはいかない」

カージュ
「……ジェームス。援護して?出るわ」

ジェームス
「どうやって助けるつもりだ?!相手は俺たちを囲んでいるんだぞ。この陰から出たら確実に」

カージュ
「フッ(笑)フランチェスカを失って、希望が無くなるよりましだわ」

ロイ(無線)
「待て!カージュ早まるな!!」

ジェームス カージュ
「ロイ?!」

ロイ(無線)
「後30秒だ!」

ジェームス
「ロイ!何する気だ?!」

ロイ(無線)
「決まってるだろ?フランチェスカを助ける英雄になるのさ」

カージュ
「ロイっ!何を」

SE 爆発音
ドゴォン!

ジェームス カージュ
『煙幕弾?!』

SE 狙撃音 ダダダダダダダダ!

SE 戦闘機 通過音

SE 煙幕の中何者かがフランチェスカの方へ颯爽と走る

ジェームス
『アイツまさか!』

フランチェスカ
「きゃああああ!」

カージュ
「フランチェスカ?!」

SE 走る音

ロイ(走りながら)
「チッアイツ防毒面持ってやがったか。隣のビルに飛び移ろうとしてやがる。これじゃ煙幕の意味半減だ」

SE ガチャっ (敵がワイヤーロープを隣ビルに掛ける音)

ロイ
「やべぇっ!飛ばれるっ。なら……これでどうだ?!」

SEロケットランチャー発射

SE反対側のビル壁破壊音

カージュ

「あのバカ!!フランチェスカがいるのにロケットランチャーをぶっぱなすなんて(怒)敵がワイヤーロープもう渡せないようにしたのは分かるけどっ」



ジェームス
「ケッアイツ興奮して楽しんでやがる。ビルの下にいる俺たちじゃどうにも出来ねぇ」

カージュ
「フランチェスカに怪我させるなよ?バカタレがっ!」

ロイ
「へへへっ追い込んだぜ?反乱軍さんよォ?」

ゴーイ(反乱軍)
「追い込んだとは?大体貴様バカじゃないのか、この国唯一の姫君がいるのにロケットランチャーって……とち狂ってんのか?」

フランチェスカ
「そうよ!ロイあんたバカよ!私を殺す気?!幼なじみじゃなかったら死刑よ?!」

ロイ

「うるせぇなぁ、ちぃせぇ事を。助けれりゃいいんだよ。大体姫らしくねぇじゃねぇかお前」



フランチェスカ
「死んじゃえ!ロイのバカヤロー!」

カージュ
「またやってるよあの2人…。ホンット仲良いんだから」

ジェームス
「あの2人はあれでいいんだよ(笑)」

ゴーイ
「さぁ、痴話喧嘩はそこまでだ。もうお前は死ぬみたいだからな」

ロイ
「なに?」

フランチェスカ
「ロイ、上!!」

SE 狙撃音 ダダダダダダダダダダダダ!

SE キュイーーーーンという飛行音

フランチェスカ
「ロイぃぃ!」

ゴーイ
「ガハハハハ!我が軍が開発した。人間搭載可能型超高速ドローンだ。羽音が小さいからほとんど気づかれない」

ジェームス
「ロイ!撃たれたのか?!」

フランチェスカ
「ロイ?ロイ?!まさか死んだの?!」

SE ビルの破片が動く音

ゴーイ
「?!」

ロイ
「ふぅ〜。さすがに焦ったぜ」

フランチェスカ
「ロイ!」

ゴーイ
「貴様!?何故」

ロイ
「あっれぇ?気づかなかった?俺不死身なの。(笑)護りたいやつがいるからさ。死ねねぇの、俺様は。どうも♡心配した?お姫様?」

フランチェスカ
「だ、誰があんたなんかの心配をッ」

カージュ
「アイツ……良かった」

SE キュイーーーーン(音が増える)

ゴーイ
「残念だよ。国王軍の隊長さん?一発で殺せなくて。だけどもう終わりさ。周りを見ろ、全部で20機お前を取り囲んでる。下のお仲間の周りには精鋭の地上部隊500人。さぁ、どう死ぬ?選ばせてやるよ」

ジェームス カージュ
「クッ……」

ロイ
「言ったろ?反乱軍の隊長ゴーイさんよぉ?へへッ俺は死なない。絶対護る。フランチェスカも、アイツらも。その為にオレはここに来たんだ」

SE パチンッ 指を鳴らす

ロイ
「カージュ!渡してあったアレを打上げろ!」

カージュ
「はぁ?だってあれはただの……」

ジェームス
「きっとあのバカには作戦があるんだ。今はそれに頼るしかない」

カージュ
「わかったよ」

SE ヒューーーー バァーン! (花火)(数発)

ゴーイ
「花火?!だと…?」

ロイ
「……3・2・1!はぁぁい!おつかれちゃーん(笑)」

SE ガゴッ ガゴッ ガゴッ(機械が壊れる音)

反乱軍空中戦闘員達
「うわぁぁぁぁぁ!!」

フランチェスカ
「ドローン隊員達が、落ちていくっ?」

ジェームス
「あいつやっぱりなんか仕掛けてやがったな?(笑)」

カージュ
「どういうこと?」

ゴーイ
「何故だ!?!なぜ落ちる?!」

ロイ
「磁力…さ」(得意げに)

ゴーイ
「磁力?」

ロイ

「そ!磁力。あのドローンは精密機器。つまり、高周波の磁力波を浴びちゃうと壊れちゃうの(笑)。精密機器の落とし穴を狙った訳」



ゴーイ
「クソッ!地上部隊っ!半数は上がってきて応援しろっ!もう半数は奴らを徹底的に潰せ!!」

ミシェル
「ざぁーんねんでしたぁ!」

SE カチャッ 銃口を向ける音

ミシェル

「さ、 このこめかみを撃ち抜かれたくなければ大人しく手を挙げなさい。もうアンタたちは終わってるわ?全てね」




ゴーイ
「はっ(嘲笑)何を言ってるこの人質が見えないのか?」

ミシェル
「どーこにいるのぉ?ひ・と・じ・ちぃ♡」

ゴーイ
「どこって俺の胸に抱えて…って?!人間だと?!クソォ!!(怒)」

SE マネキンを地面に投げ捨てる音

ゴーイ
「いつすり替えた?!」

ミシェル
「さぁ?いっつかなぁ〜♡ミシェル可愛いからわかんなぁぁい♡」

ロイ
「さぁ!もう終わりだゴーイ。縛につけ!」

ゴーイ
「まだだ!まだ私には仲間が」

ミシェル
「残念ね(冷めきったような声で)。もう終わってるって言ったでしょう、マヌケさん?」

ゴーイ
「なんだと?」

ミシェル
「貴方の部下は全員とっくに花火の合図で待機していた我が軍に捕縛済み。あの花火は盲ませの為もあったのよ?」

ゴーイ
「ちくしょう!ちくしょうっ!ちくしょう!!!ここまでかよっ!」

ロイ
「後は国王陛下の名のもとに天命を待て」

ゴーイ
「チッ」

SE 駆け寄る音

フランチェスカ
「ロイ!」

SE 抱きつく音

ロイ
「おおっとと。バカヤロー抱きつくなよ」

フランチェスカ
「助けてくれてありがとう、ロイ!信じてたわ」

ミシェル
「あら?フランチェスカ、ロイにだけ?ロイを追って無断でこんなとこに来ていたどっかのバカ姫君を助けたのは国王軍なのにぃ?ミシェル拗ねちゃいますよ?」

フランチェスカ
「ごめんなさいミシェル!後で皆にもお礼をいうわ」

SE 近ずいてくる足跡

カージュ
「そうよ?フランチェスカ。ご自身の立場を考えてください。じゃなきゃどれだけの人間が勝手な行動で犠牲になったか」

フランチェスカ
「ごめんなさい…」

ジェームス
「ロイがあの時戦闘機から無理やり飛び降りて来たのには正直焦ったよ。あの高さとスピードは普通なら死んでいる。頭に血が上って怪我も出来ないほどだったって所かな」

ミシェル
「何に対してそんなに必死だったのかなぁ?(ニヤリ)」

ロイ
「べ、別に。姫君を護るのは隊長の役目だろうが」

カージュ
「そうね!ふふふ(笑)」

ジェームス
「護りたいものがあるから必死になる。それでいい」

ロイ
「そうだ!さ、帰るぞ!お前ら!フランチェスカ」

フランチェスカ
「待ってよ!ロイ!」

ロイ
「んだよ?」

フランチェスカ
「大好きよ、私の英雄さん♡ありがと!」

SE リップ音

ロイ
「お、おまっ!!///」

ミシェル
「あら真っ赤ぁ〜かっわいい!」

ロイ
「うっせ!ほらっ。帰るぞ!」