guilt~キミを取り戻したくて~
作 満月 たんぽぽ
☆2人用台本
●アル(男の子)
●イツキ(女の子)
イツキ
「どれだけ殺せば気が済むの?」
アル
「いくらでも。キミを守れるなら悪魔にでもなる」
イツキ
「私は、もう……」
アル
「わかってるさ……キミがもう死んでいる事くらい」
イツキ
「なら、どうして?どうして殺すの?人間を私を殺したアイツはもう死んだじゃない」
アル
「足りないんだ」
イツキ
「足りない?なにが」
アル
「命が」
イツキ
「?」
アル
「キミが死んでいるから。キミの肉体に今千の魂を貯めている所だ」
イツキ
「?!」
アル
「キミを守れるのは俺だけだ。キミをもう一度生かし、キミをもう一度抱きしめたい。そして今度こそ死なせない」
イツキ
「いい加減にして!アル。私はもう死んだの、ミュズの一味に殺されたの!」
アル
「そうだ、俺が護りきれなかったから、お前は…」
イツキ
「違う!あの時アルはミュズの屋敷の地下牢にいたのよ?助けに来れるはずがない」
アル
「いいや。オレのせいで、オレのっっっ…!!」
イツキ
「アル?あたし幸せだったんだよ?世界で1番」
アル
「っ?!そんなワケ……」
イツキ
「きいて!」
アル
「っ…」
イツキ
「出会ってから今日まで色んな事あったよね。その1つ1つの思い出に必ずアルが居てくれることが嬉しいの。死んでもこんなにほら暖かい思い出が」
アル
「イツキ……」
イツキ
「さっき千の魂をって言ってたよね?あたしには必要ないよ。だって無限大の思い出が胸に詰まってるんだもの」
アル
「でも!魂を集めて契約を……イツキを」
イツキ
「哀しみや恨みの魂じゃきっと私は戻れない」
アル
「っ…!!」
イツキ
「わかってるんでしょ?だからもう、誰も殺さないで」
アル
「うぅぅぅ(静かに涙を流し、崩れるように座る)」
イツキ
「私の魂も、もう解放して?大丈夫。アルのそばにずっとずっと一緒にいるから」
アル
「 う、うぅ… 。イツキィ……ごめん…ごめん……」
イツキ
「きっと、魂の持ち主達もわかってくれるわ。あなたが人を簡単に殺せる人間じゃないって。…アル、笑って?私はアルのへにゃっとしたムカつくくらいの顔が好き」
アル
「……(照)うるさい……」
イツキ
「ふふ(微笑み)。その顔、忘れないで?」
アル
「イツキ……」
イツキ
「愛してる、アル。これからもずっと。だから悪魔になんかならないで?」
アル
「わかった。俺も償いながら生きよう。そして未来の為に戦い、護り生きよう。今までの魂の分もこの穢れた手でどこまで戦えるか分からないけれど」
イツキ
「えぇ。きっと大丈夫。私達は永遠だもの」
アル
「あぁ、そうだな……また夜に…キミに会うために、星を見上げるくらいは許してくれるか?」
イツキ
「もちろんよ、アル。毎晩この永遠の宇宙に流れ星を流しましょう。見つけやすいように。イツキはいつでもアルのそばにいる証に」
アル
「わかった。……イツキ愛している。永遠に。いつか俺が全ての役割を終えて天命を全うし、また必ずキミに会いに行くから、その時は結婚しよう」
イツキ
「はい。いつまでも待ってるから。あなたが全ての天命を全うしてくるのを」