体が震えた。
まずは、一つ、勝てた。
野球というのは恐ろしく、不思議なスポーツで、どんなに調子の悪いチームでも、一つの勝利で、一気に波に乗る事もあれば、その逆で、一つのミスや怠慢プレーがきっかけで、ガタガタ崩れ落ちる事もある。
川端の一打は、沈み切っていたチームを、一気に押し上げてくれる可能性がある。
リードを奪うまでの選手達の表情、プレーの一つ一つは、自信のなさが滲み出ていて、直視出来ないくらい。
逆に、横浜の選手は、皆、飛び上がってプレーしていた。
長谷川のミスも出て、本来なら、完全なる負けパターン。
その試合を勝てたのは大きい。
まさに、
「勝ちに不思議の勝ちあり」
である。
昨年のキャンプメンバーで、唯一、一軍にも二軍にも名前がなかった男、それが川端であった。
キャンプにも参加出来ない、孤独と暗闇から、見事這い上がって見せた。
今まだ不透明な、このコロナ禍であえぐ我々に、勇気と希望をもたらせてくれる一振り。
「明けない夜はない
止まない雨はない
出口のないトンネルはない」
ありがとう。
