キムタク演じる主人公が

あたかも妻が生きているかのように

生前約束をしていた場所を訪れる。

あたかも妻が生きているかのように

楽し気に

橋について語り合い

肩を寄せ合って橋を渡る

あたかも‥‥

 

それは

心に描いただけの夢

ただの幻想

振り返っても

そこに妻はいない。

 

大事な人を

失うと

確かに

あのような幻想を

誰しも一度は描くのだろう。

 

私なんて、

いまだに毎日‥描いてる。

 

いい脚本だった私には。

キムタク、好きじゃなかったけど。

何が嫌いだったのかも

もうよくわからん、どうでもよくて。

 

蒲郡クラシックホテルから

正面に見える竹島まですぐで

橋を渡って竹島へ行った。

私も夫によく話しかける。

見て、いま魚が跳ねたね、とか。

やっぱり海はいいね、とか。

ディナーの時も

すごい! 美味しそうだね、とか。

もちろん、心の中で、だけど。

誰もいない時だと声に出してしまう時もある。

そんなふうに

姿はなくても

いつも一緒にいる

六年たった今も。

 

時々、

むなしーーくなる時もあるけど。

 

というわけで

 

帰りは在来線も新幹線も

車両の窓ガラスがずっと滝流れ状態の

大雨だったけど

そういうのも楽しかった。

 

蒲郡クラシックホテル

お部屋はきれいにリニューアルされて

たぶん当時のままじゃない。

でも窓からの景色は抜群の314号室だった。

ディナーも

これまでで二番目か一番目か

わかんないくらい美味しかった。

 

虚しさも飛んでく。

 

メインダイニングでのフルコースと

朝食付きで一泊39000円のプラン。

そこに飲み物の料金が加算されるだけ。

本当にリーズナブルで感動。

橋からホテルを振り返った時

建物もあんまり素敵で

本当にこのお値段でよろしいの?って

思う。

 

アーティーチョークやマイクロトマト

(南天みたいに小さい宝石みたいなトマト)

伊勢海老やキャビア

柔らかくてとろけそうな和牛を食べた。

とにかく魚介も肉料理も

ソースが本当においしい!

旅慣れたふうのご夫婦も

「ここはホントにうまいねぇ」

と頷き合いながら満足げに召し上がっていた。

二人仲睦まじくて

けっこうなことねっ!(語気強め)

 

うらやむな私。

 

朝は例によって和食にしたけど

メヒカリという深海魚の干物も出てきた。

 

これで

六軒目のクラシックホテルステイ。

まあ、そりゃ、

どこも美味しいよね。

国の有形文化財に指定されている宿だという

気概を感じさせる。

 

久しぶりにひかりに乗ったので

大昔に

N700系統の新幹線に乗った!

と私の地元の同級生が自慢気に話していた頃を

思い出した。

 

隔世の感。

 

時の流れだけはのぞみやはやてより

速かった。

これはもう、明日を信じるより

今日しかないと思って生きねば‥‥

私なのでした。

 

竹島は

ひとりじゃ怖くてあまり先へ行かなかった。

でも手前の岩場で

真っ白なきれいな貝殻を拾った。

見たことない形の。

 

 

ところで

 

中国とロシアは地球温暖化の熱波の影響を

あんまり受けないからいいよねっ。

地球の下半球ばっかり真っ赤!

 

 

 読んでくれてありがとう赤薔薇コーヒー