ホテルの窓から見える空がとても青くて

皇居外苑の和田倉噴水公園まで散歩した。

陽の光が眩しい‥‥。

(緑内障予備軍だな)

 

通りを渡ってお堀端へ。

 

すると、白鳥が。

 

知らなかったな。

皇居に白鳥がいたなんて。

それにしても

久しぶりに目にすると

なんと優雅で美しい鳥だろう。

 

でも

 

一羽きり。

 

つがいの相棒か、数羽の群れが

離れたどこかで泳いでいるかと探してみたが

どうも見当たらない。

 

まだ若い感じの

ほっそりと静かで

寂しげな一羽きりの白鳥。

 

365日、この濠でひとりなのかな。

 

俄かに親近感を覚えて歩み寄る

黒装束の不吉な人科ヒョロボッチ約一名。

 

 

優美な細い首をちょっとかしげてこちらを窺うや

おもむろに、

あっちの方角に泳ぎ去る白鳥。

 

そんなぁ‥‥。

 

ふられても、見とれる。

一輪だけの水面の白い薔薇。

 

(翌朝は、もっとそばに居てくれましたけどね)

 

 

噴水公園にスタバがあったが

ホテルの部屋のルームバーに

エスプレッソマシンがあったことを思い出し

そそくさと帰って

優雅なソファで美味しいエスプレッソと

チョコレートを食べる。

 

東京ステーションホテル、

パレスサイド・コンフォートキング

ローラアシュレイコラボルーム

という長いネーミングの部屋でしたが

部屋は申し分なし。

高い天井、異様に寝心地のよいベッド。

O・ヘップバーンか

グレース・ケリーにでもなったような気分で

(例えにしても図々しすぎ)

ドアに寄りかかってみたりして。

英国仕込みのクイーン・アンスタイルにして

フリークラシック様式。

とても日本人が設計したとは思えない。

 

一日だけだけど、素敵な私の居宅。

 

スタッフも若いのに配慮があって親切でした。

失望せずに済むというのは

それだけでありがたいことです。

あかるくて爽やかだった。

朝は好きな新聞を部屋に届けてくれるので

私は以前楽しみにしていた四季という

歌のミニコラムのある読売新聞にしてみた。

よそ様のお部屋は英字新聞が多かった。

外国人、多し。

 

ただ、ルームサーヴィスのメニューが

大幅に削減されていて少し残念。

一昨年くらいにネットで見たメニューもうやってない。

このご時世だから仕方ないよね。

 

そして

 

どうしてもお寿司が食べたくて

ホテル内の寿司屋を夕飯に予約したが

これはハズレだった。

東京ステーションホテルという後ろ盾がなければ

客、来ないだろう。

型通りの接待など

経費で落とせる人たちなら、来るのかな。

 

赤出汁のシジミ汁はシジミが砂抜き不足

出汁もシジミの風味も無し。

シャリは持ち上げると崩れた。

味もネタも

もっと新鮮で旨い鮨を

この三分の一以下の値段で食べさせる店は他にいっぱいある。

外国人も最近は口が肥えているから、どうだろう。

板さんのお喋りとウンチクにもうんざり。

「そちらは塩で、そちらは塩と山葵で、

こちらは醤油に少し浸して、あっ、そのくらいで」

うるさかったなぁ。

ウンチクと味が釣り合ってないよ。

空いていた。

HPのイメージと違い過ぎた。

 

ま、勉強になったとしよう。

 

室内にカードキーを残したまま出てしまい

ボーイさんが回収に走ってくれたり‥‥と

ボケっぷりもますます円熟で。

 

ま、それも今後の課題としよう。

 

夜食用にしっかりルームサーヴィスで

チキンのフリッターやら

トマトとカプレーゼのなんたらなど注文し

気分復活。

(流石に食べ過ぎ。だいぶ残しましたが)

 

今回、持参した睡眠導入本は

「ホテル・ストーリー」森瑤子著 中公文庫

「脳の闇」中野信子著 新潮新書

「サイコパス」中野信子著 文春新書

 

もっとも

夜中まで室内をウロウロと歩き回り

眠るとか読書どころではありませんでした。

なにしろ

どんなに素敵な部屋でもone night onlyです。

それに

部屋の中央にある大型ベッドの場合

いつもですが

右から上がって、

左から降りる。

と思ったら正面から降りる。

スリッパを探しまくる。

メガネを洗面台付近に忘れて取りに行き

今度はデスクに忘れ

次はベッドのサイドテーブルに置いたまま

出かけようとして戻る。

みたいなことをやって

部屋での歩数、かせぎすぎ。

 

そのうえ

一年中クリスマスのような街路が

イルミネーションを燦然と輝かせて私を誘うので

夜散歩まで。

 

ああ、美しきかな、東京。

三十年以上暮らしたので

変わっても横浜より土地鑑もあって

懐かしい。

 

では続きはまた次回。

 

 

 読んでくれた人ありがとう赤薔薇コーヒー🦢