三十代の頃

森瑤子の小説にちょっとハマった。

「リパルスベイの月」

「夜の長い叫び」など印象深かった。

 

最近、

私がクラシックホテルを泊まり歩くというので

あるブロ友さん(勝手にそう呼ばせていただきます)が

そういえば森瑤子の作品に「ホテル・ストーリー」という

短編集があると教えてくれた。

東京ステーションホテルの物語もある、って。

私は知らなかった。

あるいは、

読んだのに忘れてしまっているのかもしれない。

 

検索してみた。

もう絶版のようだったが

文庫ならusedで手に入りそう。

Amazonの古本ネットワーク有難し!

早速、入手。

重版ごとに装丁のデザインが変わっていたので

いちばん素敵かなと思うのをポチしたら

案外、いたみの少ない良い本が届いた。

 

当時、時代を象徴するような作家だった森瑤子氏。

スノッブな私生活もよく話題になっていましたね。

 

ザ・ペニンシュラ・ホンコン

ホテル・オリエンタル

地中海クラブ・ティーニュ

サヴォイ・ホテル

ラッフルズ・ホテル

ホテル・ニューグランド

上海飯店

東京ステーションホテル

マンション・ダ・モール

マーガレット・リバー・モーテル

 

以上のホテル、十話の短編集。

 

 

嬉しいなぁ。

ホテルニューグランドもあった。

 

教えてくれてありがとうブロ友さん。

 

東京ステーションホテルの部屋で

この短編集を読むことにする。

物語の華麗なるヒロインたちと

私との落差(ちょっと拾い読みしたけど、

みんな若い人妻で美人で優雅じゃない?)には

目をつむって

ほんの少しセピア色の褪せたページをめくるよ。

(追記)

もう少し拾い読みした。

‥‥‥違った。洒落ていて、鮮やかで

そして何かが限りなく悲惨。

森瑤子の世界だった。

(まだ結末を知らずに書いています。無責任です)

 

私は1章の物語のちょうど数年後くらいに

ホンコンのペニンシュラホテルに行ったが

(近くのハイアットに泊っていたので朝食を食べに行ってみた)

朝から生演奏の楽団が入っていて

それが下手くそだったので驚いたのと

期待したチョコレートが意外に口に合わなかった

という記憶がある。

あの頃は若くてウロチョロウロチョロと

好奇心の塊だったな。

 

ところで

 

私がクラシックホテルに嵌っていることは

まあ、一人旅の時はすべてそうだが

知り合いにも

友人にも

とにかく誰にも言わないでこっそり行く。

秘密で行って

渡したい人にはお土産を後で渡す。

 

誰にも言わない。

 

言えば

「いつ行くの?」

 

ってなる。

 

「えっ? 〇〇ホテルに泊まるの!?

えーっ、あそこ素敵だよねー。私も行きたい、

ねぇねぇ、ランチしよっ」

こういう事態に発展するのを危惧する。

正直、ちょっとめいわく。

 

一人で自分流の時間を過ごしたいのに

「お部屋見せて」と部屋まで来られたり

ランチでお喋りに時間を取られたり

そういうのがイヤ。

 

そういう時、私はやっぱり

相手に気を使う

でも、実際の私は偏屈で気難しくて我儘だから

疲れちゃうのだ。

 

食事などもすべてルームサーヴィスにして

こもっていたい。

部屋自体を楽しみたい。

そういうホテルに行きたくて行き

そういうホテルならではの

自分だけの時間が目的。

 

ここでブロ友の皆さんにだけ

こうしてこっそり

舞い上がった気持ちむき出しで

せっせと綴っておるのでありますが。

 

さて、私が手にした文庫本は1999年版だが

書かれたのは1988年(初版)の小説。

時代もとても変わりました。

皆さんの思い出のホテルはありましたか?

私は四つは聞いたこともないホテルでした。

 

ところで

私がネコヤナギと書いた命日の花瓶の枝

どうも違うみたい。

フワモコの芽が育って、お、大きい。

コブシとかモクレンの枝?? かも‥‥なのです。

 

 

 読んでくれてありがとう赤薔薇コーヒー