デビュー当日は、
運営側が宣伝してくれるそうで、
「金曜日の21時からでどうでしょうか?」と言われた。
お客様が最も入りやすい曜日と時間帯らしい。
『新人さんは、お客様の注目度も高く
忙しくなりますよ。
先生、よろしくお願い致します』
先生。。胸の奥がキュン💕
さて当日、21時ジャスト。
コールが鳴る。また鳴る。
必死に話を聞き、タロットを切り、カードを読む。
結果を伝える。
5分、10分で切れることもある。
全然、足りない。
いつもテンパっていた。
この頃の記憶は、多忙と極度の緊張で
ほとんど残っていない。
──10日ほど経った頃。
あれ?
コールがピタリと止まる。
わたしの待機時間は
午前9時から11時半、
夜は午後9時から午前2時まで。
お客様に存在を認知してもらうまでは、お休みは
取らないと決めた。
合間に家事全般、買い物
雨だと息子や甥っ子の送迎
週に一度は車で1時間の距離に住む両親の様子伺い。
愛犬2匹の散歩と、ネコ1匹の世話もある。
それでも、
いつ鳴るかわからない電話の前で
部屋から出られずに待っている…。
なぜ鳴らない?
何が悪いの?
とりあえず、勉強しよう。
小さな机の上には、
タロットカードや本が散乱していた。
電話占いで稼ぐ本のたぐいや、
霊視ができるようになる本、
意味もよくわからない占いの専門書
待機時間に何かしていないと、不安だった。
その不安は、そのまま金銭的不安につながる。
本当に大丈夫なんだろうか。
来月の支払いは……💸
静かな時間が大好きなわたしなのに、
この頃は、静寂が不安でしかなかった。
