残る1社の面接の前に——
なぜか、伊勢神宮に行きたくなった。
三男に言った。
「週末、伊勢神宮行こうや」
「いいよ」
片道6時間。しかも軽自動車🚗
即答だった。
息子よ、ありがとう😊
安いビジネスホテルを予約して向かった伊勢神宮は、
驚くほど美しかった。
ちょうどその日——
神馬が、馬着をまとい
神主さんに引かれて歩く姿を見た。
あとで知った。
これは、なかなか見られない光景らしい。
たまたま行って、たまたま見られた。
それだけなのに——
「大丈夫」
そんな気がした。
帰宅して数日後、面接。
不思議と、まったく緊張しなかった。
言葉が、スラスラ出てくる。
——受かった。
しかも、2次・3次面接はパス。
あっけないほど、すんなり決まった。
そういえば——
前の会社を辞める日、
朝礼で挨拶をする予定だった。
お菓子も人数分、ちゃんと用意していた。
その日は、大雨。
会社へ向かう途中、信号待ちで
道路の端に、濡れ雑巾みたいな子猫を見つけた。
気づいたら、車を止めていた。
「すみません、子猫拾ってしまって休みます」
自分でも、何を言っているのか分からなかった。
子猫を太ももの間に挟みながら運転して
そのまま動物病院へ向かった。
家には犬が2匹いる。
私は犬派で、猫は正直苦手だった。
なのに——
放っておけなかった。
後日、パート仲間に言われた。
「あの辞め方、伝説だよ」
動物病院の先生は言った。
「この子、三毛のオスだよ。珍しいよ」
なんだろう。
あの頃から——
見えない何かに
背中を押されていた気がする。
そのとき、ふと。
頭の中で、誰かが言った気がした。
「あんた、占い師になりなさいよ」
