【備忘録】光源氏の再来、平維盛(たいらのこれもり)☆『星合世十三團』 | まいまいの観劇のためのプチ備忘録

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能登守教経(のとのかみのりつね)知盛が平家を代表する猛将なら、

平維盛は一族でも一、二を争うヘタレです。

容姿は美しかったようです。 


平清盛の嫡男、重盛(しげもり)の息子なので、清盛にとって孫になります。

知盛にとっては、甥っ子です。


維盛の美貌は有名であり、舞楽「青海波(せいがいは)」を舞った折には、「光源氏の再来」と讃えられます。

『源氏物語』第七帖「紅葉賀(もみじのが)」で光源氏が同じく「青海波」を舞ったことに由来しています。


舞の時、烏帽子(えぼし)に桜の枝を刺していたことから「桜梅少将」とも呼ばれたようです。

評判の貴公子でしたが、源平合戦の「富士川の戦い」で平家側の総大将として参戦し、

なんと!水鳥の羽音にビビって、戦わずして敗走します。

清盛は激怒、維盛の評価はガタ落ちです。


さらに、「一ノ谷の戦い」にも参加せず、「屋島の戦い」を前にして脱走。

敵前逃亡です、これはヒドイ。。


結局、出家して入水したようですが、妻子恋しさになかなか入水できず、、、武将には向いてなかったのでしょう真顔

入水したことにして、実は逃げていたりして。。


壇ノ浦では、平家の総大将、平宗盛(たいらのむねもり)がやはり入水をグズり、船の上でウロウロしているところを

「ええい、見苦しい!」と同じ平家の武将に突き落とされたとか。

宗盛は泳ぎが達者だったので死にきれず、結局、源氏に生け捕られてしまいます。


維盛も宗盛も人間くさいのですが、大将がこのようなヘタレだと士気も下がりそうです。


さて、維盛の妻は平家打倒を企てた「鹿ヶ谷の陰謀」の主犯格である藤原成親(ふじわらのなりちか)の娘です。

史実では、この方が六代の母なので、劇中「若葉の内侍」に当たります。


「鹿ヶ谷の陰謀」には、俊寛も関わっていますね真顔


写真はホタルブクロです。