先輩たちと一緒に
駅から大学行きのバスで先輩がいる場合、無理を言って先頭に並ばせてもらい、バスの一番後ろの真ん中を確保し先輩に座っていただきます。
帰りのバスで先輩と一緒になるとバスの中で物真似をさせられました。バスの上下の手すりに捕まりセミをやった記憶があります。
毎日交代の学食当番では、食堂の入口で待機し、先輩が来ると注文を聞き、先輩の席へ食事を運び後ろで待機。先輩が煙草をくわえるとマッチで火を着けて差し上げます。もちろん食事の片付けをします。
稽古前には道場の前で待機、先輩を見つけるとダッシュで掛けより荷物を持ちます。雨の場合はもちろん傘を指して差し上げます。
また稽古前には、お茶を沸かしてから、流水で冷やしておきます。そして、おしぼりを喫茶店で出されるように綺麗に巻いて、コロンを吹き掛けて山のように三角形に積んでおきます。先輩が汗をかいたらそれで顔などを拭きます。
新入生歓迎コンパの前には自己紹介の練習を外で行いました。先輩のOKが出るまで名前や趣味を腹の底からの大声で山に向かって叫びます。皆喉がやられて嗄(しわが)れた声になりました。
新入生歓迎コンパ当日、名古屋市内の繁華街のお店の前で一年生は学ランで直立不動で待機。空手流派の館長、師範、空手道部の部長、OB、先輩、体育会各部の幹部などがみえると鞄持ち、煙草の火つけ、案内を行います。
コンパが始まり、練習したとおり全力で自己紹介、その後はひたすら、先輩から教わった作法でお酌をして回ります。もちろん浴びるほど飲まされました❗そして交代で歌を歌います。しかも歌は演歌か軍歌のみ。芸を披露することもありました。
コンパの最後に皆で肩を組んで大学の校歌、大学の小唄、そして何とアニメ「空手バカ一代」のエンディング曲「空手道男道」を歌い、そこはなんだか嬉しかったです。
コンパの締めの主将による平安その2(大学の流派では平安初段)の始めの挙動をアレンジした三本締めが格好良かったです。
先輩の卒業式にて
このように厳しく様々なしきたりの多い空手道部で、上下関係はキッチリとしていましたが、陰湿ないじめのようなものは全くなく、先輩達も個人的には良い人ばかりでした。(つづく)