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アキコは久しぶりに日記を書いた。



8月27日 相変わらずの残暑



わからん。
サチがなにを考えてるのか
まるでわからん。


親友?
心を解放できる?
他人じゃなくアキコだから?


縁のない言葉だらけやわ。
あんなに畳み掛けるように言われても困るわ。



ヒトミのグループの接し方が
当たり前やと思っとった。
そんなもんやろって
別に気にならんかった。
ほどほどの距離とってなんぼ。


そんなふうに思う人たちの集まりにあって、
マリのような誰とでも仲良くできる人がいるから
その一点だけがスポットライト当たったみたいに目立つんやと。
誰もが羨ましそうな眼差しをマリに向けるんやと。
そう思っとった。


その点サチは、気が楽。
なにも考えんでええし
どんだけ一緒にいても疲れへん。
うるさいハエも寄ってこうへんし。


でも……
友達かって言われたら
それはそれでしっくりこうへん。
そもそも、トモダチ、いうんがようわからん。


親友?
心を解放できる?
他人じゃなくアキコだから?


やっぱり、何度文字にしてもピンとこうへん。
サチ、一体なんやったんやろ?
次会うとき、どんな顔して会うんやろ?


まだ頭がぐるぐる回ってる。
体はそわそわしてる。


今日は眠れそうにない。




p.s.
でも、二つ、確かなことがある。


ひとつは
“バー・トゥームストーン”はええとこ、ってこと。


もうひとつは
サチは別れ際、真っ直ぐな目をしていた、ってこと。





A.S

078-003-0042

サチコがノリノリで歌うのが終わるのを、待った。
ただひたすらグラスをみつめて、待った。



待ちながらここから脱出する理由を、考えていた。
グラスに口をつけない理由も、考えていた。



曲が終わるまで数分のはずなのに時間が異様に長く、感じた。
サチコの歌声がだんだんかすれ気味になるのを不気味に、感じた。



サチコがテーブルを連打し、「じゃーん」と叫んで曲が終わると、
全身をしめつけていたような空気が少しゆるんだ。


今しかない、と思い、恐る恐る口を開いた。
「あっ、私、眠くなってきたから、今日はそろそろ帰るわ」


「えーっ、なんでー、これから楽しい時間なのにぃ」
サチコが足をばたつかせながら、ごねた。


帰るしかない。
アキコ強い思いを持って、立ち上がった。


「あの、おじさん、ごちそうさまでした」

アキコは丁寧に頭を下げながら挨拶をした。

マスターは、アキコが手をつけなかったグラスを一瞥しながら、
「またいつでもどうぞ」と、小声で言った。



ドアノブを握って開ける勢いでサチコに「またね」とだけ、言った。
店の外に一歩踏み出す直前サチコが大声で「ねえ」と、言った。



聞こえないふりして行こうとしたのに、一瞬立ち止まってしまった。


「ねえ、アキコ。なんで今日ここに連れてきたかわかる?」
急な質問に、アキコは思わず振り返ってしまった。


「伝わってないんかなあ、私、不器用やからなあ」
「あんたのこと、唯一の親友やって思ってるからやねんで」
「だってな、ここは私の隠れ家。秘密基地。心を解放できる場所」
「そんなん、他人ってやつには、絶対教えたりせえへん」
「アキコやからやねんで」
「ここ、私だけじゃなくて、二人の隠れ家にしてもええって思ったから」


ここまで一気にしゃべり、酸欠状態のようになったサチコは、肩で大きく息をした。


そして、今度はゆっくりと噛みしめるように声を出した。
「今日は付き合ってくれてありがと。
アキコさえよければ、また一緒に来ようよ」


サチコの意外な告白に、アキコはとまどった。
唯一の親友だって?


頭の中がぐちゃぐちゃになってきたアキコは、
「帰るね」とだけ言って店を出た。


すっかり日が暮れた街を歩き、駅に向かう。
時折心地よい風が吹いても、ぐるぐる回る頭は冷やせそうになかった。



N.K

078-003-0041

ふと目覚めたら

サチはいなかった。






と思ったら

薄汚れたソファーに緩やかに腰をかけて 

リバーフェニックスのように

灰を落とさぬよう指に挟んだ煙草を凝視していた。




鼻につく匂い




彼女がタバコ吸い終わるまで
もう少し寝たふりしてようかな

と薄目をまた 閉じようとすると

「目覚めたみたい」とサチが呟いた。







「じゃあ、音流していい?」






と誰もいなかったはずの

カウンターから低い男の声






 アキコは寝坊して時計を確認するように

 がばっと起き上がりカウンターを確認すると






「珈琲?紅茶?あなたはどっち?」と

 

 葉巻をくわえたあの冴えない男が
 詰め込みすぎの棚からレコードを引っ張り出し、
 

 面倒くさそうに

 聞いてきた。





「このコ、お子ちゃまで どっちも苦手やねん、

 ジンジャエールでも入れてあげてよ」





うちのウィルキンソンやから辛いけどな」






「じゃあ、コーカーコーラー♫、さわやかなひとーとき♪」




サチが

キマってるほどに瞳孔を広げ、饒舌なのを見ると



宇宙人達に誘拐されたような気分になり

無性に地球に帰りたくなった。





あー、うー、あー、うー、

窒息しそうな空気がとても重い。






スピーカーから

流れてきたスローな男の太い、低い歌声が 

アキコをさらに不愉快にさせた。




その不愉快な曲に合わせて 

サチコはテーブルをノックしだし


ついには

サビの部分でカウンター越しの男と

一緒にシャウトまでしだす始末






宇宙人と


宇宙人に洗脳された人間と

これから洗脳されそうな私





死んだふりでもしようかしら







アキコは

差し出されたコーラを

まったく飲む気になれなかった。



何か入ってるような気がしたのもある。 




グラスに入った

深海で揺らぐシーラカンスのような

レモンだけを じーと見つめて 



ビデオ合衆国で先週借りたものの

途中でだるくなり観るのを止めた


キューブリックの時計仕掛けを

最後まで観とけば良かったと

後悔した







RO
































































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「ばー、とるーむ、すとーん」

ドアに書かれた文字を
アキコはゆっくり読んだ。

「トゥームストーン」

すかさずサチコは言いながら
いきおいよく扉を開けた。

その後ろから覗き込むように
そろりと中へ入ると
誰もいなかった。

「誰もおらんね。」

ずらりと壁に並んだ見たこともない酒のボトル。

ところどころを静かに照らすオレンジの灯り。

深いワイン色したベロア張りのカウンターチェア。

再放送の古いドラマのような

田舎のスナックを改造したような

とにかくアキコが
これまでに来た事の無い空間だった。

「とりあえず座ろ。」

外と壁一枚挟んでいるだけとは
思えないほど
しんとしている。

しんとしているので
声が出せない。

カウンターに座ったまま
サチコはくるくる回っている。

椅子の回転する高い音だけが
鳴っていた。

奥の方に
デビッド・ボウイのレコードが
飾ってあった。

「誰もおらんね。」

「うん。」

「休みなんかな。」

「そしたら鍵するやろしな、さすがに。」

退屈そうにサチコは言った。

「いつもここ来るん?」

「いつもやないけどね、たまに」

「たまにって?」

「うーん、たまーに。」

「そっか。」

「アキも、こうしてみて」

サチコがカウンターに
ほっぺたをくっつけながら言った。

アキコもそうしてみた。
カウンターが冷たくて気持ちよかった。

「な、気持ちいいやろ」

顔だけカウンターに寝転がせながら
向かい合っていると恥ずかしくなった。

はじめて目が合っているのではないか、
とサチコは思って
いよいよ恥ずかしい気持ちになり

「反対も」

と言って顔を逆に向けた。

「ウチ、ガッコやめようかなー」

溜め息まじりにサチコが言った。

たぶんやめない、
ということを知っているアキコは

「やめてどうすんのー」

と、やっぱりだらしなく返した。

「静かやねーここは」

「そーやねー」

目をつむった。
時折、
二本向かいの道路を走る
トラックの振動が
カウンターを通して
頬に伝わる。

「やっぱウチ、ガッコやめようかなー」

「サチー」

「なにー」

「おなかすいたー」

「すいたなー」


その言葉を最後に
二人は同じポーズのまま眠った。



s.f

078-003-0039

サチコとの待ち合わせは、おっぱい山に4時過ぎ。

今日はバイトの制服を持って帰る日とあって、変に荷物が多い。

花柄のワンピースにウェッジソールのサンダルに日傘という出で立ちには、アシックスの黒いスポーツバッグは流石に合わないと、アキコはそれをコインロッカーに入れる事にした。

バイト先から目と鼻の先のおっぱい山に予定通りに着いたアキコは、自分でもわかるぐらいウキウキしていた。


シャーシャー鳴く蝉め。
暑いやないの。


程なくして、サチコが現れた。


「あんた、ほんまお嬢さんやねぇ。ミサンガ以外は。」

サチコは会うなり、少女のようなアキコを見回して、笑うように言った。

ミサンガはケンジと色違いのを、付き合い始めて2週間目の日から付けている。


そのサチコはと言うと、ジーンズにTシャツというラフなスタイルだった。


ワイルドやね。


アキコはそう形容し、サチコも受け流したが、野性的でも、乱暴者でもない。


「ちょっと早いから、北野の方を廻って行かへん?」


ええよ。


二人は、秋の匂いが微かにし始めた山の方へ歩き出した。


歩きながら、アキコはチャンスを伺っていた。

マスターの事、先日見かけたサチコと一緒に歩いていたオッサンの事を、サチコに聞くタイミングを。


そのせいか、会話があまり続かない。


「アキコ、なんや緊張しとん?」


んー、緊張しとうかなぁ。
なんかこの坂、こんなに急やったっけ?
子供の頃に来て以来やから、忘れてたわ。


それでも異人館が近づいて来る程に、童心に帰ったようにウキウキしてきた。


風見鶏の館!
私な、小学生の頃に家族で来た時に、幼稚園の弟が異人館のペーパークラフトを死ぬ程欲しがって、親はタケルにそんなんできひんからって素無視やってんけど、かわいそうやから私が買ってあげてん。
で、それをタケル、幼稚園児やのにカッター使って、のりはベタベタするからって、全部セロテープで器用に作りやってん。
それをリビングに飾ってたんやけど、ある時、姉弟喧嘩になった時に、私、そのペーパークラフトを叩き潰してん。
そしたら弟キレて、私の腕に咬み付いて、これがその時の傷。

アキコは袖を捲った。
左の二の腕の外側に、クッキリと小さな咬み跡がついていた。

その時、叩き潰したのが、風見鶏の館やってん。
今、走馬灯のように甦ってきたわ。


「壮絶な思い出やなぁ。
でも、兄弟っていいなぁ。」

サチコは兄弟居てなかったっけ?


「うん、一人っ子の鍵っ子やで。しかも父子家庭。」

『でもぜんぜん寂しそうじゃない。』
アキコは思った。


なぁサチコ、そのマスターって、どんな人?

やっと聞けた。


「マスター?
エロいオッサンやで。」


えっ!大丈夫なん?


「ウソウソ。エロいのはウソやないけど、おもろい、熱い、深い、ええオヤジやで。
やないと、アキコと一緒に行かんよ。」


それもそうか。


アキコはその一言で、落ち着いた。
こうなると、本領発揮とばかりに喋りだした。


オレンジ色の弱りかけた陽射しを正面に受けながら、二人は歩いた。

「カナカナカナ」というひぐらしの声に辺りは包まれ始めたが、話に夢中の二人には届くはずはなかった。


そして山を背に、マスターの店“バー・トゥームストーン”に向かった。




K.C.

078-003-0038

826日 カンカン照り


今年は冷夏やというのに今日は暑かった


今日もハンバーガー売りながら

安ぽいスマイルを振りまいてクタクタや


やのに帰ってくるなり

オトンもオカンも

バイトばっかりせんと勉強しとんかて

これからは女性も勉強しなあかんぞて


バイト始めるてゆうた時は

ええ社会勉強やとかゆうてたくせに


国会の議長かなんかに女性の人が初になったとかで

どうせその影響受けてるんやろ


私にはまだやりたいことはないけど

今以上に安ぽい胡散臭いスマイルはできんし

政治家にはなりませんから

ほどほどに勉強しとくし


あぁぁ♪♪


明日は久しぶりにサチに逢う

何着ていこうかな~

この前買った花柄のワンピかな


何かマスターて人のとこに連れてってくれるみたいやけど

おもしろい人やでアキにも紹介するわて

ひょっとしてこの前のさえないおっさんか??


この前みかけたこと結局聞けずじまいやけど

まさかね・・・


最近、連絡ないけど私にはケンジて彼氏おるしあかんやろ

そんなんしたら・・・また変な妄想膨らんでるわ


でも、いくらくらいくれるんやろうか・・あかんあかん


その時はちょい高級なスマイルできっぱり断ろう


何か緊張してきたやん


078-003-0037

8月18日 心はくもり


っちゅうか、なんやったん、あれは?


夏休み、暇で暇で、ベタにファストフード店でバイトはじめて、
だいぶ慣れて余裕でてきたから、
帰りに元町うろついてみたら・・・


サチ、あんた、何しとんや、いったい!?


横におったオッサン、誰や?


エンコーか!?

それにしても、さえへんオッサンやったで。
サチのおやじさんのほうが、よっぽどさわやかでステキなくらい。
遠目で見ただけやけど、格好も歩き方も、さっぱりさえへん。


てか、サチ、エンコーなんか?
なんでや、なんでや


そりゃな、テレビで「高校教師」がはやっとるけどな、
あれは真田広之やからええわけでな。
わたし的に、京本政樹は「なし」やけどな。


彼氏なわけないよな、あの様子じゃ。
手をつなぐでも、腕を組むでもなく、
おっさんの少し後ろをぼーっとついて歩いて。


見失ってもたから、どこ向かっとったんか分からんけど、
まさか、ちょっと北に行ったら・・・


って、どう考えてもエンコーやん!!


あんなオッサンと、ええんか?正気か?


そんなにお金困っとんか?



あ~、妄想とまらへんやんか



サチに直接聞くか、、、
どうやって聞けば、、、

「体、大事にしとるか?」って、ババくさいし、
「大事な体、売ったらあかんやろ」は、上から目線やし、
「わたし、お金困ってるんやけど・・・」は「はぁ?」やし。


うーん、サチなら、どんな聞き方しても流しそうやな


こっちは時給680円でハンバーガーにジュース、スマイルまで大量に売ってるんやで。
サチの時給はなんぼやねん?


あ~、ちゃうちゃう、
エンコーやないんやって。


あかん、この調子じゃ寝られん
明日もバイトやのに


N.K

078-003-0036

7月21日 あっぱれ






ペラペーラ ペラペ ラ
パラパラ パラパーら




日記をめくってみた。



相変わらず中身のない日記


月が変わるたびに
濃度が薄くなっていっている





今月なんて まだ一回しか書いてないし。

のわりには 
ネガティブ濃度100%やし



これじゃ王様の耳はロバの耳みたいなみたいなー



だいたい
登場人物が


ケンジにサチに
ときどきミキ

あとは 通行人 ヒトミ達


私って狭すぎんのかな





マリなんて 皆と仲良くやって

誰からも慕われてて

先生からも好かれてて

それでいて ぜんぜん
 はっぽー美人って
感じもせえへんし



私もあんなんなりたいなーとか
もっとマリと友達になりたいなーって思うけど

なんか むりやり合わせてる自分がしんどくなりそうやし



自分だけに向いてくれないあの子に嫉妬してしまいそうやし



悔しいけどサチすら マリとしゃべってるとき
めっちゃ楽しそうやもんなー





ヒトミ達にもサチにも
あのコと仲良くしょうとする私の事


大根役者みてるみたいに

「ふーん 
 せいぜい あやかりな」って見てきそうやし。








サチって
そんな事とか 友達少ないとか
気にするんかなあ



学校こんときとか
何してんのやろ



保健室で寝てるときとか
何考えてんのやろ



聞いてもないのに


ケンジみたいに
なんでもかんでも
ゆってくるコがほとんどやのに



あのコはゆってもこーへんし
聞いてもこーへん


だから楽なんやけど



おかーさん おらんみたいやし

彼氏も おらんみたいやし




どこで 乙女心をひらいてんねんやろ


宇宙人と交信でもしてんのかなー 






明日 あたり三宮でお茶でも
誘ってみよかなー





つづく     




のかしら?



r o

078-003-0035


7月10日 晴れ過ぎ


ひさしぶりにまた日記を書こうと思う。

ケンジと付き合って1ヶ月。

ケンジ絶対おぼえてないやろな。

ベルも
「おはよう」とか
「学校おわった」とか
「おやすみ」とか。

ウチにそんなん
いちいち報告せんくてええのにな。



電車で会っても、
みんなでおって
冷やかされるからか知らんけど
こそこそこっちに手あげるだけで
あとは目も合わさんてなんやねん。

だいたい男はなんでいつもたくさんで
くっついておるんやろ。
ニキビいっぱいの顔を近づけながら
汗かきながらゲラゲラ笑っとう。

汚い。

あつくるしい。


わからん。


付き合ったりってもっといいものだって、
中学の頃とはぜんぜん違うもの、だって、
みんな言っとったけど、なんか、

なんか

すごくめんどくさい。


もうAはしたのか、Bまでいったとか
そういうの聞かれるのもうっとうしいし
それで盛り上がってるの聞いてても
ひどく汚れて醜くみえる。

ひとりでおるのと変わらんなら
そのほうがずっと楽だし気持ちがいい。
あほくさいことに巻き込まれんのは飽きた。
みんな馬鹿だ。

ケンジなんか消えろ。


今朝もサチを起こしに家に行ったけど
「高血圧だから」って結局、学校来んかった。

低血圧の間違いやろ。

サチがおらん学校はつまらん。

来たら来たで
机か保健室で寝てるだけやけど
サチがおると
ヒトミのグループがうちを誘いに来ないから
それだけで気持ちがいい。

サチとおると
ひとりになれるからいい。


こないだヒトミたちに
「サチコとあんまりいないほうがいい」
と言われた。
「サチコといるときのアキはなんか怖い」
とも言われた。

あのとき
「なんでーそんなことないよー」って
笑って流したけど
うち知ってんねんで、
あんたらがサチのこと裏では
サチ薄子って呼んで
ありもしない噂流してんの。

ほんま

汚いわ。


「心配してるから言っとんよ」
やって。


夕方、非常階段で
ブタシャカが泣いてた。

背中にいくつも上履きの足跡がついていた。

次は、ウチの番だろう。








s.f.


078-003-0034

4月十一日 曇りでしたよ



アッコ、アンタ根暗やね。
思っとった通りやわ。


根暗なくせして 根明なふりして
何考えとうかようわからんから
あんまり関わりたくなくなかってん。
 

まあ、これは二人だけの秘密にしとくわ。

きっと赤面するやろうけど
さらっと行こうよ


さらっとね



sachi





4月12日 くもり

やっぱり サチは読んでいた。

そして 何食わぬ顔で 
あのこは私に接していた





というか 何勝手に読んでんねん。



でも私がそこに触れると
恐ろしいビッグウェーブが待ってるしな。



うちの学校、高二が一番
華があるのに 
こんなんやったら華どころか
花壇にも入れてもらえへん。






あのコ 港南の子ーらとも
仲ええしな



閑学の子ーらとも
つるんでるみたいやし




花壇の周りの
隅っこに生えてる
雑草とか 団子虫になる可能性は大いに
ありえるような気がする




やばいんちゃうの



ケンジどころちゃうっちゅーねん



R.O