【年間スケジュールと球磨川出場の経緯】

今年はFUJIと信越五岳の100mileをAレースとし「100mileで納得のいく走りがしたい」とスタート。
そして秋からは冬は3000mで自己記録付近(8’45”)を目標に、練習をトラック使用にシフトする予定でした。

失意の信越五岳。とはいえこの結果は必然だった。



結果100mile2本は上手くいかず。
それでも8月の3000mは、35℃の中で8‘59”と、故障明けかつ特異的な練習はしていない中でも感覚は良好。信越後は気持ちを切り替えて冬に8‘45“を目指そうと思った矢先、球磨川リバイバルトレイル実行委員会の中川さんよりゲストランナーとして声をかけていただきました。

もちろん、これで3000mの記録はお預けになるし、そもそも秋はレースが詰まっていて年3本の100mileは厳しいのはわかっていたのですが、「球磨川だから」という思いが勝ちました。
なぜなら女川100TRAILSと同じく復興を願う大会であり、女川に実行委員のお二人にもご参加いただいていたからです。


「結果云々よりこの大会とコースを必ず目と心に焼き付けて帰る」

それが今回の目標でした。


【コンディション】
とにかく夏頃からアキレス腱がひどく、さらに信越後から坐骨神経痛が悪化するばかり…。それでも「球磨川までは」と我慢してトレーニングしてきました。6月に1ヶ月ほど離脱していることもあり、コーチとして練習を安易に休みたくないという気持ちもありました。
ただ直前の二日間は練習を落とし、痛みは少し和らいだ状態で現地入りしました。
(良い子のみんなは痛かったら休むんだよ!)


信越の後も泉ヶ岳25km(1位)、ハセツネ(5位)、シーアルプス49km(5位)と全力で走ったのは良くなかったですね。残った数字は良かったけど体調も崩したし、身体には悪すぎた。わかっているのにトレーニングレースと捉えて強度を抑えるのは中々難しい。


楽しかったけど痛かったシーアルプス(岩手)。全力を我慢するって難しい



【スタートまで】
熊本空港で招待選手のWuさんと合流。台湾の代表選手で今回も誠治さんに食らいついてた。
自分で日本語を勉強したらしく会話に支障がない。これは日本のレース参加が増えるんじゃないかな〜なんて思ったり。Wuさんありがとう。

熊本空港からスタートの水上村までは2時間。仙台を出発したのが6時で15時になっていました。遠いぜ。でも想像以上の山深さにテンションが上がり、山塊を見てゾクゾクする感覚が久々にありました(これは自分的バロメーターで、この感覚があるときは良いレースになるんです)。


宿はスタート会場近くの「なるお」さん。青山学院大学が合宿しているところです。温泉だし食事も「食べ放題の合宿飯」という感じで最高でした。美味しかったです。


当日はギリギリまで寝過ぎて森本さんに心配され迎えにきてもらう始末。レース感が全くなくごめんなさい。



【スタート〜】

「100mileが怖いです。ボロボロになるのがわかっているし、絶対に苦しい時がある。それでもこのレースを作ってくれた皆さんの想いを受け止めて、最後まで頑張りましょう」


そんなことをスタート前にお伝えしました。
実際、私は走るのが怖かったんです。足は既に痛いし、100mileで気持ちよく走れたことなんてプライベートでもない。

ザック・ミラーじゃないけど、ペインケーブに入っていかなきゃ何も得られないんだと。だって10回以上走ってきたけど痛いや苦しいが50mileの比じゃない。でも2014年のおんたけ100mileだけはすごく楽に走れた。林道コースだし走行時間も短いけど、なんとなく「あの日の感覚」をどこかで掴めたら良いなとは思っていました。


東北からは私一人の参加でした。来年は…。



そしてスタート直前に全身インナー・ファクトの選手と会話。

「須賀さん何時間で行きますか」
「30時間ですね〜」
「え〜」
「何時間予定ですか」
「直太くんの記録を目標に」
「マジっすか!」

とゼッケンを見たら木村正造さん(フェニ造さん)ではじめまして。「あ〜、そりゃもう」です。
万全でもご一緒できません!


フェニ造さん達トップグループはすぐに消えていなくなりました。


私はというと、すぐに歩いて朝食がわりのパンとカロリーメイトをいただきます。
最初は寒くてフーディニを着てたけど、走り始めたら暑くなったので脱ぎました。結局は手袋、ネックウォーマー、アームカバーで最後まで対応できました。

今回はとにかく周りに流されず「確実に」フィニッシュまで進むことが最優先。それがアスリートとして求めらていることではないとわかっていても、私個人として、そしてレースオーガナイザーとして今回は(ごめんなさい)揺るがないテーマでした。



【具体的な戦略】
■強度の上限は65%HRmax(120bpm)で100mile理想値(~24時間目安)のLT1(私の現在の予測値70%~72%HRmax)より大きく下げ、平均で60~62%(111〜115bpm)を目標。

■脚の痛みがあるため下りや平坦も含め全てでポールを使用

■今回の強度は2時間に一回の食事的な補給+定期的な少量の糖質摂取(時間あたり合計200kカロリー)で維持可能と予想できるが、ポールの使用により上半身のエネルギー消費が増えることと、エイド数が少なく(フードありエイドは6箇所)、狙った(大)補給ができないため、30分に一回のジェルor固形物摂取で時間あたり200キロカロリー(糖質50g程度)を達成することを目指す

■水分は水か麦茶。最初だけスポーツドリンクを入れたけど、ジェル系が甘いのと強度が低いので長時間は必要ないと判断。

■電解質はミネラルタブレットとエイドの汁物。




GUは即効性がありチャレンジャーはパラチノースなのでゆっくり効いてくる。ANDOは不思議とするっと入る。エイドで固形物を取ったときはジェルは飛ばして、30分に一回何かを口に入れる感じ。ジェル系はこの三つをフィニッシュまでひたすら回す。
(チャレンジャー安い)



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【〜22kmA1不土野峠】
林道だけど岩が割とゴロゴロして走りにくい感じ。捻挫に気をつけて進む。

九州の夜明けは東北より遅く、星空がとにかく綺麗。

W1には2時間ちょうどで入る(トップは1時間30分だったらしい)。朝食を食べてお腹が動いてきたのでトイレにもイン。

ここに下ってくるまでのトレイルが結構急で、雨だったり飛ばしすぎると直ぐに足が終わるかも。


W1からA1まではひたすら林道。
おんたけを思い出させるような、標高が高く見通しの良い場所の連続で中々に良き。


順位は少しずつ上がってエイドには3時間25分で到着。まだお腹に(やつが)残っていたのか、再びトイレにお邪魔する。しかしエイドの場所がエグい。山奥過ぎる。


こんな感じ。



【〜43kmA2高塚山登山口】
実はXで呟きながら進む予定だったけど、圏外が多すぎてあまりできず。結局ゴールまで5回くらいしかできなかった。山深いねぇ。

ほどなくして噂の脊梁山地に突入。
吉川さんとアジアトレイルマスターの話しながら進む。

途中のW2には中川さん登場。ワンピースの昔の主題歌流してた(熊本は尾田先生の出身地です)。
W2も車も想定外のところにあるので、思わず「ここまで来るの大変だったんじゃないですか」と聞いてしまう。


ほどなくしてお世話になっているパワースポーツの稲村さんと合流。ここの区間はとにかくマーキングを見つけるのが難儀で、二人で協力しながら進みました。広い尾根上で明瞭なトレイルがなくて、どこでも進めてしまうんですよね。

脊梁ブルー!



A2までは折り返し区間。
フェニ造さんがトップで等間隔で続いている感じ。エイドがまたもや山奥過ぎるので聞いてしまった。

「ここまでどのくらいかかるんですか」
「役場から50分くらいですかね」

……。


この辺りで気がついた。
これは、このコースを繋げることを最優先にしていると。普通は山から下ろしてエイドを設置するもんだが、それを全くしていない。凄まじい情熱と、そんな贅沢なコースを走らせてもらってることにワイ歓喜。


餃子以外をゆっくりといただきました。

既にフェニ造さんとは1時間15分くらい離れているようだ。


コースが気になる人はホームページを確認!




【〜67kmA3高野体育館】

脊梁山地を終えてW3に到着。ここまで結構暑くてW3の麦茶が美味い。脊梁山地で手袋やネックウォーマーは外してきたけど暑い。途中一緒にロストしてしまった選手とここまで来ていて、その方は頭から水を被ってました。朝は寒かったのに、寒暖差が激しいっすな。



ここからA3まではロードです。
消耗しないようにひたすらキロ6オーバーで進みます。途中消防車から応援してくれた。嬉しい〜。


A3には10時間40分で到着。
ここにドロップバッグは早い気がするんだけど、脊梁山地を終えた後だし、100km地点のエイドだと輸送の問題あるのかなぁとか考えてみる。


どちらにせよ、ここから100km分の補給を持つのは結構重い。ウエストベルト系がないと持ちきれない。そして重過ぎて何個か諦めてしまった(これを後ほど後悔)。


ゆっくり準備してたら30分経ってたけど気にしない。のつもりがなんとなくスマホで途中経過を見ると「順位上げられるかも」と思い、ちょっと欲が出てくる。ここまでの感覚だと脚の痛みはあるが涙が出るほどじゃないし、ゴールまで行くのは問題なさそうだ。


この時点で12位。さてどこまでいけるか。



【〜100kmA4屋形多目的集会施設】
稲村さんに「エイドを出ると直登がある」と聞いていたが、ポールがあるので全く問題ないし、むしろ嬉しい。

途中ポールのない選手が「ポール持ってくれば良かった」と嘆いていて共感。私もこのコースでポールなかったら、ペースに関係なく相当キツかったと思います…。

日が落ちそうだったのでネックウォーマー、アームカバー、手袋を装着。本格的に冷える前に&暗くなる前にやるのが大事。

一旦ロードに出たところで応援ランナー森本さん登場。聞いたら寝ないでめちゃくちゃ走ってた。
(というかスタッフさんみんな寝てなくてびびった。「いやー、一発で2時間寝られたんでバッチリです」、「30分2回寝たからまずまず!」とか…。もう情熱が溢れすぎてますよ…)


山を下りて90kのW4ではお菓子を配ってた。
しかしここも結構な奥地だよ…。と思ったらここから林道の峠走を終えると100kmのA4も中々の奥地で、もう興奮が止まりません。


そして、ここまで順調も順調。脚の痛み以外は問題なし体調良好。中川さんとハイタッチ。
あんだけ「怖い」と言ってたのにすみません。楽しいです。ペース抑えるとこんなに楽なんですか。


どこから見ても星空が綺麗でした。




【〜136kmA5公民館川島分校】

しかし、そんなに上手く行くわけがないのが100mile。
「さぁここからプッシュしよう」と思ったら一気に身体が動かなくなった…。そりゃあ、ここまで時間あたり200kカロリーしか摂ってないんだから、強度上げるのは無理ですという話。なのに体調良いからとエイドをすぐに出てしまった。強度上げるならエイドでしっかり食べてこないとダメでしょうよ、と反省。


かと言って補給食はここまでの強度でしか持たない計算で持ってきてるから数が足りない。強度を上げるのは諦めるしかない。保険で背中に入れているワッフルは最後まで食べたくない。
(そう、A3でジェルをちゃんと持ってきていれば…)


しかし!112kmのW5でカロリーメイトが…。
ということでコーラと併せて一つもらって本当に助かった。

W5の万江阿蘇神社。恵みの神がいた!



ここから再びの急登。補給が足りないのでイマイチ登れない。けど勿体無くて時間あたり200kカロリーから増やせない。

途中100km部門のスイーパーさんから「ここよりもW5のギザギザアップダウンの方がきついですよ」と…。うん、聞かなかったことにしよう。


W5の手前の標高の高い見晴らしの良い林道で、星空がまたもや綺麗。そしてやっぱりエイドの位置がおかしい。どうやって来てるんでしょう。


7位と言われたのでペース上がらない割には何人か抜いて来たようです。やはり100mileは後半落ちないだけで形になりますね。


ギザギザの区間はそれほど苦ではなく、ほどなく136kmのA5に到着。苦ではないけど「全然力が出ないのでしっかり食べないとまずいな」、という感じでエイドに入りました。


エイドには10分くらい滞在。
もっと食べたかったけど、おかわり3回目は流石に…とエイドを後にする。んー、他にもカロリーのあるもの食べれば良かった。



【〜153kmA5田上社会教育センター】
ここの起伏はそれほど厳しくない。しかし下りで100kの選手を後を付いてロスト。途中で気がついて声をかけて引き返したけど、やっぱり何も考えず付いて行くのは良くない。トレイルの感じですぐ気がついたけど、疲れてると意識が散漫になる。

メインは球磨川沿いのロード。ここが特に災害の爪痕を感じる場所で、ここを通ることに大きな意味があるんです。


球磨川沿いを終えて橋を渡る。夜が明けて球磨川の現状を見られたのは大きな財産。




が、夜が明けて再びお腹が動き出す。エイドまでは持たないと焦っていたところで、交通整理の方が仮設トイレを貸してくれた。助かった。




線路の上に敷かれた仮説の道路。球磨川にかかる鉄橋は画面越しで見覚えがある。ここをSL人吉が走ってたんだなぁ。



この区間はもうキロ7:20くらいでしか進まん。
腹が減って力が出ない。


A5に駆け込みおにぎりをいただく。助かった。
順位は5位だけど6位の選手がすぐに入って来たので、予定より食べずに出てしまった。こういうのが良くない。やっちまった…。



【〜169kmフィニッシュ】
しかしジェルの個数は「少し余裕があるかもしれん」と気がつく。ということで(ちょっとだけ)プッシュする。すぐに力が入らなくなるので15〜20分に一回ジェルを入れる。そして気がついたら脚の痛みが消えていた。これだから100mileは面白い。最終区間なのに(だからこそ)リズムよく、気持ちよく走れている。

ちなみにこの区間に山は一つだと勘違いしていて、二つだと教わった時の「えー」感と、二つ目だと思った山がまだ一つ目だったことに、自分でも笑ってしまった。
(そのせいか最後の高岳は逆に楽しくなっていた)





そして高岳からの景色は最高だった。
170km近く走ってこの景色。思わずスマホを取り出してしまった。


球磨川の源流をスタートして、球磨川沿いを進みついには海へー。このストーリー性溢れるコースに感服です。


最後はロードを気持ち良く走りフィニッシュ。



リザルトは5位、29:19:07でした。

前半のエイドでゆっくりし過ぎて合計90〜100分ほど休んでしまいましたが(本気ならここは30〜45分ほどにすべきでしょう)、目標の30時間切りもできたし満足です。
元々故障していた以外のトラブル、例えば足裏とか股擦れとか、新たな故障などはなし。



【フィニッシュ後】
表彰式が行われていたので直行。

元気で良かった。フィニッシュして元気な100mileなんて2014年のおんたけだけだったから。大袈裟だけど「健康な100mile」が今回はできたかもしれない。FUJIも信越も全然補給ができなかったからダメージが大きかった。



とにかくお腹が減って会場で沢山食事をいただきました。あとは準備していた補食。


フェニ造さんは直太くんに迫るタイムでフィニッシュしてた。彩の国の時より強くなってるじゃないですか…。そして広島界隈強すぎる…(吉村さんと飯豊に行った時もその話になった)。今回に限らず、なんででしょうか。理由を少しでも探るため、ポッドキャストの初回から聞いてみようと思います。


ホテルで一度休ませてもらったあとは、会場に戻り最終ランナーまで迎えることにしました。自分自身も次へのモチベーションがもらえる大切な時間だと思っています。


そのあとコンビニで夜食を買ったけど買い過ぎて残しました…笑。
(森本さんに「それ無理やろ」と言われたんですが、やっぱり無理でした笑)



【帰宅日】
翌朝起きると痛い。アキレス腱も坐骨神経も。やっぱりアドレナリンで麻痺してただけでした。でも何というんでしょうか。1週間前やレース序盤よりは痛くない。そして何となく「これは治りそう」という痛みになって来たし、1週間経ってどんどん良くなっている。やっぱり100mileは不思議だわ。
(でもレース後に仕事詰め過ぎて寝なかったら風邪引いたぞ。良い子のみんなはレース後は大人しくするんだぞ!)


帰路は「目を閉じて起きて」を繰り返してたら仙台に着いてました…。169kmの道のりより、最寄駅から自宅までの荷物を背負った徒歩の方がきついという。ここでも100mileの不思議。途中何回か休憩したわ…。



【内容を振り返る】
平均心拍数は111bpm(60%HRmax)と目標通りの結果となりました。胃腸トラブルもなく、100mileを走る上での「最低ライン」のようなものを確認できたことは良かったです。

一方で課題も明確です。

100mileのレベルアップを目指す上で大きく分けて二つのアプローチが必要だと思っています。


①走力の向上。1500m〜3000mの基本的な脚の速さ。マラソンでも良いが、これが低いとマラソンも結局頭打ち。
②LT1の最大化。100mile(〜24時間想定)における維持可能な強度の上限を引き上げる。具体的にはLT2との差を10%未満に。
(80%HRmaxを超えて100mileを走破する選手もいます)


①と②は全くの別物ではなく、トレーニングの大部分はそれぞれに作用するものです。しかしどちらも最大化するためには、基本的には別物として「期分け」を行う必要があります。

ざっくりなイメージは①で高めた走力を、②の時に薄めて、100mileで最高のパフォーマンスを発揮する感じです。ですので①が低ければ全てが低くなります。②が低い場合も同様ですが、順番としては①が先になります。


練習をピラミッドで考えるなら(下が低速で広く上に行くほど高速で狭い)、①と②でピラミッドの形が変わるイメージでしょうか。


トップトレイルランナーの走力が年々高まっているのは間違いありません。100mileといえど、世界ではフラットレースで国内代表に僅かに届かないレベルの選手や、実際に経験した選手が増えています。


以前はスピードが及ばなくても②に長けた選手が上位に入るのも100mileやウルトラトレイルの魅力でした。しかし①の力を持って②のアプローチを行った選手達が力をつけ、DNFが複数あれど層が厚いため入賞ラインがどんどん上がっているのが注目度の高い世界選手権やUTMBです。


テクニックや補給戦術も大事です。
特に補給は②を最大化するとなると時間あたり糖質100g(400kカロリー)は摂らないと維持できないとされています。その訓練も必要です。


しかし日々のトレーニングによる能力向上こそが、何より地道に取り組んでいく最重要事項です。



補給は大事だが年間通して優先すべきはトレーニング内容




【参考にすべき選手】
ODO(大瀬さん、土井さん、小原さん)の皆さんの走力が高いことはご存知でしょうか。

UTMBでもトップ10を争った選手達も、年単位で走力向上に専念した期間があるのです。

おそらく今、国内で最も100mileの実力がある川崎さんは、1シーズンの中で明確に期分けをしています。冬の数ヶ月はロードに特化し、山にはほぼ入らないとのこと。多くの人にとって最もイメージしやすく、真似をしやすい方法だと思います。


村田さんの取り組みにも個人的に注目しています。今年はトレイルをほぼお休みして、1500m〜5000mの走力向上に取り組んでいます。トレーニングに対する考え方にとても共感してまして、ぜひ成功してほしいと応援している選手です。


村田さんのYouTube。気になる方はぜひ。



他にも参考になる選手は沢山いますがこの辺で。



この「期分け」の考え方は、「強くなりたい」と思うなら、どんなレベルの選手にも通じることです。全てのトレーニングは自分の才能を上限値まで発揮するための手段ですが、闇雲に取り組んでいては到底届かない領域で、「才能が〜」と嘆く前にやることは山ほどあるのです。
(それがとても大変なのは重々わかっています…)


そんな私の取り組みは、皆さんに反面教師にしてほしい雑さです。


明確な期分けができず、シーズンを通してトラック(ロード)にもトレイルにも出ています。おそらく多くの選手が同じだと思います。
しかし問題は出ることではなく、その取り組み方です。
例えばトレイルシーズンであってもトラックレースを「VO2maxを超えさせることで最大心拍数が落ちないようにする」といった「単発」というか「スパイス」的なものであれば良いのですが、そのレースのために数日、数週間とトレーニング内容を変えてしまうからいけないのです。もちろん逆も然りです。


「目の前のレースの結果が欲しい」

この思考から離れられない人は、先に書いたように才能の上限に届くことは絶対にないでしょう。


闇雲に練習して速くなるのはビギナーの内だけです。それをいつまでも成功体験として追いかけるのは良くありません。「VO2maxのインターバルをして追い込まないとダメ(不安になる)」はその最たるものです(昔の私です)。


そんな訳で私の課題は②のLT1の最大化です。ここを改善しない限り50mileまでと同様のパフォーマンスを出すことは不可能です。


一方で長い目で見たら①に真剣に取り組むべきです。そんな訳でまずは川崎さんモデルで、来年の春までは①に取り組み、その後は浮気することなく②に取り組んでいきたいと思います。
(故障なく継続するための取り組みも忘れずに)





平均心拍数が60%HRmaxでフィニッシュが29時間というのは、裏を返せば「走力が上がればこれだけ楽に走っても29時間」ということです。走力をあげれば、それだけでもタイムは縮まります。



 
【球磨川リバイバルトレイルを終えて思うこと】
「健康な100mile」ができた一方で、自分の100mileの力は向上していないことも突きつけられました。先ほど書いたようにLT1を押し上げるトレーニングが不十分です。最低ラインは見えたので、この点については数年かけてじっくり向き合っていきたいと思います。


さて肝心のレースですが、球磨川の源流をスタートして海へ出るという壮大なコースと「復興」というコンセプト。そんなとてつもないワンウェイのコースは、スタッフと地域の皆さんの情熱によって支えられていました。
食事の摂れるエイドが少ないのは(その分ウォーターエイドが多い)、このコースなら仕方ないと思います。林道、ロード、山岳区間とメリハリが効いていて、エイドの少なさと併せて決して簡単とは言えません。

しかしそれだけ完走には価値のあるコースだと思いますし、レースだからこそ挑めるコースだと思います。


安全管理やエイド管理の簡単から、周回のレースが増えています。もちろんそれは悪いことではありませんし(女川100trailsもそうです)、試走や戦略の面でも大いにメリットはあります。

しかしトレイルランニングの魅力の一つに「旅」というものがあると考えれば、球磨川リバイバルトレイルはまさに「旅」であり、ぜひ一度は走ってほしい大会です。

走ることが復興につながり、走ることが皆さんの大きな財産になるはずです。

ぜひいつか、皆さんも球磨川リバイバルトレイルへお越しください。

次に球磨川を未来へ繋ぐのはこのブログを読んでいるあなたです。
















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【12/20(土)宮城野パークラン大会概要】




1.開催日
12月20日(土)

2.種目とスケジュール
8:00  受付開始
9:00  10km 制限時間50分
10:00  5km 制限時間30分
10:40  3km 制限時間20分
11:10  1km 制限時間10分
11:30  1km自由リレー
11:45  表彰式&ジャンケン大会
※受付は各部門スタート30分前(リレーのみ10分前)までとなります。
※以下の男女年代別を記載し結果を発表します。
(未就学児、小中学生各学年、高校生、一般)

3.参加費
小学生以下1000円(当日1500円)
中学生以上1500円(当日2000円)
※2種目以降は500円
※リレーは個人種目参加者限定で参加可能です。2種目め以降にはカウントせず無料でご参加いただけます。

4.参加賞
駄菓子セット

5.表彰
・リレー各部門3位まで
〈部門〉
①中学生以上のみ
②小学生以下のみ
③ミックス
※全て男女混合です。ルールおよび注意事項は項目13を確認ください

・各部門の大会記録更新者各1名に、賞品(駄菓子詰め合わせ)をお渡しさせていただきます。
《10km 》
男子35:06 佐藤礼旺  女子47:26 古舘百合子
《5km》
男子15:49 佐藤礼旺  女子20:38 菊池佳奈
《3km》
男子9:47 小野寺翼(中2) 女子11:25 飯田由美子
《1km》
男子3:02 藤優翔  女子3:32 佐藤好香(小6)

6.事前エントリー締切
12月14日(日)24:00

7.募集人数
各部門50名程度
※定員となった場合、当日参加枠はございません。

8.参加資格
・年齢制限はありません。
・小学校6年生までのご家族様は無料で伴走可能です(伴走者のエントリーは不要です)。

9.申込み方法
・プロフィールにリンクされているGoogleフォームよりお申し込みください
・当日参加の方は、参加費を現金にてお支払いください。

10.お支払い方法
12月15日(月)18:00まで下記口座にお振り込みください。

〈振込先〉
七十七銀行 卸町支店
5046682(普通)
東北RIZE代表 須賀 暁

・依頼名は参加者ご本人でお願いいたします。
・お子様が参加される場合も同様、もしくはお振込になる保護者様名の後にお子様のお名前をご入力ください。
・振り込み手数料はご本人様負担となります。
・申込み後、振込期限を過ぎた場合は、当日会場にて当日参加料金を頂戴しますのでご了承ください。

11.コース
仙台市民球場内と公園内を周回する一周1km

12.受付場所
仙台市民球場フィールド内外野エリア

13.リレーにおける注意事項
・1kmを自由に繋ぐリレーです。一人当たりが走る距離は自由に決めていただけます。
・1チームあたりの人数(全て男女混合)
中学生以上:最大3名
小学生以下:最大6名
ミックス:中学生以上最大2名、小学生以下最大4名
・チーム登録は当日のスタート10分前までに受付にてお願いいたします。事前申込みは必要ありません。
・リレー参加者は必ず個人レースで使用したゼッケンを着用してください。

14.その他
・外野フィールドではお待ちいただいたボールなどで自由に遊んでいただけます。
・タイム計測とリザルト掲示のみで完走証はございません。
・公式リザルトは後日インスタグラムで公開します。
・公式リザルトでは年代別順位を記載します。
・周回数は選手自身がカウントする形式となります。明らかに周回数が不足している場合はスタッフが声をかけさせていただきます。
・駐車場には限りがありますので、可能な限り公共交通機関での来場をお願いいたします。近隣の商業施設には駐車しないようにご注意ください。
・更衣室は一塁側が男性、三塁側が女性となります。
・荷物置き場を準備しますが、各自での管理をお願いいたします。更衣室内、また体育館内のロッカーもご利用ください。
・レース中の給水はありません。
・傷害保険には加入しておりません。怪我の際は主催者で応急処置を行いますが、責任は参加者各自にあることをご了承ください。
・雨天決行です。
・降雪時は可能な限り除雪をして開催します。
・荒天で中止の場合は当日朝7時までにインスタグラムでお知らせいたします。なお、中止の際の返金はございませんのでご了承ください。
・撮影した写真をSNS等で使用させていただく場合があります。
・お申込みと同時に記載事項全てに同意されたものといたします。

〈企画・運営〉
東北RIZE
〈共催〉
元気フィールド仙台




みんなで走ろうパークラン!

ご参加お待ちしております!

「何の為に生きているのか」

仕事のため、趣味のため、自分のため、自分探しの旅?、没頭する時間?、それとも大事な人や好きな人のためー。

その類いの問いは、定期的に自分の中で繰り返される。そして見つけた答えは当時確かなものだと思っても、時間と共に忘れ消え去ってしまう。こんなことを何十回も何百回も繰り返しているのだから、出た答えに対してある種の諦めというか、「今だけだろう」と何処か冷めた自分もいる。
それは自分を守るための術かもしれないし、年齢を重ねることで「落ち着く」というものに近いのかもしれない。だから悪いことではないと思っているが、一抹の寂しさを感じる自分もいる。



20歳を過ぎたばかりの私は希望に満ちていた。
山の中で身体を動かす楽しさに出会って、自分の足で進み得られる景色は、機械的なそれとは一線を画していた。それがトレイルランニングというスポーツだと知ってからは、雑誌のバックナンバーを買い漁った。周りに熱心な仲間がいる訳もなかったが、1人で走る山も大会も最高に楽しかった。
そのためのトレーニングや生活も最高に楽しくて、周囲からは変なやつだと思われていただろうけど、気にする暇がないほどトレイルランニングに”恋”をしていた。



「UTMB」というモンブランを一周する大会の映像と写真に心を奪われた。「この景色を自分の足で見てみたい」、「160kmという途方もない距離を感じてみたい」。
陸上競技とは違う「走る」が世界中には広がっていて、それを経験した人の言葉は、これまでの人生では聞いたことがないものばかりで心が踊った。そして皆一様に「ハセツネ」というレースを経験していることも知った。
23歳になり「部活」という画一されたスケジュールを離れ「市民ランナー」へ。自由と共に最初に目指したレースはハセツネだった。



初めてのハセツネ。雑誌で見たことのある選手ばかり。陸上競技ならほとんどの場合、ステージを勝ち進まないとあり得ない光景だ。三頭山で力尽きたが、最後の金毘羅尾根は最高に楽しかった。補給もわからなかったし夜に山を走るのも初めてだった。夜の山にライト二つでいる自分が何とも不思議だったし、人の気配がない御岳山の神社前と、日の出山からの夜景にえらく心が揺さぶられたのを覚えている。そして感動で心が前向きになると身体もまた動き出すことを知った。
全てが「初めて」で、自分自身が想像していた感動や体験を遥かに超えていた。それはまるで初恋の人との強烈な思い出。思い返せば、この時に「今の私」は決まっていたのかもしれない。



それから3年続けてハセツネに出た。7時間51分で走れた時、「自分もここまで来たか」と何かを成し遂げた感覚があって、一旦ハセツネを離れることにした。でも結局は戻ってきた。
素晴らしいレース、素晴らしい景色に沢山出会った。憧れのUTMBも完走できた。でも不思議なことに、あの「ハセツネに初めて出た時の感動」を超えるものがなかった。神社前を通る時の静けさ、日の出山からの景色、五日市に帰ったきた時の安堵感ー。きっとその時捧げた情熱と体験が、私の記憶と心に特別に深く刻まれたとだと思う。
その相手が私にとってはハセツネだっただけで、同じような気持ちを持った人でも、その相手は違うだろう。それが私はハセツネだったのだ。



冒頭の「何の為に生きているのか」という問いに、ハセツネに初めて出るまでの私は間違いなく「ハセツネのために」と言えるくらい没頭していた。そこに疑いも諦めもなく、幼い頃や学生時代に打ち込んだものへの情熱を超えて、苦しいことも嫌なことも全て乗り越えさせてくれるほどだった。そう、心から”恋”をしていた。だから初めてのハセツネの経験は特別なものとして心に刻まれたのだと思う。



あれから15年。もっと言えば「ハセツネ」を目指すと決めてから15年以上。あの瞬間をイメージしトレーニングを重ね武蔵五日市駅に降り立つと、年齢を重ね「落ち着いた」自分は消え、情熱を燃やしたあの頃の自分が「確か」に戻ってくる。沢山のレースを見て経験してきたけれど、俺(あえてそう書く)はやっぱりハセツネなんだ。

こんな風に書くと初恋の相手を忘れられない男のようだが、それが許されるのがハセツネでしょう。人と違って山は、ハセツネは逃げないし、何なら逃げた俺を迎え入れてくれている(気がする)。でも本当は嫌なのだろうか。暑くしたり雨を降らせたりロストさせてきたりー。向こうが優しい時はほとんどないけど、それが堪らなく良い。こちらが準備して真摯に向き合えばちゃんと応えてくれるし、調子に乗っていれば怒ってくれる。



”恋”は熟成されて”愛”になるー。夫婦関係のようなものだ。
夫婦関係を送りながら初恋の人とも夫婦のような愛を育む。そんな人間社会のタブーが許されるのがスポーツでありハセツネだとしたら、「何の為に生きているのか」という問いへの確かな答えは決まっているのかもしれない。まぁ、ハセツネが俺は好きでいるかはわからないから、結局は

”復縁できない未練たっぷりの初恋”

で、しかないのかもしれないけれどー。



See you next year.



お読みいただきありがとうございました。

トレイルランナー(たまにブロガー)
須賀 暁


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【リザルト】
日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)
通称:ハセツネ。歴史と由来は検索してね。

5位 8:42:01
※今年よりコース変更

2012年 67位 9:37:28
2013年 15位 8:22:56
2014年 9位 7:51:57
2018年 DNF
2022年 DNF
2023年 3位 7:45:48
2024年 7位 7:54:01
2025年 5位 8:42:01



【装備】
補給:ジェル(GU×10、チャレンジャー×4)、塩羊羹×1、おにぎり×1、トップスピードウルトラミネラルタブレット、カフェイン(HALEO UP!2.0)、胃薬
水分:麦茶、GUロクテイン、コーラ、(スタート時合計2.5L)
シューズ:ザノースフェイス ベクティブスカイ2
ソックス:インナー・ファクト ラミーソックスラウンド型
パンツ:パタゴニア ストライダープロショーツ
シャツ:パタゴニア リッジフローシャツ
レイン:パタゴニア ストームレーサージャケット
時計:COROS ペースプロ3
サングラス:ESS クロスブレイドNARO
ヘッドライト:レッドレンザー H8R 
ハンドライト:レッドレンザー P5R
テーピング:GONTEX 足首ハッタリ、ロールテープ(膝、アキレス腱)
リカバリー:あおばずんだ本舗 ずんだあんぱん、HALEO RAIZ(プロテイン)、GU エネジーワッフル


叶うのであればハセツネをスイーツデートに誘いたい。一番町か、はたまた代官山か。ハセツネも2500人も相手にしてたら疲れるもんね。甘いものでリカバリーして夜の街へご一緒したい。




贈り物も良きかな。


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