目次
1 レースは生理学的な能力向上に繋がらない
2 トレーニングレースという考え方
3 レースの楽しさと能力向上を両立する
4 特殊なシリーズ戦
5 ガースーのスケジュールから考える
6 初めてに挑戦する
7 まとめ(なのか?)

おばんです。ガースーです。

RUN+TRAILさんの連載やカムロトレイルの準備で、ブログの更新が滞っておりました。
とはいえ自分の頭の整理の為にも有効なブログ。今年は更新頻度は落ちるかもしれませんが、定期的に書いていきたいと思います。

さて、時間は経ってしまいましたが、4/2にハセツネ30kに出場しました。

【ハセツネ30k結果】
■30km 2000mD+
■6th 3:12:54 (+0:16)


レース2週間前に右脚の内くるぶしを痛めました。そこから2週間近く休みましたが回復が遅く、初期の対処を失敗したなと後悔。レースが気になり休むという選択が取れず、痛いまましばらく走ってしまいました(これが自分の悪いところ)。

ハセツネ30kもDNSが最善と分かりつつ、東京でお世話になってるShintoniaに藤原さんへ。その施術後に決めようというところ、でスッと痛みも引き走る事に。さすがに移動中に痛みが出て来ましたが、施術前の痛みほどではなかったので気持ちは前向きでした。

順位もタイムも狙えないというのは気楽でした。痛みはありましたが、トレイルを走る気持ち良さ、自分のベストを尽くすというシンプルな気持ちで走ることのできたレースは久しぶりでした。


こんなに走れると思ってなかったので嬉しかったなぁ。

(実は六花さんに言われて作り笑顔…笑)



終わった後に少しずつ「万全の状態で挑みたかった」という気持ちも出て来ましたが、怪我も含めて実力です。秋のハセツネ本戦にその機会は取っておきましょう。


秋はこのメンバーと一緒に走れる状態にしたい。



さて、前置きが長くなりましたが、今回は
《レース過多がパフォーマンスの向上を妨げる》というお話です。今回(今年)の私のスケジュール、また今回の怪我という部分で考えざるを得ないテーマでした。

「レースを走ると練習より疲れる」
「ダメージが大きい」
「レースが続くとモチベーションが保てない」


これらは、おそらく誰しもが感覚的にわかることだと思います。

ちなみに以下が私の昨年からのレーススケジュール。

【2022年】
7月櫛形30k
8月真昼山地50k
9月安達太良50k
10月ハセツネ71k(43kmDNF)
11月世界選手権80k
12月亘理15k ITJ70k

【2023年】
1月勝田フル
3月国営昭和記念ハーフ 133kmFKT
4月ハセツネ30k FUJI100mile
5月奥州きらめきM
6月奥信濃100k
7月 月山75k
9月安達太良50k
10月ハセツネ71k
11月みやぎ復興M

どうでしょう。
自分でも「いつ練習するんだ」って感じです。


【①レースは生理学的な能力向上に繋がらない】
私個人としては「レースは生理学的な能力向上にならない」という感覚があります。
(正確には能力向上の刺激を遥かに超えるダメージで結果的にマイナスになる感覚)

レースを走ることで、例えば苦しい場面の身体の使い方や感覚の慣れ、トレイルで言えば補給などの実践的な能力、いわゆる「テクニック」が身に付き、それが結果として現れることが存分にあります。

しかしレースは生理学的な能力アップに必要な一度の負荷を大きく越えていますし、しばらくは通常の練習に復帰できす、その分だけ能力アップの機会を逃すことになります。

特に距離が長くなるほど、全力で走るほどに大きなダメージを負う事になります。例えば、マラソンを全力で走ると内臓疲労まで含め回復するのに1ヶ月かかると言われています。そこから練習を積んでー、と考えると、レース前の練習、体調と同等になるまでかなりの期間が必要になります。「ジョグや軽いポイント練習ができる」というレベルではなく、です。これは数字以上に感覚的にわかるのではないでしょうか。


ご存知「ダニエルズのランニングフォーミュラ」のマラソンのトレーニングにも、“本番前に全力でマラソンを走る”という項目は当然ありません(長くても29kmか110分短い方だったかな。ペースも本番より遅く。Mペース)。※4/19訂正しました
また、厳密に言えば1500mや3000mでもダメージはありますが、これらは長期離脱するようなダメージはなく、また負荷を調整すれば「生理学的な能力アップの練習」として機能します。しかしマラソン、そしてそれ以上の距離はそうはいきません。

トレイルのダメージを考えるとすれば、コースの難易度や気象条件にも左右されますから、回復までに明確な期間をお答えするのは難しいのかなと。マラソンをベースに、あとは個々の感覚、特に過去のレースを参考に調整するのが良いと思います。
(とりあえずFUJI走る皆さんは終わったら休みましょう)



※有馬さんのこちらのツイートもぜひ参考に






【②トレーニングレースという考え方】
さて、私のようなスケジュールでは、レースとレースの間はリカバリーで終わってしまい生理学的な能力アップの機会が作れません。先に書いたように「レースは能力アップに繋がらない」とすれば《レース過多はパフォーマンス向上を妨げる》と言えます。

リカバリーすら間に合わないとなると、オーバートレーニング(厳密にはレースですが)、体調が戻らずフェードアウトしてしまう可能性もあります。
レース過多でフェードアウトしてしまった、そんな方は周囲にいませんか。勢いがあると過密なレーススケジュールもこなせますが、必ずどこかで反動が来ます。トレーニングはもとより、レース計画も慎重にすべきなんです(オレだよ)。


「でもレースに出るのが楽しい」

この気持ちもわかります。私もレースを主催してますから、計画なんて気にせず遊びに来て欲しいと思ってます。レースで得られる《心の栄養》も間違いなくありますから、負荷と天秤にかける必要がありますし、そもそもパフォーマンス向上への興味がない場合は、今回の内容は気にしなくても良いことです。

この、レースによる《心の栄養》と《生理学的な能力アップ》を両立する方法はないのでしょうか。
ここで《トレーニングレース》という考え方をご紹介します。


「マラソンの二週間前にハーフマラソンのレースをマラソンペースで走る」というのも該当します。この場合、先の二つを両立することが可能になります(それでもトレーニング“だけ”の方が良いのですが)。

ここで大事なのは
「速く走らないこと」。
速く走るよりは遅い方がずっと良いです。(オレだよ)



【③レースの楽しさと能力アップを両立する】
「どんな能力アップを狙ったトレーニングレースなのか」を理解し、適切な心拍ゾーンで走り終えるのがベストですが、難しい場合は「同じペースでそのレースをもう一本走れる」くらいの感覚をオススメします。どうしても頑張ってしまう人は、周囲にトレーニングレースである旨を伝えるのも良いでしょう。いわゆるファンランで長時間身体を動かす事だけにフォーカスするのも良いですね。気分転換にもなります。

「保険をかけてる」、「全力で走れ」と煽ってくる輩がもしいたら放っておきましょう。
レースも、トレーニングも、あなただけのものです。常に全力スタイルも、ゆるランスタイルも人それぞれ。お互い認め合えたらいいですね。ここでお伝えしたいのは、レベルアップを目指すなら長期的な目標を忘れないようにしたいですねってことです。

ちなみに《トレーニングレース》という考え方を知ると、レース過多でフェードアウトしてしまう人とは逆に、レースを利用して上手く力をつけていたり調子を上げている選手も思い浮かぶはずです。私も何人か思い浮かびます。

彼ら彼女らが全レースで自己記録を目指してオールアウトしているか考えてみて下さい。それぞれ上手く走ってるんもんですよ。計画的な方もいますが、メンタル面含め感覚で調整できる方もいますね。計画すらまともにできない私から見たら天才だと思います。


三月の133kmFKTはトレーニングレースの強度?いやいや、全力で走りましたよw(だから今大変な事になってる…)



【④特殊なシリーズ戦】
スカイランニングのワールドシリーズなんかは、30km前後のレースを何本も走ります。あれだけレース数が増えると、蓄えた能力を目減りさせながら戦っていく感じかなと個人的には思います。

当然リカバリーが大事ですから、そこにウエイトを置ける選手じゃないと戦えないですね。パフォーマンスの最大化を優先できない、ちょっと特殊な形だと思います。(ただ“魅せる競技として成熟していく”という点で大事な戦い方で、そこに挑める選手はまさに“プロ”だと思っています)


だから瑠偉君はすげーんだよ。戦い方も露出含めた活動の仕方もプロだよね。




【⑤ガースのスケジュールから最善策を考える】
「シリーズ戦かよ」って突っ込みたくなるほどのレース数です。距離も長いのに無理だろオレ…

実は133kmのFKTから今回のハセツネ30kに向かう期間、そしてレース中も「このスケジュールは厳しかったな」と感じるばかりでした。出たいレースが続く中で申し込みを我慢出来なかったし、FKTもやりたかった…。何年もやっているのに誘惑に負けた…。

先に書いた様に能力アップを狙う練習ができないばかりか、体調も戻り切らず。故障もスケジュールの問題だと思っています。(もちろん走る場所や身体の使い方、ケアなども関係ありますが、これらも余裕のないスケジュールと紐付けされるでしょう)

そんな訳で今年のレースに関しては《トレーニングレース》を徹底するつもりです。
目標とするレースは9月の安達太良50k(スカイランニング世界選手権選考会)、そして10月のハセツネです。この間はリカバリーに徹する事になるので、9月までの過ごし方は自ずと決まってきます。
前半シーズンでトレーニングレースとしないのは6月の奥信濃です。とはいっても秋の目標に向けての期間ですので、仕上げることはできません。

それでも良い形で走れそうな気がするのは3月のFKTのおかげです。常に「確実に走り切れる努力感」を大事にすること。練習もショートレースもロングレースも同じです(当たり前なんですが)。今までロングだけ気張ってました…。



ありきたりだけ「自分のベスト」を尽くせば割と毎回満足できるんじゃないですかね。欲張るから空回るだけで。



【⑥“初めて”に挑戦する】
さて、では秋までどんな過ごし方をするのか。
実は中距離走に挑戦したいと思ってます。そのためには短距離の練習も入れなくてはいけません。実は中距離走、好きなんです。《トレーニングレース》という意識で臨むシーズンも初めてだし、中距離の練習をするのも初めて。どんな変化が起こるのか楽しみです。

詳しくは後日書きます。多分。


【⑦まとめ】
トレーニングレースでいいんです!それぞれのスタンスで楽しみましょう!
10/22開催のカムロトレイルラン(山形県金山町)は全ランナーのスタイルを応援します!


ホームページはこちら!!






(宣伝さーせん笑)

今年はみんなが知ってるビッグゲストが来てくます!発表をお楽しみに!