富士山女子駅伝、たまたま見てたら先頭を走る名城大の和田選手の走りが気になりました。


「なんかぬけぬけ病になりそう(もうなってる?)ような走りだなぁ」


・カクン、カクン、と右側?だけ落ちて左右のテンポが違う
・それをカバーするために身体全体が強張っている、左右の動きも違う


ような気がしました。


和田選手はYouTubeなんかで何度か見たことありますが、以前から力強い走りだったけど、もう少しスムーズだったような…。


ぬけぬけ病で引退したランナーは多いですよね。
トップ選手も然り。
自分の周りの選手も然り…。


(自分はトレイルランに助けられてます)


ということで久々のぬけぬけ病、足抜けの回、32回目です。


というのもこちらも久々でトラックレースに出てんですが、しっかりとぬけました。
そこで気付きがあったので

・実際の状態
・対策、回避するテクニック
・種目を変えるという選択

を自分のメモ書きとしても残したいと思います。

では時系列に沿って書いていきます。


【レース結果】
12/4 5000m15‘59“
12/5 5000m15’33”


【エントリーのきっかけ】
休みだったのと近所の競技場だったこと。
あとは練習ができてたことですね。
少し重さはありましたが、ファルトレクのタイムが春先より良かったので、ベスト(14‘56“)出せるかなという期待もあり。
この時点で練習でも脚抜けの気配はほぼなし。


二週間前のみちのく湖畔トレイル6kmの走りもまずまず。
ただ動き、特に登りに固さありで、昨年もような軽さはないかなという感じ。

【①レースまで】
「レースが近づいてきたぞ」
と意識し始めると右股関節、坐骨神経痛がうずうず。腰の痛み、脚抜けも出てきました。
・レースの組、誰と走るのか
・レース展開
・トラックを走る
・ベストを出したい
・調整して身体が軽い
こんなところをイメージし出すとダメですね。
脚抜けの記憶が引っ張り出されて身体が反応しちゃうようです。



そんな中、三日前?に芝生で2kmと1km。どちらも1km3’10ペースでしか走れず。
5km意識で走ったとはいえなんでこんな遅いんだ。
ここで3km8分50秒はどうやって走ったレベルで不安に。

そんな訳で14分台はイメージできず。でもそれまでの練習は良かったし、なんとなく15‘30切れればいいかなという感じ。


【レース前の対策】
・組分けは見ない
・調整しない
・練習と割り切る
・3000mでやめてもいいと思う
(ぬけぬけ病はたいてい3000mでひどくなる。10kmなら6000とか)

大事なのは練習通りに走ること。これが難しいんですが。
レースをイメージしてしまうこと、行動はやめる。

いつものファルトレクのように「感覚で走り出してどこまでやるかは走りながら決めよう」
くらいの気持ちで。
大一番のレースはどうしましょう。これまた難しいですね。
とりあえず自分の場合は、「気楽に走ってるけど脚抜けしなさそうだし気持ちも乗ってきたな」という状態にを待つしかなさそう。今のところは。


【②レース中】
12/4 15’59 (305-06-12-19-17)ドラゴンフライ並行ピン5mm

レースまでの状況の通り脚抜けしそうな気配ビンビンでスタート。
タイムは気にせずも身体も動かず後方待機。3000m付近、着かせてもらってた選手のペースが遅く感じるので前に出ると思い切り脚抜け。
一番ひどい時レベルで、ローリング、脚が棒、硬直、真っ直ぐ接地できない、痺れも出て、命辛々なんとかゴール。
並行ピンも接地感にズレがある感じがして脚抜けを助長した気がします。


12/5  15‘33 (301-05-18-06-03)ドラゴンフライニードル7mm

前日が前日だったのでどうにでもなれの心境。
抜ける感はあったけで、3000mでやめても良いと本気で思って会場へ。
(本気で思うの大事)
あとはトレーニング、VO2Max強化なら3000m走れば練習として充分と思いスタート。
(これまた本気で思うの大事)
走り出してニードルピンは接地感にズレがなく気分が上がる。
200m37秒でゆっくりに感じたので、抜けなければ15’20は切れるなと思う。

でも自信はなく最後方。2000m過ぎてラップの通りかなりペースが落ちたが絶対に前に出ない。
3000mでつく選手を乗り換え。
一周74のリズムが楽で76だと脚が詰まる。74〜5で10000mはいけると感じる。
4000mからまた76ペースに落ちても出ず。ラストだけ切り替えて力んだので、若干脚抜けして終了。



【レース中の対策、テクニック】
・自分の場合、右足だけ高く上げて理想の位置より前に接地する癖があるので、右足だけ大袈裟なくらい手前に着く感じで
・すり足
・ピッチ
・腰から下の脱力、言い方は良くないが脚が付いていないと思って
・だからおれはテレサだ(幽霊)
・ペースを上げよう、維持しよう、前で引っ張る(というより後ろに人がいる)と意識すると身体が硬くなる、脚が硬直して抜けるのでしない。完全単独走は別
・前に選手の腰あたりでだけを見て無心で走る


このあたりができると何とか抜けずに走れる。
今回の2本目も前日までの影響で抜けそうな感じはあったが、一歩手前でとどまった感じ

・完全に抜けてしまった場合。止まって屈伸などでリセット
5000mでもこの方が速い。それ以上なら間違いなく止まる。現に自分もそうしてます。


ここでぬけぬけ病仲間のコメントを。







うん、全く同じですね、自分と。


【全体を通しての雑感】
二本目をあのまま10000m走り通せば31分切るくらいで走れたと思います。

結果的に72の集団について15分少々で行けたかなと。

でもあくまで抜けなければ、です。


全て結果論であって、今回なら
・前日の失敗で開き直っていた
・右足を手前に接地すること、脱力にレース中に気づいた
・前の選手についてリズム良く走れた


などの要因があったので、単発で二本目のレースを走っても1日目と同じ状況になりましたし、遅いペースでも途中乗り換える選手もなく後方単独走なら脚抜けしたと思います。


なので身体の能力的には変わらず5000m14分台、10000mなら30分台かな。

実際に心拍数もこんな感じ。

今回15:33
平均161 最高175
ベスト14:56
平均170 最高180


ベスト出せた時は10bpm高かったし、本来5000m全力ならそうなるはず。
今回のは10000mの心拍数です。身体の楽さ加減的にも。

つまりこのタイム、この心拍数は、やっぱり脚抜けしない最高のシチュエーションがないと無理です。しかもそれをまだまだ自分でコントロールできない。

トラックであればここまで書いたように

・練習と同じ精神状態
・リズム良く引っ張ってくれる人の後ろ

これが必要なのでレースの回数が限られると難しいなぁと。

レースなら立て直しが効くマラソンの方がまだ良さそうです。
5kmなら単独のタイムトライアルをロードでやる方が、ぬけぬけ病にならない確率は高い。


【中1日空けての練習】
3000m9‘13(306-06-01)
r2min
(400m76“-r100m25”)×10 total5000m16’45

芝生でよくやる練習をトラックで。
追い込むのでなく脚抜けしない感覚を確かめるため。
レースと同じく74(305)ならリラックスして回せる。
72になると少し力みますね。ここをリラックスして回せないと脚抜けしそうです。


【今後の課題】
今回書いたのは応急処置的なものが多いので、根本的に解決するには

・メンタル。過去のイメージを払拭。気楽に集中する方法を身につける。
・適切な治療、筋トレ


脚抜けは本来使う筋肉が使えず代償運動が起こっていると思う。ですのでまずはケア、そして正しい筋肉を使えるようにする必要あり。これは一人では難しいので、やっぱり理解ある専門の方に見てもらう必要があるなと。


ちなみにぬけぬけ病仲間2は
「お金と時間をかければ必ず治せる。でも市民ランナーの自分にそれをできるかというと躊躇する」

以前も紹介したこの方、大学で調べてもらったり研究に参加したり専門の
方に見てもらったりと、かなり踏み込んだ取り組みをされていました。
それでも、もっと長い期間と回数が必要だということです。


これには僕も完全同意で、例えば一年とかそれ以上走らず、かつ専門の方に週一回くらい見てもらいつつケアと筋トレを継続する。そのくらいしないとエラーを起こしてる脳の司令と筋肉はリセットできないと感じています。


でもそれをできるか
その勇気がないんだな…。


学生の時にスポーツ整形で言われました。
「陸上に限らず、同じスポーツを長くやってると似たような症状が出る。治るか治らないかわからんけど手術という選択もある。でも残りの競技人生を考えた時、走れない期間と天秤にかけて決めたた方がいい」


結局ね、自分は何もできませんでした。
今思えば、大学一、二年、もしくは社会人一、二年目を棒に振っても、リセットする期間を作った方が良かったと思います。ちょいと後悔してます。でも専門的に診てくれる人知らなかったしな〜。


でも今は増えてきたんじゃないでしょうか。調べると色々と出てきますもんね。
特にからだドックの西山先生の動画はわかりやすいです。
でも近場だと聞きませんね。仙台にいるのかな。
いるなら診てもらいたい。



そういえばITJの後半、林道、ロードパートもぬけぬけでした。
その悪い動きを最後まで引っ張ったせいで、今は歩き方すら忘れたレベル。悪い動き、身体の使い方が染み付いてしまった感じ。右足の使い方おかしいので歩くのも嫌です。
自転車のペダルも上手く回せないし、動くのがとにかく気持ち悪い。


まあ自分の場合幸いなのは左脚は問題ないこと。だから左脚を基準に右脚のおかしいところを(ある程度)修正できるし、その感性はそこそこある(と思う)。ATR半蔵門で感覚磨いてもらったおかげ。
といっても一人じゃ限界あり。


しばらくは休んで(といっても一年休む勇気はない)、筋トレというか身体の調整に専念しようと思います。


【種目を変えるという選択も】
自分の場合(おそらく多くのぬけぬけ病の方にとって)、やっぱりトラック練習は避けた方が良い。悪い感覚が蘇るし、しばらく引きずる。気持ちよく生活、練習したいなら芝生、トレイルだけですね。ロードは移動半分で仕方なく。

サブタイトルの通り、ぬけぬけ病にならない種目を選択するのもありです。
スポーツ自体を変えるのは勇気がいることですが、例えば自分の場合なら1500mに絞るとか、立て直しの効くマラソンにするとか。
トレイルランニングはおすすめ。規則的なランニング動作から離れるスカイランニング、バーティカルは特に良いですね。


800m、1500mは問題ないという選手が多いですね、自分です。

安定した路面がダメ、一定ペースがダメ。なのでインターバルや不安定なトレイル、クロカンを。


それぞれの強化の過程で5000mの能力を上げる時期も必要ですが、「トラックでレースに出る」必要はない訳です。


でもトラックで上を目指したい人はどうしましょう。
とりあえずトラックの左回りをうまく走る技術を身につけつつ、感覚を掴むためにたまに走るのが良いのかなと思います。そのくらいしか思いつかない。

何より大事なのは無理せず楽しむことかと。悪い感覚のまま走るのは本当良くない。


ただどんな種目でも本気でレベルアップを目指すなら、根本的なぬけぬけ病の解決は必須かと。抜けるということは、悪い動きが身に付いてしまっていることの裏返しですから。


あー、それにしても気持ちよく走りたい。というかまずは歩きたい。



興味のある方、ぜひ過去記事もご覧ください。