プレイバック・シアターのコンダクター(進行役)をやっていて身に付いた事があります。

それは、子どもを惹きつける声かけの方法です。


自分では、あまり自覚がなかったのですが、少し前に不登校児の居場所に見学に行き、実際に現場に入らせてもらった時に、声かけが絶妙ですね!とスタッフに言われて気づきました。


子ども達とは、いつもの調子で話していたつもりだったのですが、よくよく考えると、いくつか気をつけていることがありました。


まずは、否定文を使わないこと。

何か言われたことに対して、決して否定の言葉では返しませんでした。

走らないで!ではなく、歩いてね。と言うなど、言い換えれば、否定文でなくても相手に伝わるのです。

と意識してても、ついつい日常で使ってしまいますが、その度に何て言えばよかったかな?と考えておくと、だんだん否定文を使わないで接することが出来るようになりました。

不登校になる前には、大人からの理不尽な否定的な言葉によって、傷つけられた経験が少なからずある子が多いと感じていました。

これ以上傷つけたくない!という思いがありました。


そして、答えを教えないこと。

工作をしてる子に、うまく出来ない!どうしたらいい?と聞かれましたが、う~んどうしたらいいかな?ここをこうしたいのかな?などと、言いました。

実際は、こうすればいいと、私の中では答えが出ていますが、敢えて言いません。

そうすると、あっ、こうしたらいいかも!みたいに自分で考えます。

例え失敗したとしても、うまく出来なかったねう~ん困ったねぇとか言ってると、また他の方法を考え出します。

答えを教えないって大事です。

子どもが自ら考え出した答えの方が、私なんかが思いつくものなんかより、よっぽど優れていていたり、面白い解決方法のことが多々あります。

答えを教えてしまうと、誰かに答えを求めてしまい、自分で考えることをしなくなります。

子どもいえ、誰であっても、自分の問題は自分で解決する能力を持っています。

大丈夫です。信じてあげて下さい。

失敗は成功の元です。

たくさん失敗させてあげるって本当に大事です。


それから、子どもの気持ちを代弁すること。

簡単に言ってしまえば相手の言ったことをオウム返しするということです。

でも、ただのオウム返しではなくて、きっとこんな風に感じているであろうと思うことを、自分の言葉で言い換えます。

その子の気持ちを的確に表現してあげると、子どもは落ち着きます。

分かってもらえた、と感じることで落ち着くのかもしれませんね。

子どもは経験値が低いので、ボキャブラリーが少ない子が多いです。

まだまだ自分の気持ちを的確に表現することが出来ないことがあります。

なので、大人が代弁してあげるって必要なことなんだと思います。

自分の気持ちを的確に表現してもらえるというのは、子どもでなくても、とても心地がよいものです。

あぁ、この人は自分のことを理解してくれてるんだって感じることが出来ます。


最後に、言葉を表面通りに受け取らないということも大事だと思います。

実際、ある子がニャ~ニャ~と言いながら私に近寄ってきました。

私はその時、他の子ども達と遊んでいました。

一緒に遊びたいのかな?

私に甘えたいのかな?

と感じたので、一緒に遊ぶ仲間に入れるように、私のペットとして参加させました。

最初に一緒に遊んでた子は、しばらくは怪訝そうでしたが、そのうちその設定を受け入れてくれました。

最初に遊んでた子も納得出来る、新しく加わった子も無理なく馴染めるように、お互いを擦り合わせるには、それぞれの子どもの尊重したいことを私が代弁して、少しずつお互いの考えよりにしていくと、落とし所が見つかります。

というか、子ども達が自分達で見つけていきます。

最初はえーヤダーなんて言ってても、もちろん、それも共感しつつ、こうしたいんだって、と相手の子どもの気持ちを伝えると自分の中で葛藤して、どうしようか考えてくれます。

実際、最初に遊んでた中でもペットが登場していたので、ニャ~と言ってきた子もそれを分かってて言ってきたのだと思います。


やっぱり子どもはすごい!


私なんかよりも、場の空気を読む力だったり、適応する力を本当に持っています。


子どものことを心から信じてあげること。

これが一番大事かもしれませんね。


子どもだけではなく、全ての人の信頼感は、私の長年のプレイバック・シアターの体験で培われました。


あなたもプレイバック・シアターを体験してみませんか?(*^^*)