プレイバック・シアターとは何か?ということを文章で説明する。

これ程難しいことはないのでは?と思います。

プレイバック・シアターほどに、「百聞は一見にしかず」という、ことわざが当てはまるものもないかと思うくらいです。


とにかく一度体験してみて!

と言われても、なんだか得体のしれないものに参加しようとは、なかなか思わないですよね(^^;;

なので、今日はプレイバック・シアターとは何か?ということを、文章で説明することに挑戦してみようと思います!


まずは、実際に何をするのか説明しますね。


最初は、参加者全員で輪になり、一人ずつ自己紹介をします。

その後、いくつかのウォーミングアップをして心と体をほぐしていきます。

ウォーミングアップは、共通点探しの一歩前や、自分の心の状態を可視化するマッピング、実際に短い演技をする動く彫刻など様々なものがあります。

参加者がほぐれてきたら、いよいよプレイバック・シアターそのもの、ストーリーに移ります。

参加者の誰かのストーリーをコンダクター(進行役)が聴き、アクターが演じます。アクターも、その場にいる参加者です。演じられた後は、少人数で感じたことをシェアします。

その後、もう一度輪になり、一人ずつ感想を言い、クロージングです。


だいたいこんな感じの流れになります。

いきなり演技したり、自分のことを話すのも大変ですよね(^^;;

しっかりウォーミングアップの時間を取ってから、プレイバック・シアターそのものに入っていきます。

ウォーミングアップもいろんな種類があるので、いつか紹介しますね。


それから、プレイバック・シアターはワークショップ形式で行われます。

一般的な講演会だと、講師が参加者に対して講演しますが、ワークショップでは参加者が主体的に参加し、参加者同士も双方に交流します。

今は自治会などでも夏休みの工作のワークショップなどが開かれていますが、その場合、目的が決まっていて、みんなで一緒に作業するといった感じのものが多いと思います。プレイバック・シアターのワークショップは、一緒に作り上げますが、参加者に委ねる部分がさらに大きいです。

何をするか、何が起こるかは、始まってみないと分かりません。

コンダクター(進行役)は、場を見ながら何のウォーミングアップを提供するか決めていきます。

なので、決められた事をするのではなく、今この場に必要なものを参加者みんなで体験していきます。

コンダクターが一定の方向性に参加者を誘導するということはありません。

プレイバック・シアターは参加者にとって、とても自由度が高い場だと言えます。

そのかわり、枠組みはしっかりと決まっています。プレイバック・シアターではリチュアルと呼ばれています。枠組みがしっかりあるからこそ、自由が保障されているのです。

この話もまた他の機会に。


さて、プレイバック・シアターを始める時、参加者に必ず伝えることがあります。

それは「自分のことを話したりしますが、言いたくないことを無理して話す必要はありません。話せる範囲で大丈夫です。また、表現することもありますが、もちろんパスもOKです。一人一人が居たいように居て下さい。」ということです。

プレイバック・シアターの中では強要や強制はありません。主体性を尊重しています。やりたくないことを無理にする必要はないのです。

前にプレイバック・シアターの実践者の仲間から聞いた話ですが、ワークショップの最中、ずっと部屋の隅に立ってる人が居たといいました。その場のスタッフが邪魔だから部屋から出そうとしましたが、その実践者の仲間は、それが彼の居方だから大丈夫と、部屋から出すことはしませんでした。

数年後、ずっと部屋の隅に立ってた人と再会することがあり、お礼を言われたそうです。その人も耳だけは参加していたんですね。


プレイバック・シアターは、許容範囲が本当に広いな~と思います。

どんな人であっても受け入れてくれます。

以前、聾唖の方と一緒にプレイバック・シアターをしたことがありますが、とてもいい場になりました。

そのこともまた機会があればお話したいと思います。


なんとなくプレイバック・シアターのことが分かっていただけたでしょうか?


やっぱりよく分からないままでしょうか?(^^;;

プレイバック・シアターを文章で説明するのは、なかなか難しかったです。

でも、一度参加してみてもいいかな?なんて思ってもらえたら、嬉しいです。