ご縁を感じる本との出合いってあるもので、
私の場合、この本でした。
受験を控えた高2の女の子が
主人公の物語。
「手紙屋」との文通を通じて、
何のために勉強するか、を
学んでいく、というストーリーです。
去年の夏ごろだったでしょうか?
よく子どもたちの将来や
「学ぶ」について語り合う友人から
「この本、すごくいいらしいよ」と
LINEが送られてきました。
当時私はその本も、
著者の喜多川さんのお名前も
知らなかったのですが、
どこかで目にしたことあるなぁと思ったら……
そのLINEが来る直前に、
高1の娘から受け取った
高校の学年便りに、喜多川さんの
お名前があったのでした。
【学年末の3月に、
『手紙屋』で有名な喜多川泰さんをお招きし
「君には無限の可能性がある」という題目の
講演会をしていただくことになりました】
そしてそこには、
学年主任の先生が、
喜多川さんの大ファンだということ、
この『手紙屋 蛍雪篇』を
各クラスに2冊ずつ寄贈したことが
アツく、アツく書かれていました。
こういうセレンディピティというか
シンクロニシティというか……
そういうものには乗っかることに
決めているので、
『手紙屋 蛍雪篇』を読み、
保護者も参加できるというので、
講演会にも申し込み、楽しみにしていました。
そして、その講演会があったのが
昨日のこと。
学年主任の先生が
あんなにアツく学年便りに
想いを綴るのがよく分かる、
すばらしい講演会でした。
講演会の内容は
あまり詳しく書くべきではないと思うので
控えますが……
高校生だけでなく、
中年の私が聞いても勇気づけられる言葉を
たくさんいただきました。
「1度きりの人生、自己ベスト以下の人生で
満足できる?
自分の能力をどこまで出せるか
磨いてみませんか?」
「“すごい”という言葉を、
結果でなく、挑戦する勇気を持てたことに
対して使ってみたら?」
「今の時点で夢や目標がなくても
目の前のことをやっているうちに
見えてくることがある」
「人は、誰かに何かを与えて、
喜んでいる顔を見られることで
幸せになれる」
「今日一日起こることを
楽しむと決める」
「人生早さ勝負じゃない。
いつ夢や目標にたどり着いてもいい。
それまでやってきたことが
多ければ多いほど
その分野の中ではスペシャリティになる」
あー部分だけ切り取って並べても、
この言葉たちの持つ力の
3分の1くらいしか伝わっていないのが
悔しいですね。
こうやって切り抜くと
とてもマッチョな感じがするのですが、
全然そんなことなくて、
喜多川さんの言葉は
やさしい強さがありました。
横浜で塾を開き、
そこで何十年も
生徒たちを見てきた人だから
語れる言葉なのだろうな、と思います。
最後に生徒から出た質問。
「どうして塾の先生だったのに
作家になったのですか?」
に対する応えが
この講演の内容を喜多川さん自身が
実践してこられたのだということが
よくわかるものでした。
「私は数学科の出身でしたが……
ある日、塾の生徒に
『映画評論家って、どうやったらなれるの?』
って聞かれたんです。
それに対して、『まず映画をたくさん観て……』とか
当たり前のことしか言えなくて。
だったら自分が【どうやったらなれるか
よく分からない職業】を目指してみよう、って
思ったのが最初です。
自分からいちばん遠い
「文章を書く」ことに挑んで
その課程を生徒たちに伝えれば
何か学ぶことがあるかも、って思って」
それで!
著者累計125万部のミリオンセラー作家に!!
かっこいいなぁ、まじで。
ご自身も、大学卒業時点で
自分の夢や目標が見つからなかったから
「きっと塾の講師が向いてるよ」と
他人に言われた言葉を信じて
塾講師の仕事を歩みはじめたのだそう。
小さい頃からの夢を叶えた!
という人ではないから、
迷う気持ちも、
遠回りする気持ちも
そして、その一見遠回りに見える道にも
すべて意味があることを
ご自身が体感されているんですよね。
だから書ける小説なのだと思います。
講演会から帰って、
すぐに『手紙屋 蛍雪篇』の
姉妹作品といいますか、
就活中の大学生が主役の
『手紙屋』も
Audibleで聞きました。
2つの物語で語られている
「学ぶとは」
「仕事とは」
は、今の私にもとても響くもので、
いろいろな経験をした今だから
余計に響くのかなぁとも思います。
昨日娘とちょっと話しただけでも、
あ、勉強する意味は
やっぱり分かってないなと思ったし
(当然!私も分かってなかった)
働く意味も
当然分かってないなと思いました。
(私だって就活のときそんなこと考えてなかった)
もちろん、この本に書かれていることが
正解!というわけではないけれど、
ほんとそうだよな、と
心から共感できる仕事観、勉強観です。
どっちも、子どもたちに読んでほしい。
この本を読んでから
受験・就活をすると全然
違ったものになるような気がします。
娘に、「講演会どうだった?」と聞くと
一通り感想を述べたのち
「関係ないけど、なんで喜多川さんは
ひとつの質問に対して
あんなに長く、いい話ができるの?」
と聞いてきました。
それ!
私も思った!
そして、去年の夏にママが受けた
講座の先生に対しても同じこと思ったのよ~と
私が思うところを伝えました。
「喜多川さんにせよ、
ママの先生にせよ、
普段からきっとものすごく
たくさん内省しているから、
自分がふと感じたことを
分解して、言語化できているのだと思う。
そういう引き出しが
いっぱいあるから、
ひとつの質問に対して
関連あるなと思う引き出しを
いくつも開けて
言葉をつなげられるんじゃないかなぁ?」
娘は納得して、
一問一答、にならない、
「会話を続ける」ことを
意識してやってみよー
という話になりました。
これ、あまり対話が得意でない娘からしたら
すごい学び!
親子で喜多川さんのお話を聞けたこと、
さっそくいいことがあったな、
と思いました。
『手紙屋 蛍雪篇』を
いくら勧めても講演前に
読まなかった娘ですが、
喜多川さんの言葉を聞いて
読みたい気持ちも高まったんじゃないかな。
受験前にこの本や講演に
触れることができた娘は
幸せ者だなと思います。
娘のおこぼれで
喜多川さんの講演を聞けた私も
かなり幸せものです。
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ココロ ツムグ研究所かげいろは
栃木県宇都宮市で、
「丁寧に紡いだストーリーで人との距離を縮める」
をMissionとして取材・執筆活動をしています
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