🍎目線。
もう27歳。
普通なら、たぶん、もう喜べない歳。
だけど、たくさんのメンバー、たくさんのファンの方がお祝いしてくれる。
だから私にとってはとても嬉しい幸せな日。
だけど、一つだけ、今年は足りないことがある。
ううん、今までずっと隣に居てくれたことが当たり前って思ってた私がいけない。
「はぁ、、なぁちゃんに会いたい」
〈ふふっゆうちゃんも大概だね?〉
「あ、おんちゃん!?な、なに?」
〈いやいや遅いから笑
いいんじゃん?なぁちゃんのこと大好きだもんね~?〉
「べ、べつに、、」
〈なぁちゃんも活動再開してまた忙しくなってるもんね〉
「、、うん」
〈でも今日は会えるんでしょ?よかったね!〉
「、、会えない、よ?」
〈え?〉
「今日はまだ1回も連絡取ってないし、会う約束もしてない」
〈いつも1番におめでとう言うなぁちゃんからしたら珍しい、忙しいのかな?〉
「、、それでも、いつも1番だったもん」
〈そっか、うん。寂しいね?〉
「、、、うん」
〈私もぶーちゃん卒業して、改めて気づいたところあるしな~当たり前じゃないっていうか〉
「うん、そうだね、、」
おんちゃんと話してたら、余計に寂しくなった。
もう私の隣にはなぁちゃんはいないし、
なぁちゃんも私じゃなくても平気になっちゃったのかな、、。
(ゆいりーさん!お誕生日おめでとうございます!)
(今日みんなでご飯食べ行きましょう!
いつも奢ってもらってるお礼です!)
(ゆいりーさんの誕生日会しましょ!!)
いつもなら、なぁちゃんとの約束があるから、
無くても、なぁちゃんがサプライズ用意してくれてるのがバレバレで
だからメンバーからのお誘いを断っていた。
もしかしたら、長いアイドル人生で初めてなぁちゃんじゃない人と過ごすかも。
よく言えば、なぁちゃんと過ごしたかったけど無理だよね?
1人になるくらいなら、、。
「いいの?じゃあ、行こっかな~」
〈え、ゆうちゃんいいの?なぁちゃんは??〉
「連絡来ないし、、自分からするのもなんか虚しいだけっていうか。」
〈後悔しない?〉
「しない、よ」
〈そっ、か?〉
(よかったらみーおんさんも来てください!
みんなで盛大にお祝いしましょう!)
〈、、私もゆうちゃんのお祝いしたいし行こうかな~〉
「、、ありがとう」
本当の私の気持ちにきっと気づいてる。
だけど、無理なものは無理だから、仕方がない。
気持ち切り替えてお仕事がんばろう。
.
.
結局、お仕事中もなぁちゃんからの連絡が来ることは無かった。
〈みんなお疲れ~〉
(お疲れさまです!)
(ゆいりーさん、どこ行きますか??)
「え、あ、」
(じゃあ焼肉で!)
〈ゆうちゃんに決めさせないんだ笑〉
(もう予約済みでーす!!!)
(ゆいりーさんもみーおんさんもお財布は出さないでくださいね?)
〈ゆうちゃんは分かるけど私は出すよ?〉
「さすがに私も。焼肉を後輩に奢ってもらうわけには、、」
(大丈夫です!私達もお金出さないんで!笑)
「〈えっ?〉」
なんだかよく分からない状態になっているけれど、
今日はやけに押せ押せな後輩たちに連れられて
私とおんちゃんは焼肉屋さんにやって来た。
(ではでは~ゆいりーさん27歳おめでとうございます!)
(「〈かんぱーーーい!!!!〉」)
(ふぁー美味しい!もう何でも食べてくださいね!!)
「あ、ありがとう?」
〈ねぇ、本当に大丈夫?〉
(大丈夫ですって!!!ニコッ)
「おんちゃん、どうしよう。平気かな?」
〈まぁ全然私出すし、ゆうちゃんは気にしないで?〉
「でも、、、」
『お待たせしました~ご注文のお肉です!』
すごいスピードでお肉を頼んでいた後輩たち。
本当に大丈夫なのか心配してた私とおんちゃんの会話を遮るように
お肉を運んできてくれた店員さんが個室の扉を開けた。
そして、姿を見なくても、誰だか分かる声。
「〈えっ?????〉」
『ふふっ、どう?ちゃんと食べてる?
君たちも協力してくれてありがとう!いっぱい食べてね?』
(はい!ありがとうございます!!)
『てことで、ここからは私も参戦します!
ゆうちゃんの隣いいですかー?』
(どうぞどうぞ!!)
『お邪魔しまーす!へへっ、ゆうちゃん誕生日おめでとう!いっぱい食べてね?』
「えっ、あ、なぁちゃん、、」
『ふふっ、サプライズ大成功!
お店の人に頼んだんよ~後輩ちゃんたちも協力してくれたの!』
「な、なんで、、」
『色々しすぎてサプライズのネタ切れで、、
それに今までは準備してるところ地味にバレてたし、今年こそはってバレないように連絡も一切しませんでした!!』
〈なるほど笑〉
「グスッ、グスッ、、」
『ゆうちゃん、それはどんな涙?』
「嬉しくて、、グスッ、もう、私の隣にはなぁちゃんはいないとグスッ、思ってたから、、」
『ふふっ、ゆうちゃんが居ないなんて、私が考えられないよ?』
「、、うん、だけど、、もう、やだ」
『えっ?』
「不安になるサプライズはしないで?」
『ふふっ、分かりました!お任せ下さい笑』
〈ほーら、後輩たちもいるんだし、それ以上2人の世界に入らないで~!!〉
(えぇーもうちょっとゆうなぁの世界線見たかった~)
〈だめだめ、放っておいたら他の人がいること忘れるんだから笑〉
『忘れないよ~』
〈2人のためでもあるんだからね?〉
「『は、はい、、』」
それから、たまーーーにおんちゃんに
〈はいはい、ゆうなぁの世界から戻っきて!〉
なんて言われながらも、みんなで焼肉を食べて
それぞれがお腹いっぱいになり、それじゃあ!って帰ってく後輩たち。
そして、お金の心配をなぁちゃんにしながらも、
『もう払ってあるんで!』
というなぁちゃんに頭を下げながら後輩たちと帰ってくおんちゃん。
『ふふっ、じゃあゆうちゃん。私達も帰りましょ??』
「う、うん、、あの、お金ほんとに、、」
『誕生日の日に本人に出させるわけないでしょ?今日は何言ってもダメだからね~笑』
「その、ありがとう?」
『うんうん!それでよし!』
「お金だけじゃなくて、その、、サプライズとか、色々。」
『ふふっ、今日はこの後ご予定は?』
「ない、よ?」
『じゃあ決まり!私の家にお泊まりね~』
「あ、うん////」
ほぼ強制だけど、それが嬉しい。
今年もこうやって、なぁちゃんと過ごせると思わなかったから、、
当たり前だったことがそうじゃなくなるかもしれなくなって
改めて私にとってのなぁちゃんの存在の大きさに気づいた。
だから、今日は誕生日だし、ほんの少し勇気をだして、
「なぁ、ちゃん、、ありがとう。」
『んーー?さっきも聞いたよ?』
「そうだけど、そうじゃなくて、、なぁちゃんと一緒に過ごせて、その、嬉しいから///」
『///ゆうちゃん可愛すぎる』
「可愛くない、、あの、さ、来年も一緒がいい」
『えっ?』
「サプライズとかなくていいから、来年もなぁちゃんと一緒にいたい。再来年もその次もずっと」
『ゆうちゃん、いいの?なぁでいいの?』
「なぁがいいの///だめ?」
『ダメじゃない、よ?』
「じゃあ、やくそく。来年も再来年もいっしょね?」
『はい!』
サプライズも嬉しいしプレゼントも嬉しいし
みんなにたっくさーーん祝ってもらえるのは幸せだけど、
そんな幸せはなぁちゃんの隣で味わって、なぁちゃんにおすそ分けしたい。
なぁちゃんと一緒に幸せを形にしていきたい。
だから、ずっとそばに居てね?
【完】