🍎目線。







毎日、レッスンに公演、番組の収録、雑誌の撮影や取材。


忙しない日々をそれぞれ過ごして、でも4人でも集まって。


学生という青春は送ってないけど、これもまたひとつの青春で、


私たちにしか経験できないもの。


そして、この青春に4人揃ったキセキ。









気づけば、私たちにも沢山の後輩が出来ていて、


有難いことに慕われるまでになっていて、


4人でYouTubeなんかも始めちゃったりして、


ほんとにほんとに楽しい時間。









私も少しずつ、選抜に選んでいただけるようになり、


ファンの方からも"ゆうなぁ"  "もぎおん"  として呼んでもらったり


ペアでのお仕事も増えてきて、それも幸せ。









そして、









『ゆうちゃんに話があるんだ』




「どうしたの?改まって、」




『私、AKB48を卒業しようと思う』




「え、、、、」









なぁちゃんから告げられた卒業の話。


いつか、この日が来ることは分かってたけど、


思ってた以上に早かった。









『驚かせてごめんね?
新しく、やりたいことが見つかったんだ』




「なぁちゃんは、やっぱり、歌手?」




『うん、そうだよ。1人で戦うの怖いけど、挑戦してみようと思う』




「、、そっ、か。やっぱりなぁちゃんは、すごいね。」




『すごくなんか無いよ。不安でいっぱいだから。』




「、、、、、、」




『だから、卒業して、同じグループじゃ無くなっても、そばにいて欲しい。』




「え、、」




『ダメ、かな?』









私が1番不安だったこと。


それは、小学生のころ、なぁちゃんが転校して私の隣から居なくなったみたいに


また新しい道に進んだら、私の隣から居なくなるんじゃないかって。


それが1番嫌で、怖くて、不安だった。









『、、ゆうちゃん?』




「、、グスッ、、いい、よ?、、ゆうも、いて、ほしい。」




『ふふっ、よかった、、。ありがとう。』









別々の道に進むことになっても、隣になぁちゃんが居てくれる。


それだけが分かってれば、どんな事でも頑張れる気がした。








そこからは早くて、なぁちゃんは卒業発表をし、


卒業シングルのセンターを務めて、


たくさんのメンバーに涙で見送られながらグループから卒業した。









『茂木ちゃん、おんちゃん。ゆうちゃんのことお願いね?』




《前も同じこと言ってたな、、でも今回は離れるなよ》




『それはもちろん!私がゆうちゃんに会えないと頑張れないからニコッ』




〈なぁちゃん、無理はダメだからね?
何かあったら何時でも私たちを頼って?〉




『ありがとう』




「なぁちゃん、これからもよろしく」




『ふふっ、ゆうちゃん。これからもずっとよろしくね?』









お仕事もプライベートもずーっと一緒だったから、やっぱり寂しい。


だけど、なぁちゃんの旅立ちに立ち会えたことも


なぁちゃんが進む未来に私がいることも


それは、本当に嬉しいこと。









「ずっと、そばにいてください。」









聞こえるか聞こえないかの小さな声。


最後に勇気を振り絞って出た言葉。









『ふふっ、もちろん!』









ちゃんと、なぁちゃんにも届いてた。