👄目線。
ずっと、ぶーちゃんのことが好きだった。
ぶーちゃんの特別になりたくて、私だけのぶーちゃんで居て欲しかった。
一緒に過ごした小学校までのあいだで、ぶーちゃんに彼氏ができるとか
ぶーちゃんのことが好きな男の子がいたとか、そんな話には出会わなかったけど、
いつも明るくて元気で、動作がちょっとイケメンなぶーちゃんには
どちらかと言うと周りにたくさんの女の子が集まっていて、クラスの人気者という感じ。
だからこそ、自分の気持ちに気づいてしまった。
私にとってのぶーちゃんへの特別が、ただの友達ではないことに。
それにたまにする恋バナで、私自身が少し重たい女ということは自覚してたし
恋バナのときに思い浮かべるのもぶーちゃんで、認めざるおえなかった。
中学生になって、他校の小学校の人たちも増えて、
色んな出会いがある中で、ぶーちゃんに彼氏ができるどころか、
他の友達、それが仮に女子だったとしても一緒にいるところを見て耐えられる自信が無い。
だから、ぶーちゃんのことを縛ってしまう前に、離れることを決めた。
ちょうどその頃、なぁちゃんと再会して、共感出来ることが多くて、
こっちに戻ってきたというなぁちゃんだけど近いわけではないから
たまに、予定があったときに、会うことが増えた。
そして、急に来たLINEで久しぶりになぁちゃんに会うことになり
もともと共通して好きなアイドルグループのオーディションを受けることは聞いていたけど
そのオーディションに合格した事を報告してくれた。
そして、そのグループになぁちゃんより先に、ぶーちゃんとゆうちゃんがいたことも。
〈つまり、、、ゆうちゃんとぶーちゃんはAKB48なの????〉
『そう、いうこと、だね?』
〈えぇ、でもなんで!?ぜんっぜん興味なかったよね?〉
『ゆうちゃんは茂木ちゃんに誘われたって言ってたけど、、茂木ちゃんの理由は聞いてないや、、、』
〈ぶーちゃんから、なんだ、、、〉
『それでね、おんちゃんには伝えておきたいことがあって、、、』
〈ん?〉
『私、アイドルになったけど、ゆうちゃんのこと好きなのはあの頃から変わらない。なんなら、再会してどんどん好きが増してる。』
〈うん〉
『同じグループにいる以上避けることは難しいし、私もゆうちゃんの傍に居たいと思う。だから、、、好きな気持ちだけは隠して、傍にいようと思う。』
〈うん、、1度離れてまた偶然出会えたんだもん、、いつかゆうちゃんが誰かのお嫁さんになるときまで、なぁちゃんが側にいていいんじゃないかな?〉
『ありがとう、、ねぇ、おんちゃん?』
〈なぁに?〉
『もぎちゃんも、アイドルでいるあいだは恋愛しないよ?彼氏できないよ?』
〈、、、、、、〉
『茂木ちゃんに彼氏ができたとき応援できないからって言ってたけど、茂木ちゃんがアイドルでいる間ならおんちゃんも傍にいても問題無いんじゃないかな?』
〈、、、、、、〉
『茂木ちゃん、寂しそうにしてたよ?』
〈、、でも、今さらどうやって会えばいいか、、それに、一緒にいる時間が長ければ別れが来るときしんどくなる、、〉
『ゆうちゃんと茂木ちゃんがアイドル卒業したら、私と一緒に遠くへ行こう?2人の幸せが見えないところに。』
〈なぁちゃんは、それでいいの?〉
『私もゆうちゃんが誰かと結婚するの、祝福できないから、、』
〈、、ちょっとだけ、考えさせて?〉
『うん、ゆっくりでいいよ?』
私のぶーちゃんへの思いを唯一知ってるなぁちゃんは、
私が本当は会いたいと思っていることにも気づいていて
少しでも長く一緒に居られるように考えてくれたんだろう。
あれから、たくさん悩んだ。
ずっと好きだった推しの応援もしてたけど、それ以上に
気になって仕方なくてまだ研究のぶーちゃんを調べるようになった。
そんなとき、15期生のオーディションの広告。
3人がアイドルになった以上、幼馴染みだったとしても
なかなか小学生のときみたいに会うことは難しい。
それに、今更どうやって会えばいいかも分からない。
それなら、私もオーディションを受けてみようかなって、、
でもそれは、簡単な気持ちじゃなくて、
小学生のころから大好きなこのグループに入ってみたいという思いもあったし
ぶーちゃんのことも含め、たくさん考えて出した答え。
歌とかダンスとか得意じゃないけど、頑張って練習して
なんとかオーディションに合格した。
そして、初めてのレッスンの日。
そこにいた、ぶーちゃん・なぁちゃん・ゆうちゃんはとても驚いた顔をしてた。