🍎目線。







レッスン中、


頭の中がなぁちゃんのことだらけで


集中できなかったらどうしようって思ってたけど


そんな余裕なんてあるわけなくて、、、








先生(1.2.3.4.はい、ズレてるよー揃えて!)




メンバー(はい!!!!)









レッスンにはちゃんと集中できた。


たまに、チラッと鏡越しに見えるなぁちゃんも必死。


汗をかいて前髪が濡れてる姿はなんだか可愛かった。









でも休憩になれば別で、目線はなぁちゃんを探してしまう。


何度か目が合って"ニコッ"ってしてくれるから


なぁちゃんも私のこと見てくれてるんだってなるけど、


でもその周りにはいつも14期生の誰かがいた。









(ゆいりー、何ぼーっとしてんの?)




「ふぇ!?してないよ?」




(ちょっと前からなんか様子おかしいし)




「そんなこと無くない?」




(いーや!たしか後輩ちゃんできたくらいからだよ!)




「彩奈も後輩ちゃんと仲良くなるためにめちゃ必死じゃん笑」




("も"ってことはゆいりもなの!?笑)




「認めるんだ笑  ちがうよ?」




(もーう、ゆいりはいいよ?私のゆいりでいて?笑笑)




「そもそも、彩奈のじゃないし笑」




(ほんとに冷たいんだからー)




「別に事実 笑」




『あの、、、』




「?」




(あ、奈々ちゃん!)









彩奈との会話で周りを見てなかったけど


気づけば、私たちのところになぁちゃんが来ていた。








(なになに、どうしたの?)




『あ、いや、、、』




《あれでしょ?ゆいりに聞きたいことあんだよな?笑》




(え、なに、どういうこと??)




『あ、こないだ教えていただいたことで、、』




《ゆいり、教えてあげなよ〜》




「あ、うん」









どこから見ていたのか分からないけど、


突然の茂木の登場に助けられた。









「なぁちゃん、どうしたの?」




『あ、うん、、』




「ん?」




『その、さ、、、彩奈さんのこと、好き?』




「ふぇ?」




『いや、仲良いな、って、、私のゆいりって言われてたし、、』




「なんか、ね?ずっと勝手に言ってるだけだよ?」




『そっか、、なんかごめんね?』




「ううん」









遠くで先生が練習始める声掛けをしていて


なんだか変な空気のまま、みんなのとこへ戻る。









今のって、今のってさ、、、嫉妬?ヤキモチ?


なぁちゃんって、、、ん?









さっきのレッスンのときとは違う意味でなぁちゃんのことを考えそうになる。


でもレッスンが始まれば、考えてる余裕なんてなくて、


振りを覚え、みんなと合わせることに必死だった。









《だぁー終わったー!!!》




(お疲れだねー!)




「おつかれ!」




(お疲れ様です!)




(帰ろーよー!)




《わっちとゆいり、今日は別で〜》




(今日はって、最近ずっとじゃん笑)




(じゃーねー!)




(もーう、私もゆいりと帰りたいのに〜)




「あやなん、また明日笑」




(んーーー)








13期はみんなで最寄りまで帰るのが日課だったけど


なぁちゃんが来てから私と茂木はなぁちゃんと帰ってる。


今日も、レッスン場を2人で出たら


少し離れた自販機の横で寄りかかって待ってるなぁちゃん。









「なぁちゃんお待たせ!」




《お待たせ〜14期生は早いな笑》




「こっちが遅いだけだよ笑」




『ふふっ、2人ともお疲れさま、です笑』




《敬語なのジワる笑笑》




『笑笑 帰りましょ?』




「うん!」









3人で帰っていると小学生に戻った気分だけど


そこには私たちをまとめてくれるおんちゃんがいなくて


きっと茂木が1番それに気付かないふりをしてる。


そういえば、朝話してたこと、、、、









『茂木ちゃんって、今でもおんちゃんと会いたいって思う?』




《え?》




『いや、思うのかな〜って、、』




《、、、、別に、》




『そっか、、』









さっきまでの楽しい雰囲気は無くなって


急に気まづい空気が流れる。


これは小学生のときの私たちにはなかったもの。


なぁちゃんは茂木の気持ちに気づいてるのかな?









「あの、さ、、、朝、言ってたことだけど」




『ん?』




「、、、おんちゃんと会ってたって話、、、」




『うん、会ってたよ?』




「なんで?」




《、、、、、、》




『たまたま再会して、ほら、私とおんちゃんアイドルファンだったでしょ?だからコンサート行ったりとか、たまにね?』




「なぁちゃんがこのグループに入ったこと、おんちゃんは知ってるの?」




『受かったことは言うの忘れてた、、でも受けるってことは言ったよ?』




「そうなんだ、、、、」









茂木は一言も会話に入ることなく、ただ聞いていた。


私はなぁちゃんに会えなかった間、おんちゃんは会っていた


ってことへの嫉妬とかももちろんあるけど


茂木のことが心配だった。