🌱目線。






無事、オーディションを終え、あとは結果待ち。


もちろん、そんな簡単に受かるような甘い世界では無いこと分かってる。


だけど、もし、私とゆうちゃんの間に運命があるとするなら


それが恋人としての運命か、友達としての運命かそれは分からないけど


どんな形の運命でも繋がっているなら受かるのではないかと神様を信じてる。









なぁママ(ななー!なんか届いてるわよ〜グッズでも頼んだのー?)




『あ、いや、頼んでないよー貸して!』




なぁママ(ここ数年、そのグルーブのことほんとに好きね笑)









ママの話を聴きながらもゆっくりと開封する。


これはグッズを頼んだのではなく、オーディション結果だ。









『えぇ!!!!!!』




なぁママ(何!?どうしたの!?)




『、、受かっちゃった、、、』




なぁママ(なにがよ)




『ママ、受かっちゃったよ!!!』




なぁママ(だからなににー!!)









ゆうちゃんへの気持ちは伏せた状態で、家族にオーディションを受けたことを説明した。


そして受かったことも報告。


受かったのはいいけど、今後、活動するのかどうかはしっかり家族と決めないといけない。


私一人の問題じゃないし、そもそも許可なしで受けたのだから。


けど、せっかく掴めたチャンス。


もしかしたら繋がっているゆうちゃんとの運命。


確かめもせずに、運命を切り裂くことはしたくない、、









なぁパパ(奈々にもいろんな思いがあるんだろう、好きなようにしなさい。パパたちは奈々か決めたことを応援するよ)




なぁママ(やりたいなら、やってごらん?)




『うん!パパ、ママありがとう!』




妹(よかったね!)




『うん!』









甘い世界ではない。それは絶対にそう。


だけど続けたい、頑張りたい。


勝手に1人で始めたことを否定せずに受け入れてくれて、応援してくれる家族。


その暖かい言葉を胸に、新しい世界へ飛び込む決意をした。






























いよいよレッスン初日。


オーディションのときに比較的番号が近かった小嶋真子ちゃんと仲良くなって連絡先を交換していた。


同級生ってこともあり、早くに打ち解け、オーディションの日から名前で呼ぶ仲だ。


真子も合格していたため、初日は2人で行くことに。


真子一緒にレッスン場へ入るとそこにはたくさんのメンバーが。


必死になって踊ってる隅に4人くらいの人がいて、オーディションの日に見たような顔。


きっと同期になる人達だ。


そして、ダンスの練習をしている人達の中にゆうちゃんらしき人を見かけた。


その横には、、、茂木ちゃん!?










先(今日から14期生も一緒にレッスンします。同じ研究生です。昇格目指して頑張って行きましょう。)










ダンスの練習をしている人たちの前に立っている先生が


1度練習を止め、私たちのことを先輩方に伝えてくださった。









(小嶋真子です、、)




(西野未姫です、、)




『岡田奈々です、よろしくお願いします!』









順番に挨拶していくことになり、私の番になった。


私は迷わず、ゆうちゃんの方を見て挨拶をしたけど、1度も目が合わなかった。


それから、ずっとゆうちゃんから目が離せなくてゆうちゃんばかり見てるけど、


他の人が自己紹介をしているときは、ちゃんとその人を見ている。


私の時だけ見てくれなかったし、その後も目すら合うことなくて、


ゆうちゃんのなかに私の存在はもう無いのかと心配になる。


私たちの自己紹介が終われば、すぐにレッスンが始まったから今はレッスンに集中することに。











先生(レッスンお疲れさま、14期生は13期生から基礎的なこと教わるように。13期生よろしくね?)




(はい!!!!!)









(んじゃあ、軽く自己紹介しようよ)




(だね!)




(じゃあこっちからするね?私は篠崎彩奈、よろしく!)




(北澤早紀です、なんでも聞いてね?)




(岩立沙穂です、私たちもまだまだだけど、一緒にがんばろ!)









順番に先輩方が自己紹介をしてくださった。


私たち14期生は6人しかいないけど、13期生は結構いる。


残すは茂木ちゃんとゆうちゃん。









《茂木忍です、まぁ切磋琢磨?しながら一緒に頑張っていけたら嬉しいです。》




「、、、、、、、」




(おーい、あと彩希だけだよ?)




《がんばれ》




「む、村山彩希です、、えっと、よろしく、ね?」









茂木ちゃんは私の方をチラッと見て目が合った気がするし、たぶん気づいてる。


けど昔と変わらない、茂木ちゃんらしい自己紹介で安心した。


ゆうちゃんは途中からボーっとしてたし自己紹介のときもカタコトだった。


昔から恥ずかしがり屋さんだったり、自分の思いを言葉にするのが苦手なゆうちゃん。


変わってないと言えばそうだけど、今は恥ずかしいというより気まづそうというか、


わざと私と目を合わせないようにしてる気がした。









やっぱり、嫌われちゃったかな、、、









茂木ちゃんとゆうちゃんはいるけど、おんちゃんはどうしたんだろう。


このアイドルグループのファンだったのが私とおんちゃんで


茂木ちゃんとゆうちゃんはそこまで興味が無かったはず。


だから、茂木ちゃんとゆうちゃんがグループに所属してることが気になった。