🍎目線。
今日から2月。
クラスの女子は、みんなバレンタインで大盛り上がり。
「みおん〜バレンタインつくる?」
〈え〜めんどくちゃい笑〉
「それな〜でもチョコは食べたい!」
〈んじゃあ、2人でバレンタインパーティーでもしよっ!!〉
「それあり!!!」
私たちが通っている高校に同中から中学したのは、私とみおんだけ。
中学のときは、ほとんど喋ったことなかったけど、高校で同じクラスになって一緒に過ごしているうちに、気づけば "親友" とか呼びあっちゃう仲になった。
そんな私たちは、いつも2人でいるからか、男の人との関わりがほぼゼロ。
彼氏とかデートとか憧れるけど、今はいっかな〜ってことでバレンタインも2人で過ごすことに。
「そういえばさ、みおんってどんな人がタイプなの?」
〈えっ、なに急に!?笑〉
「いや、2人でいても恋バナしないな〜って笑」
〈たしかに笑 タイプか〜考えたことないな〉
「たしかに私もだ笑」
そんな会話をしながら、いつも通り、学校帰りの某ファストフードを食べに行くため、校門へ向かってみおんと歩いていると、
グラウンドから野球部やサッカー部、陸上部の声がした。
寒いのに頑張ってんな〜、そういえば、茂木ってサッカー部だったなと思って、歩きながら横目で探していると、1人の男の子がサッカーボールを追いかけて私たちの方へ。
その男の子がボールを追いかけている姿が、なんだか犬みたいで可愛くて、目が離せなかった。
『あれ、おんちゃんだ!僕のサッカー見てくれてるの?』
〈ちがうちがう、ゆいりが急に足止めたから笑〉
「ふぇっ!?」
『もしかして、おんちゃんの友達!?///
あっ、ぼく、岡田奈々です!よろしくお願いします!』
(奈々〜はやくボール持って戻ってこい!!)
『はい!!じゃあね?』
〈頑張って!〉
そういうと、また犬のように走ってグラウンドに戻っていった。
「みおん、男の子の友達いたっけ?」
〈あー、友達ってか幼なじみ!笑〉
「あー、、、」
〈小学校まで一緒だったけど、なぁくん、中学受験したから〉
「そう、なんだ、、でも、なんで高校、、、」
〈結局、勉強よりサッカーだったんだって笑〉
「ふーん、そうなんだ、、」
〈それより、急に足止めて、なんかあった?もしかして、かっこいい人でも見つけちゃった?ニヤニヤ〉
「いや、違うから!!1個うえの従兄弟がそういえばサッカー部だったなーって、、足止まったのは無意識だから知らない!」
〈ふーん、そうなんだニヤニヤ
ムキになっちゃって笑 バレンタイン私と過ごさなくてもいいんだよ?ニヤニヤ〉
「な、なってないし!!」
これ以上話してても、絶対からかわれるだけだから、みおんを置いて歩き出す。
べつに、茂木のことが好きなわけじゃない。
それでムキになったんじゃない。
てか、別にムキになってないけど、、。
ただ、何故か分からないけど、犬みたいにクシャッと笑って、犬みたいにボールを追いかけてるみおんの幼なじみが、頭から離れないだけ。