🍎目線。
私が家に行く、と伝えてから、さっきまでと違い、どこか楽しそうななぁちゃん。
なぁちゃんが楽しそうだったり嬉しそうだったりするのは、見ててこっちも嬉しくなるからいいんだけど、
私は私で、これがなぁちゃんとは最後になるかもしれないと思うと、なぁちゃんのテンションについていけない。
それでも、なぁちゃんの家、好きな人の家に行けるのは嬉しい。
「えーっと、、1人暮し?」
『はい!私しか居ないので、全然気使わないで、適当に座ってください!!なんか、飲み物持ってくるね?ニコッ』
「あ、ありがと、、なんでなぁちゃん、そんなに楽しそうなの?」
『いや、、誘っておいてあれですけど、断られるかなって思ってたから、ゆうちゃん来てくれたの嬉しくて!』
「そっ、か、、そう思ったのって、ゆうが連絡しなかったからだよね?」
あまりにも楽しそうだから、理由を聞いたら私が家に来たことが嬉しいって、
こっちが嬉しくなることばかり言ってくれるから勘違いしてしまう。
それに、断られるかもって思わせてしまったことに、私が距離を置こうとしていたことで、なぁちゃんを傷つけていたことを知った。
『いや、そんなこと!!別に恋人とかでも無いし、毎日LINEしないとダメとかそんなルールはないから、ゆうちゃんは悪くないよ?ただ、、』
「た、だ、、?」
『寂しかったです、、ずっと連絡来てたからって言うのもあるけど、その、、ゆうちゃんのこと、好きだから////』
「、、えっ/////」
思ってもいなかったタイミングでのなぁちゃんからの告白。
なぁちゃんはタダの友達として言っているであろう "好き" という言葉に、私はドキドキしてしまう。
私はその "好き" にもっと深くて重たい気持ちがあるから。
でも、そのあと続いたなぁちゃんの言葉に、私の気持ちも溢れてしまった。
『ゆうちゃんに話したいって言ってたこと、今から言います。聞いてくれる?』
どんな事を言われるのか怖かったけど、なぁちゃんは一つ一つ丁寧に、私の第一印象から説明してくれて、
『どんどん好きになってた。、、だから、、ゆうちゃんからの連絡が来なくなったとき寂しかった。』
今はきっと、私よりなぁちゃんのが真っ赤な顔してると思う。
さっきの "好き" より私が思う "好き" に近づいた気がしたけど、
それでもやっぱり自信は持てなくて、でも知りたいと思った。
「///あの、さ、、なぁちゃんが言う "好き" ってなに?」
『え?』
「どういう "好き" なの?///」
『恋愛として、、///ゆうちゃんと付き合いたい、の "好き" だよ。女性同士だし、ゆうちゃんはアイドルだし、今すぐ何かを求めたりはしない。でも、、今のまま距離が離れていってしまうのは嫌だったから。しっかり伝えたかった、、ごめんね?私の自己満に過ぎないんだけどさ、、』
「なぁちゃん、、、」
『、、ん?』
「ゆうが、今思ってること、分かる??////」
『えっ?』
「おかしいな〜前まではゆうが何思ってるか、分かってたのに//」
『えっ、待って、、んー真っ赤になってるから、恥ずかしい、とか?』
「ん〜それもあるかも、、でもそうじゃなくてね?、、、ゆうも、好きだよ?//////」
『えっ、ゆうちゃん今なんて!?』
「だから!、、その、、、なぁちゃんのこと、好き!!!////」
『////////』
「もう//赤くなりすぎ、、、ゆうは最初からなぁちゃんに惹かれてた。だから、、あんなに積極的だったの///」
『ありがとう、、ございます、、でもじゃあ!何で、連絡、、』
「自分の気持ちに気づいたとき、これ以上なぁちゃんと関わってたら引き返せない気がしたの。もっともっと、好きになってしまいそうで、、私なんかなぁちゃんの隣にいて言いわけないし、、」
『それ、さっきも言ってたけど、、私はゆうちゃんが好き。ゆうちゃんの隣に居たい。』
「なぁちゃん/////」
『ゆうちゃんは、引き返そうと、してたの?』
「異性だろうが同性だろうが、スキャンダルはよくないし、その、なぁちゃんの隣に相応しくないって、思ったから、、」
『ゆうちゃんのアイドル人生を邪魔するつもりはありません。堂々と2人で居れるようになるまで、何年だって待ちます。だから、離れていかないでください、、』
「うん、わかった/////」
なぁちゃんからの真っ直ぐな言葉を受けて、お互いの気持ちを確かめ合った。
私はアイドルで、なぁちゃんはアーティスト。
そして、同性愛。
乗り越えなきゃいけない壁はたくさんある。
それでも、私はなぁちゃんの隣に居たくて、なぁちゃんのことが大好きだから。
まだ形にはできない私たちの気持ちが、形にできるまで繋がっているように、
私は今やるべきことを精一杯する。
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〈ゆうちゃーん、最近、絶好調だね?ニヤニヤ〉
「そーう?あまり変わんない気がするけど笑」
〈ゆうちゃん気づいてなかったかもだけど、ちょっと前までため息ばっかだし、レッスン中も心ここ在らずって感じだったよ?〉
「うそ!?それはよくない!!今度からはすぐ言って!!チームに悪影響だ、、」
〈アハハ〜さすがシアターの女神!!
まぁ今のゆうちゃんは当分そんなことならなそうだけどね?いつ見てもルンルンだし笑〉
「えっ、、そんなこと、ないと思うけど?」
〈いいことでもありましたか〜奥さんニヤニヤ〉
「私、結婚してないんだけど笑」
〈はいはい、でもよかったよ!岡田さんとの仲、元に戻って笑〉
「えっ!!!!」
〈ゆうちゃんうるさい笑笑〉
「ちょ、なんで知ってるの?」
〈まぁ、その辺は、ね?笑笑〉
「待って!!茂木マネージャーにもうバレてるとか!?」
〈え、もしかして付き合ってんの!?〉
「いや、付き合ってないよ?、、私が卒業するまで待ってくれるって////」
〈うわぁ〜もうしっかり婚約者か〜いいな!待ってくれるって優しいね?〉
「うん/// でも、なぁちゃん、モテるし安心はできないけど、、ちゃんとアイドルやりきって1番輝いてる私で会いに行くって決めたの///」
〈ふふっ、ゆうちゃんかわいい!!
ぶーちゃんからは、岡田さんがずーっとハイテンションで疲れるってことしか聞いてないから安心して?岡田さんのこともゆうちゃんのことも信用してると思うし!〉
「うん、ありがと!私もアイドルでいるあいだは、グループのためにできることを全うするって決めてるから!!」
〈うん!一緒に頑張ろね!!〉
「うん!」
〈でも、しっかり近況報告は聞かせてもらいますよ〜ニヤニヤ〉
「もう、おんちゃんじゃないと言わないんだからね!内緒だよ?」
〈ほんとにかわいい笑笑〉
好きって気持ちは抑えられないから、無くすことは難しいけど、
なぁちゃんと同じくらい、でもなぁちゃんとは違う意味で、
グループやメンバーやファンの方のことも大好きだから。
『待ちます』って言ってくれたなぁちゃんを信じて、今はアイドルとしての私を全うする。