もぎさん♂︎





👁目線。




俺が通う高校は、自分で言うのもなんだけど、地元で有名なヤンキー校。


その中でも俺は喧嘩の強さはトップだ。


でも、別に殴りたいから喧嘩がしたいから暴力する訳じゃない。


いや、そういう奴のほうが多いけど、俺は喧嘩自体好きじゃないから出来ればしたくない。


でも、何かを守らないといけないとき、どうしてものときは喧嘩する。


じいちゃんから、《大切な人をしっかり守れる男になれるように》と小さいころから武道を習っていたから


日常茶飯事のように喧嘩してる連中より、強くなっていた。








(おい、見ろよ!あいつ可愛くね?)




(やべぇ、ちっさいのに出るとこ出てるな!)




(今日はあの子にしよっかな〜)




(おい、抜け駆けすんなよ!ここは平等に!)









学校帰り、いつもの道を歩いていたら、そんな会話を耳にした。


チラッと見ると隣の高校の男子で、制服を見て俺らと同じヤンキー校だなって分かった。


けど喧嘩はしたくないし、他校とトラブルのはめんどくさい。


俺は気付かないふりをして通り過ぎるつもりだった。


でも、その男子たちが動き出して本当に声をかけに行こうとしてるのを見て、少し様子を伺うことにした。








(ねぇ、君、可愛いね?)




(今から楽しいとこ行くんだけど、一緒に行かない?)




(俺らが奢るからさ!)




「すみません、大丈夫です。失礼します。」




(まぁそんなこと言わずにさ!)








まぁこういうのって、だいたい女の子は断るんだろうけど、


たまーに乗っかる系タイプの子もいるじゃん?


だから、どっち系かで決めて声をかけるかそのまま帰るか決めようって思った。


でも、うん、この感じは早く助けてあげなきゃな。








(いいから行こうよ〜)




「痛っ、ほんとに離してください、、」




『お前ら、だっせぇな笑』




(は?なんだよてめぇ、)




『いや、だから、だっせぇな〜って笑
嫌がってる女の子に男3人で襲いかかってかっこ悪いとか思わないんだ』




(うるせぇ、おっら!!)




シュッ




サッ




『すぐ手が出てくんのもかっこ悪いな。笑』




(だまれ、お前のとこだってヤンキー校だろ。お前も喧嘩ばっかしてんじゃねぇの)




『だったらなに?』




(お前がちうぜぇな、1発くらってやるよ!)




サッ




パッ




『腕引くの遅すぎて、止めるの余裕だわ』




(くっそー、、)




『いいか、男が拳をあげるときはな、誰かを守るときだけだ。何も知らずにヤンキー語ってんじゃねえぞ』




(お、おぼえとけよ!)








案外すぐに去っていった。


やっぱりダサい奴らだったな。笑









「あ、の、、ありがとうございました!」




『いや、全然。それよりだいじょ、//うぶ?』






助けた女の子から声をかけられ、後ろを振り向いた瞬間びっくりした。







「大丈夫です、って、あの、、」




『みおんちゃん?』 「もぎくん!?」




『えっ//まって、ほんとにみおんちゃんなの?』






そこにいたのは、保育園から小学校までずっと仲良しだった、幼なじみのみおんちゃん。


中学で私立の学校に行くため受験したみおんちゃん。


俺は馬鹿だったから受験なんてできるわけもなく、バラバラの学校に通うようになって、会わなくなった。


でも保育園のときからみおんちゃんのことがずっと好きで、忘れられなかった。


じいちゃんに武道を習うときも "みおんちゃんを守れるように" そう思って練習してた。







「ほんとにみおんちゃんだよ?笑
もぎくん、ありがとう!」




『いや、全然/// この辺なの?』




「そう!中学から学校みんなと離れちゃったけど、引っ越した訳じゃないからね?」




『そっか、じゃあ小学校のころと同じとこ?』




「うん笑」




『じゃあ、送ってく。///』




「え、いいの?笑」




『うん、どうせ近いし、またなんかあったら困るでしょ?』




「ありがとう!」








久しぶりに会ったみおんちゃんは、あの頃と変わらず可愛くて、でも少し大人っぽくなってて綺麗だ。


けど身長が小さいのはあの頃と変わらくて、そんなとこは愛おしいって思える。


一緒に歩きながら、いろいろな話をしていたら、心に留めていたはずの想いがまた蘇ってきた。


あのときからみおんちゃんのことを忘れられず、他の人から告白されても誰とも付き合わなかった。


けど、もう会えることもないと思っていたから諦めていた初恋。


もし今日会えたことが奇跡なら、勇気を振り絞ってるみようかな。








「でもビックリした〜すごくかっこよくなってるんだもん!まだ武道続けてるの?」




『うーんたまにかな、気分転換とかで運動がてら?笑』




「そうなんだ〜でも凄いね!漫画とかでしか見たことないのが私に起きたから王子様みたいに見えた!笑」




『そ、そっか////』




「最後の言葉もかっこよかったな〜」




『あ、あれは、武道始めたときにじいちゃんに言われたんだ。大切な人を守れる男になるために強くなるんだって』




「そうなんだ、おじいさんもかっこいいね?」




『まぁな』




「もぎくんは、その、大切な人いるの?//」




『え?』




「いや、、そうやって言うくらいだから、守りたい人とか、居るのかなって、、//」






少し顔を赤くしながら聞いてくるみおんちゃん。


いるもなにも、今日しっかり守ったよ。みおんちゃんだよ。


せっかく再会したのに、そんなこと言われたらきまづくなっちゃうかなとか思ったけど、今しかないとも思う。


それに、こんなに顔真っ赤にして俯いてる姿見たら、わんちゃんって思うのもしょうがないだろ?


だから勇気を出すよ、








『いるよ、武道始めたときからさ、この人を守りたいって決めてたんだ。』




「そ、そうなんだ、、そっか、、ちゃんと守れてる?」




『ん〜今まではどうだったかな、なかなか勇気出なくて連絡すら取れてなかった。、、でも今日はしっかり守れたよ、みおんちゃんのこと。』




「えっ/////」




『あ、守れてなかった?』




「、守、れてた、よ?////」




『よかった、、、あの、さ、、これからも俺がみおんちゃん守りたい!ダメ、かな?』




「え、っと、、あの、いいの?///」




『ずっと、保育園のころから、みおんちゃんのことが好きです。だから、俺が守りたい!』




「///わ、わたしも、、もぎくんが初恋なの//
ずっと好きで忘れられなくて、だから、、今日助けてくれて嬉しかった。これからもお願いします!///」




『うん//任せてよ!』




「ありがとう!だいすき!」




『俺も、、みおんちゃんのことだいすき。』








しっかり、じいちゃんとの約束守れた。


大好きで、大切な、みおんちゃんのこと、しっかり守れたよ。


そして、これからも俺が守る。


これからは、みおんちゃんの恋人として。









【完】