🍎目線。
『お久しぶりです、ゆう、、ゆいり先輩。』
そこに立っていたのは、大人になったなぁくんだった。
中学生のころより、背が高くなっていて、私より大きい。
でも、綺麗な目と優しい声は変わらない。
少しだけ低い声になったけど、でもなぁくんの声。
「なん、で、、、」
『ゆいり先輩と、、お話がしたかったので、、、寒いと思うので車乗ってください』
そう言って、私の手を取るなぁくん。
助手席の扉を開けると、私を座らせてくれた。
そして、なぁくんはグルっと回って運転席に座る。
『ふぅー、、急に現れてごめんね?その、元気、だった?』
「う、うん、、なんでいるの?」
『〇〇先輩から連絡もらいました。ゆいり先輩が酔ってるから迎えに来て欲しいって、、』
「え、あ、ごめん、、」
呼ばれて来てくれたことがうれしかった。
のと同時に、私はなぁくんと連絡取ってないけど、〇〇は取っていたという事実。
中学時代は、なぁくんと〇〇が仲良かったイメージも無いし、
もしかして今、2人はいい感じなのかな?
酔ってるはずなのに、なぁくんのことになると頭がフル回転する。
でも、それはマイナスなことばかり。
なぁくんに会えたことは嬉しいけど、私のことを "ゆうちゃん" と呼んでくれないのが、
なぁくんの今の私への気持ちだとしたら、やっぱりいっしよにいても辛くなる。
なんとかして自力で帰ろう。
『気にしないでください。』
「ありがと、、でもやっぱり、申し訳ないし降りるね?自分で帰る」
『嫌ですか?、、一緒に居るの』
「い、や、、そういう訳では、無いんだけど、、」
『たしかに呼ばれてここに来たけど、呼んで欲しいと頼んだのは僕です。』
「どういうこと?」
『〇〇先輩とは大学が一緒で、たまたまキャンパスで会ったんです。あの日から忘れたくてもゆいり先輩のこと忘れられなくて、僕にとっては会える会えない関係なくて、やっぱり好きです。』
「え、、」
『だから、もし同窓会のときにゆいり先輩に彼氏が居なかったら、教えて欲しいって〇〇先輩に頼みました。僕にもう一回だけチャンスくれませんか?』
嬉しかった。
誰と付き合っても、なぁくんを忘れることなんて無くて、ずっとずっと大好きだから。
その想いが、なぁくんと同じなのが幸せだった。
でも、じゃあなんで、 "ゆうちゃん" って呼んでくれないの?
『ダメ、、ですか?』
「ねぇ、なんで?、、なんで、ゆいり先輩なの?」
『え?』
「やだ、、昔みたいに、ゆうちゃんって呼んでくれないの?」
『//、、ゆ、ゆうちゃん//
ごめんね?なんか、すごく綺麗になってて、呼べなかった。手の届かない人みたいな感じがして、、』
「////なぁくん、、私も、ごめんね?
中学生のとき、なぁくんのこと傷つけた、」
『ううん、僕がゆうちゃんにしっかり気持ちを伝えられて無かったから。安心させてあげられなかったから。』
「ちがうの、、なぁくんの想いはちゃんと伝わってたよ?ただ、自分に自信が無かったの。なぁくん人気者だから、会えないうちに他の人に取られちゃうんじゃないかって、、」
『それは僕も一緒だよ?ゆうちゃんもモテるからあっちでいい人見つけるかもって。』
「なぁくん、今日、来てくれてありがとう。
忘れたことない。ずっと、なぁくんが好きです。///」
『ゆうちゃん/// もう一回、僕と付き合ってくれませんか?今度は、結婚を前提に。』
「ふふっ// はい!!!!」
『やったー!!!』
ずっと忘れられなかった人。
それでも、私からはどうしても連絡できなかった人。
そして、それを見過ごしたかのように、なぁくんから歩み寄ってくれた。
結婚も前提にされるとは思わなかったけど、
会えなかった時間が、離れていた時間が、
私たちの気持ちをたしかにした。
もう、一生、離れたくないと。
『ゆうちゃん、僕、今一人暮らししてるんです。どこまで送ったらいいですか?』
「うーん、、なぁくんと2人きりになれる場所///」
『/// かしこまりました、じゃあ出発します!』
「おねがいします!!」
なぁくんと会って、たくさん頭を回転させたから、お酒の酔いはどこかへ行ってしまった。
そのかわり、なぁくんに酔ってしまう。
それくらいに、なぁくんのことが好きで好きでたまらない。
ありがとう、迎えに来てくれて。
これが私の20歳の思い出。
【完】
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成人式ってほんまに久しぶりに会う人もおるから、いろいろありますよね🤭 途中までは私の実体験だったりしちゃう。成人式、素敵な思い出になりました🌱