マッチングアプリで知り合った、

滋賀在住のけんさんとの5回目、

紅葉を見に行った日の話の続きです。


終電を逃すことを決めた私とけんさん。

前回会った時と同じように、

駅前のカラオケ店に入りました。

前回は私がお酒を飲みすぎてしまい、

すぐに意識を無くしてしまいましたが、

今回はそんなこともなく普通に

カラオケをしました。


私は最近の曲も歌ったりしますが、

けんさんは34歳ですが、流行りに疎く、

何故か歌う曲が1980年代のものが多いです笑

本人も「最近の曲が分からない」と

言っていました。

けんさんが歌う曲は、

私が分からない曲も多いのですが、

けんさんの優しい人柄が滲み出ているような歌声はとっても安心しました。


2時間ほど歌うと、けんさんは

喉がつらくなってきたようで、

私達は歌うことを少し休むことにしました。

そこから、今日は楽しかったね、

なんて話から色々な話をしました。


私は、今日1日けんさんと過ごしてきて、

やっぱりけんさんと過ごす時間は

心穏やかになるし、いいなと改めて思いました。

そこで、私は

「今日言ってたけど、

私はけんさんの中で2番目って事は

まだ(付き合う)可能性あるって

ことでいいのかな?」

と、けんさんに聞きました。

するとけんさんは、

「そうだね。

可能性が無くなった訳じゃないよ。」

そう言いました。


私を選んでくれる可能性がまだあるのであれば、

ここは会っているうちに近づいておきたい!

私は素直にそう思いました。

私達はカラオケの個室で、

L字になっている椅子のそれぞれに

座っていたのですが、

私は物理的に距離を縮めたくなりました。

「隣に座って欲しいな。」

と私はけんさんに言いました。

すると、けんさんは

「えっ?!」と驚き、

「それは僕にはかなりハードルが高すぎる」

と緊張していました。

逆に私にはその反応は

新鮮過ぎてビックリしました。

「電車とかで隣に並んで座ったりしてるのに、

ハードル高いの?」

と私は疑問をぶつけました。

「そうだけど・・・。」

とけんさんは恥ずかしそうにしていました。


けんさんの反応を見て、

私の中のS心が急に芽生え出しました。

「どうするの?私が付き合う相手だったら

ちゃんと意思表示するからいいけど、

もう1人の人とだったらエスコートできるの?」

と挑発しました。

すると、けんさんは

「確かに、エスコートできないかも。」

と言いました。

「だよね?練習必要だよね?」

と私はさらに面白くなって、

けんさんを煽りました。

何やら葛藤してるけんさん。

「僕にはかなりの冒険だよ。」

と、そう言ってかなり照れながら、

ゆっくりと私の隣に座りました。

けんさんがあまりにも緊張しているので、

私も妙に緊張してしまいました。


しばらくすると、けんさんは

「やっと落ち着いてきた。

うん、もう大丈夫!」

そう言いました。

確かに表情が柔らかくなった気がしました。

そこに私は、

「手繋ぎたいな。」

とさらに追い討ちをかけました。

固まるけんさん。

「今出来なかったら、

多分付き合った時もできないよ?」

私のS心は止まりませんでした。

「手とか繋いだことない。」

けんさんはかなり緊張しながらそう言い、

しどろもどろ手を繋ぎ始めました。

「こうでいいかな?」

そう、けんさんは恥ずかしそうに聞きました。

「うん。」

私はそう言いました。

ただ隣に座って

手を繋ぐだけの行為なのに、

けんさんのあまりに初な反応の為に、

とても緊張しました。

さらに私がけんさんの肩に寄りかかると、

けんさんはびっくりしていました。


ちょっとすると、けんさんは

「やっと落ち着いてきた。

これももう大丈夫!」

と自信を持って言いました。

そんなやり取りをしていると、

カラオケ店が閉店の時間となりました。


始発にはまだ早い時間。

私達はカラオケの中でいた時と同様、

手を繋いで歩きました。

電車待ちの時間は、朝方なのでとても寒く、

私達はくっついていました。

今端から私達を見たらカップルと思うだろうな、

そうぼんやりか思いながら、

この時間がもっと長く続けばいいのに。

そう思いました。


そんな中、始発の時間になりましたが

離れがたく、お互い時計も気にせず、

ずっとくっついたまま、

1時間くらい話していました。

「そろそろ行こうか。」

そう言い、駅に向かいました。

駅の中でもお互いの電車が来る直前まで、

くっついて話していました。


電車の時間になり、

「じゃあね。」

そう言って、けんさんとの

5回目のお出掛けは終わりました。

今回は心の距離や、

カップルになった時のけんさんの一面も見れて、

とても幸せな気持ちでいっぱいでした。


この1週間後にけんさんは、

もう1人の人と会う。

その人と会って、

やっぱり私の事がいいと思って欲しい。

そう、願いました。