大谷「一つ聞いても、いいですか?」
イチロー「いいけど、170㎞の球を投げる方法を教えて下さいとかは、やめてくれよ 笑」
大谷「あ、はい。イチローさんのモチベーションはどこにあるんですか?」
イチロー「モチベーションか、、あんまり考えた事なかったな〜。オレが意識してるのは、実存的
に生きる、ということかな。
大谷「実存的に生きる、ですか?」
イチロー「そう。簡単に言えば本音で生きる、
ということ。
例えば、会社で上司から指示がくるけど、それが自分的にやりたくないことはやらない、ということ。
やりたくないことをやらない。というのはとっても重要な言葉で、やらない、やらないばっかり言っているわがままな人間に見えるかもしれないが実際はそうではない。
やらないことを決める=やりたいことを決める
ということなんだ。
やりたいことが自分のプライオリティ(優先事項)が最も高いものをしっかりと持っている、からこそ、やりたくないこととやりたいことを仕分けするチカラがあるわけだ」
大谷「日本人は特に何でも完璧にしたがる風潮があります。それが良いか悪いかの話ではなくて、優先順位が低いものも、きっちりとやりたがりますね」
イチロー「そうだね。つまり、自分のやりたいこと、自分のコアな部分が分からない、という人ばかりだということだよ」
イチロー「それを否定するつもりは全くない。しかし、何か大きなものを成し遂げる為にはこの考え方は重要なんだよ」
イチロー「現代人はやりたくないことをやろうとするから、モチベーションが上がらないんだよ。そもそも、モチベーションなんかは、上げようと思って、上げれるものじゃないんだ。上げようとしている時点で、それは間違っている。モチベーションというのは、無意識に上がるし、継続するもの、なんだ」
大谷「なるほど、無意識に上がるものか、、」
イチロー「だから、意識的に上げるものじゃないんだ。そもそも、意思のチカラっていうのは、有限なんだ。有限ということは、モチベーションが上がったり、上がらなかったりする可能性があるわけだ。」
イチロー「何故、多くの人はモチベーションが上がらないかという理由は、ここにある」
大谷「多くの人は意思のチカラでモチベーションをコントロールしようとしてる、ということですか?」
イチロー「そうだ。意思のチカラでモチベーションを一時的に上げることはできる。しかし継続することはできない。
感情が高ぶって、それと同時にモチベーションも上がるのも継続性がないから危険だね。嬉しい、楽しい時の感情でモチベーションが上がるなら、悲しい、辛いの感情の時はモチベーションが下がることになる。感情の振れ幅が大きい人はセルフコントロールが苦手でモチベーションも継続しない可能性が高い。ということになる」
大谷「なるほど」
イチロー「現代人はあまりにも感情にべったりし過ぎてしまっているんだ」
大谷「僕も感情に振り回されないように、常に意識はしています。感情的な時は必ず何らかのフィルターがかかっていますから、世界を正しく観れていない。という実感があります。だから、感情的な時は自分の決断は信用していないですから。」