愛読させていただいているブログで、興味深い話があったので、思い出したことを書きたくなりました。

京都で有名な、心霊スポット。
清滝トンネル
そして……

こちらのブログのルポは、現在の清滝周辺のもので、
今、どうなっているかが書かれていて、とても興味深かったです。


私の思い出は、かなり前のこと。
ちょうどこのブログを読んだ頃、昔の手帳を整理していたら、この時の記録が出てきてタイムリーだったのですが、
もう二十年ほど前のことでした。


昔から心霊スポットと言われている、京都の名所は、深泥池もそうですが、独特の風情があります。
(幽霊が見たいわけじゃない……怖いのはイヤ)

当時、毎年9月末頃、上洛して高尾のあたり、高山寺〜神護寺あたりを歩く習慣があったので、

怖いもの知らずのひとり旅派の私、

この時も同じ時期に、清滝散策がてら、このトンネルを見てみたい、通過してみたいと思いたちました。

でも私は、足がないので(幽霊じゃなく、車の運転ができないということ)、
公共の手段で清滝トンネルを通るやり方はないかと、調べたら、

神護寺を出て、どこかの橋から河原へおりると、「錦雲渓」という川辺の遊歩道があり、
そこを4キロほど歩いて、またどこかの橋から道路へあがったら、バス停があって、そこからバスに乗れば、清滝トンネルを通って帰路につけるらしいのを地図で見つけ(まだネットなどの情報手段が発達していなかった頃です)、

あてずっぽうながら、勇んで決行しました。

三尾や清滝川は、紅葉の名所なので秋は大賑わいですが、9月は、まだ人少ない時期。

清滝川のトレッキング道は、幽霊でなく生きた人間に会うほうが危険かもしれないくらい、人の気配がなく、

熊も出ると注意喚起されていたので、ひとり、大声で歌を歌いながら歩いたことを覚えています。

こちらのブログで、あっ!となったのは、
錦雲渓から道路に戻り、バス停が立つ場所にあった、レストハウス?でした。
(ブログの後半の方に出ています)

あの日、神護寺で昼食休憩のまま、売店のおばさんと長話してしまったせいで、
錦雲渓を歩き出しのは、午後三時過ぎ。
遊歩道とはいえ、けっこうアスレチックな行程を、急ぎ足で進み、道路に戻ってバス停を探したのが、午後四時半頃。

秋分が過ぎた時節ではあっても、山は夕暮れが早い。
バス停の時刻表を見ると、本数が極めて少なく、今日中に帰れるか不安な状況になりました……

まさか、もしバスがなかったら、
清滝トンネルを歩いて、さらにはるか嵐山方面まで、夜道を徒歩で戻らねばならないのか?
心霊現象より、そっちのほうが怖い。

以前聞いた話だと、このあたりはさすがに心霊スポットということもあり、
タクシーの運転手も嫌がるそうで、電話で呼んでも来てくれないし、
特に女性は、幽霊かもしれないと思われて拒否される……らしい。


なんらかの救いを求め、バス停わきの、ロッジ風のレストハウスで、交通の便を聞こうと入ってみました。
店は広かったけれど、時間的にも閑散としている。隅のほうで、店主らしい人と話をしている人がいたのが、幸いに思えました。

その時の店内には、喫茶スペースと、何かの企画展なのか、創作芸術らしい、お地蔵さんの土人形と写真などが展示されていました。
それを眺めつつ、店の人と話をするきっかけを得るため、お地蔵さんの可愛い感じの写真を購入。

(ちなみに、この時の作品の作者は四国の芸術村のようなところの人だそうで、そのかたに感想の手紙を出す約束で半額で売ってくれ、後日、約束通りお手紙を出したら、小さなお地蔵さんの土人形と一緒に、丁寧なお返事をいただきました。写真と人形は、清滝の記憶と共に大事にしています)


神護寺から錦雲渓経由で、清滝トンネルを通るバスを狙って歩いてきたと話すと、あきれられました(^^ゞ

そして、たまたま店内で話していたお客さんは、なにかの商談で来ていたそうで、
このあと嵯峨野まで自動車で戻るから、よければ嵐山駅まで送ってくれると言ってくれ、

地獄にホトケな心地がして、有難くお言葉に甘えました💦


(夜の山道、見知らぬ男性の車に乗るのと、どちらが危険かという話でもありましたが、後で聞いたら、男性の方も親切心ながら、いきなりこの女が幽霊か妖怪に変じたらどーしようと怖かったそうです(^^ゞ)

嵯峨野でラーメン店をやっているかただそうで(後日、お礼を兼ねて食べに行きました)、
このかたのおかげで、夜の山道を、清滝トンネルを経て、何時間も歩いて行かなくて済みましたし、
話に聞く清滝トンネルがどんなふうに奇妙なトンネルなのかを、体験できました。

いや〜あれは確かに妙な造りで、長いし、絶対にひとりで歩いてなんてムリです!
本当に命拾いしたと思いました。

さて、その流れで車に乗せていただく前に、
レストハウスの人から、そのレストハウスの下にある部分に案内されまして、
「ここはもともと、千葉真一さんのアクションクラブの道場だったんですよ」
との話。
もうアクションクラブは撤退し、売りに出している物件だけれど、アスレチックのような設備のある体育館風で、

「買わない?安いよ」
と言われましたが、いやいやいや……


こんな街から離れた深山幽谷みたいなところで、
有名なアクションスターたちが、過酷な特訓をしていたのかしら。

その後、さすがにこんな方面へ行く機会もなくなったので、あの時の記憶自体が夢みたいに思っていたし、
今、どんな様子か、情報を聞いたこともなかったけれど、

あのレストハウスも今は廃墟で、千葉真一さんの道場もまだそのままなんですね。

貴重な今情報が知れて、あの時の思い出が蘇り、
なんだか懐かしくなって、リブログさせていただきました。