空を見上げ、届くことのない思いを抱く。

 

燃えるような季節の熱。

気まぐれに降り注ぐ雨は、

それこそ気まぐれな優しさを僕に向ける君のようで、

少しの恨めしさと、それでも嫌いになれないモヤモヤとした心は、

立ち昇る陽炎のように。

 

じりじりと身を焼く太陽をそれでも恋しくて見上げる向日葵。

見つめては、眩しくて。

細めた眼でいつまでも太陽を見つめる。

 

静かな夜に君はいなくて、銀の月は慰めの言の葉を贈る。

 

「おまえに太陽は眩しかろう」

 

「でも、僕は、追わずにはいられないのです」

 

それが運命(さだめ)のように。

逃れられない宿命のように。

 

焦がれ焦がれて

見上げるだけの宿命でも

 

「僕は、幸せなのです」

 

 

fin.