目の焦点が夜になると微妙に合わなくなり本を読むのがつらい。本の読みすぎ? スマホの見すぎ?
めっきり耳が遠くなった。一人暮らしの寂しさを蹴散らすために、ハードな音楽を聞きすぎた? 耳が遠くなると何の物音がしているのか、どこから聞こえるのか分からないことがままある。 さっき、カタカタと2階の床を鳴らすような音が数秒続いた。誰かがスリッパを履いてせわしなく歩くような。そんなはずはないので、窓から外をのぞいてみたが、向かいの家のまだ雪の溶け切らない庭で、夫婦して何かやっている姿が見えるだけ。
目と耳の次は口。普段しゃべることがなく、人の耳に通じるか不安なので、朝ドラのヘブンさんのように単語だけ並べるのはどうだろうか。
昨日、以前から親しくしている老夫婦(94歳と89歳)の家に立ち寄ってみた。年を取ると付き合い方が変化するのは致し方がない。酒を酌み交わさなくなって10年ほどにもなるだろうか。でも話はちゃんと通じている。
年寄りの集まりに死の話はつきものだ。 息子さんの同級生が亡くなった話は以前聞いていたのだが、その日、新たな事実が明らかになった。老夫婦は、私も知っている別の同級生の死を知らなかった。二人とも還暦前に去った。
老夫婦は、夫の退職後すぐに、夫の生まれ故郷サハリンへ渡り、知り合い探しに奔走した。病弱なロシア人を日本の病院に収容する活動にも精力的に取り組んだ。忙しいと言っている間に、リタイヤして30年があっという間に過ぎてしまったと大笑い。
若いころは死がやってくるのを恐れたが、この齢になると、残年数を数えるのが楽しい。寿命がどれだけあっても、自分たちのやることは尽きない、という言葉が妙に心地よい。こんな話を聞いていると、年取るのがおもしろくなる。