オオヨシキリ 

 

 今も里山の原風景がわずかに残る田園地帯では、いままさに田植えの真っ最中です。

 そんな中、なんといってもこの時季、ヨシ原や田園地帯のあちこちに点在する草地などから聞こえてくる耳障りなほどの大きな声の主は、言わずと知れたオオヨシキリの鳴き声です。繁殖期を迎え、細い茎にとまり、ズリズリと行ったり来たりして、大きな赤い口をめいっぱい開けて鳴く姿は、「この原の主は俺様だ!!」といわんばかりです。侵入者を見つけるや否や追い払いに飛び出していきます。周囲の樹の枝や草むらでは、隙をねらう他のオオヨシキリが負けじと鳴いていました。

 細身の体のどこからあんなエネギッシュな声がでてくるのか、いつも不思議に思います。