今日から、二十四節気「立夏」の次候「蚯蚓出(みみずいずる)」(二十候/七十二候)(5/10~5/14)となります。暦の上では、気温が上がり土中がぬくもる春に孵化するミミズが活動する時季となります。鳥達とっては格好の餌となるミミズですが、日本では古より「自然の鍬(くわ)」といわれ、腐葉土を食べて窒素やリンを含んだ栄養豊富な糞を排出し、小さな微生物たちによって分解され肥沃な土を作る大切な役割を担っていることで知られています。またミミズが動き回ることによって、土中に酸素がゆきわたり、通気性や透水性がもたらされ、作物をつくるうえで欠かせない”農業の益虫”ともいわれています。

 

ヒクイナ

 

 日が沈みかけ、帰路についた道すがら、清流のヨシの茂みから「クォン クォン クォン ‥‥コココ‥」というヒクイナの独特な鳴き声が聞こえてきました。しばらくして、川からあがり、農道を横切って、田んぼに隣接する茂みに姿を消しました。昨年と同様に上流域のこの場所が、下流域で確認された個体とは別の個体の生息域のようです。稲の成長が進むと田んぼで採餌する機会が増えます。ヒクイナの食性は肉食性が強い雑食性で、昆虫や軟体動物、カエルさらに草などを食べて生活しています。因みに、稲は穂を含め一切食べません。稲につく害虫や雑草を食べてくれ、排泄物は肥しとなり、さらに田んぼの中を採餌で歩き回ることで稲の根に酸素を供給し成長を促すなど、”農業の益鳥”ともいうべき存在です。