今日から、二十四節気「啓蟄(けいちつ)」の次候「桃始笑(ももはじめてさく)」(八候/七十二候)(3/10~3/14)となります。暦の上では、桃の蕾がほころび花が咲き始める頃とされています。でも、ようやく春らしくなってきたと思っていたら、昨日のような北風が吹き荒れ、真冬並みの寒さで冬に逆戻りした感がつよいです。でも、もう少ししたら次第に暖かさが増し、本格的な春の訪れとともにふっくらとした花桃が見られそうです。「花笑み(はなえみ)」という言葉があります。愛らしい桃の花が咲きほころんだ様子ばかりではなく、人が微笑んでいる様子や内面からこぼれるやわらかい笑顔を意味する言葉です。

 郊外にある多くの水鳥が集まることで知られる池で微笑ましい光景に出会いました。

 

ハシビロガモの”渦巻き採食”

 

 ハシビロガモの群れが賑やかな鳴き声をあげながらオス、メス入り乱れていくつかの群れに分かれて円陣を組み、水面上をぐるぐる回りながら渦を作り、プランクトンや水草などの餌になるものを浮き上がらせて食べていました。

 名前の由来ともなっている幅広の平べったいしゃもじのような嘴の内側は、クジラの口と同じようにブラシのようになっていて、水面に嘴をつけて水ごと吸い込み、嘴で餌だけを濾し取り、水だけを吐き出して採食を行います。マイワシのトルネードならぬハシビロガモのトルネードといったところでしょうか。