ケリ

 

 今も里山の原風景が残る清流で知られた田園地帯では、早くも”森の番人”ならぬ”里山の番人”とでもいえるケリが、「荒おこし」のすんだ田んぼで採餌をしながら、時に「キキッ キキッ」と歯切れの良い大きな鳴き声をあげていました。

 繁殖期ともなると数羽のケリが四方から鋭い目で絶えず周囲を監視し、少しでも不穏な動きをするものを見つけると群れで地上と空から耳障りなほどにけたたましく鳴くさまは、田園風景ひろがる里山ならではの春から初夏にかけての風物誌となっています。毎年きまった田んぼの畦や休耕田に巣をつくり、”島(しま)”とよばれる畑地で子育てをする様子が観察できます。