月日の経つのは早いもので、今日から二十四節気「立冬」の末候「金盞香(きんせんかさく)」(五十七候/七十二候)(11/18~11/21)を迎えました。まさに、故事成語の「夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過各なり(それてんちはばんぶつのげきりょにして、こういんはひゃくだいのかかくなり)」の心境です。

 「金盞香(きんせんかさく)」は、キク科のキンセンカではなく、スイセンをさしています。一説では、昔、中国では、スイセンの花の真ん中にある黄色い部分を黄金の杯(金盞)に、白い花弁を銀台になぞらえて、「金盞銀台(きんせんぎんだい)」と呼称していたことから、金盞とはスイセンのことをさし、冬を彩る七十二候に数えられたそうです。(*諸説あります。)

 スイセンは雪の中でも咲くことから、「雪中花(せっちゅうか)」とも呼ばれ、芳しい香りが高く、凛としていて、とても品のある美しい花であることから、お正月の花としても重宝されています。

 

*過去(1月中旬)に撮った画像です。

 

モズ(オス)

 

 ついこの間まで、甲高い鳴き声をあげ盛んに縄張りをアピールしていましたが、このところとんとその鳴き声を聞くことがなくなりました。

 一方、縄張り争いもほぼ終息し、それぞれのテリトリーで採餌のためにあちこち飛び回る姿を見かける機会も増えてきました。そんな中、「モズのはやにえ」といわれるモズ特有の貯食行動の場面に遭遇することができました。

<話題>(大阪市立大学HP「新着情報」より一部抜粋加筆)

 「モズのはやにえ」の機能については、これまでいくつかの説があり、エビデンス(科学的知見に基づく根拠)に乏しく謎とされてきましたが、大阪市立大学大学院理学研究科の西田 有佑 特任講師は、北海道大学大学院理学研究院の高木 昌興 教授との共同研究により、モズのオスは非繁殖期にのみ「はやにえ」を作り、その「はやにえ」を繁殖期が始まるまでにほとんど食べ尽くすことを実証しました。さらに、「はやにえ」の消費量に応じて繁殖期におけるオスの歌の質が高くなり、その結果オスはメスから強く好まれるようになることを野外観察と操作実験により明らかにしました。このことは、「モズのはやにえ」がメスの獲得で重要な歌の質を高めるための栄養食として機能していることを示しています。餌をなわばり内に貯える「貯食行動」はモズのほか様々な動物でも見られますが、貯えた餌の消費がオスの性的な魅力を高める効果をもつことが実証されたのは世界で初めてとのことです。

 

➀捕らえたミミズを小枝にひっかけ、しばらく小休止した後、おもむろに捕食しはじめました。

 

②全部平らげずに、残したものをくちばしで引っ張りながら、納得がゆくまで何度もとがった枝先に器用に突き刺していました。力が入り過ぎて、少しちぎれてしまったようです。それをちょこっとつまみ食い。

 

 

 

③しばらく休んだ後、枝に突き刺した「はやにえ」をその場に残したまま飛び去っていきました。

 

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