セッカ

 

   じりじりと照り付ける太陽と照り返しでじっとしていても汗が噴き出してくる蒸せかえるような暑さの中での撮影は忍耐勝負です。それに加えて田園地帯は日差しを遮る緑陰がほとんどありません。

 騒々しいほど聞こえていたケリやオオヨシキリの鳴き声は影を潜め、この時期は繁殖期を迎えたセッカが撮影ポイントでの鳥撮りのメインです。

   繁殖期のオスは「ヒィッヒィッヒィッヒィッ」と鳴いて上昇し、下降する際は「ヂャッヂャッヂャッヂャッ」と鳴くのが特徴のひとつで、これは縄張りの主張とメスを呼び込むためと考えられています。また、口の中が黒く通称”お歯黒鳥”ともいわれているようです。

 さらにオスはクチバシで草に穴を開けクモの特殊なベタベタしない糸で草を縫い合わせて楕円形の巣を作ることから通称”お裁縫をする鳥”ともいわれており、スズメより小さい見かけの地味なセッカですがなかなかのすぐれものです。

 

 


 特筆すべきは、二本の直立した細い茎に脚をかけてとまる通称”二本跨(また)ぎ”あるいは”大股開き”なる妙技も持ち合わせています。今回の撮影は”大股開き”ならぬ”内股開き”でした。