オオルリ(メス)

 

 日没が近づき鳥撮りを終えて帰ろうとしたその時、一瞬1羽の鳥が林から飛び出してきてホバリングをして近くの枝にとまりました。しばらくして元いた林の暗闇へ消えていきました。帰宅後に画像確認をしたところオオルリのメスのようです。

 オスは、コルリやルリビタキとともに「青い鳥」御三家(瑠璃三鳥)の筆頭で、かつウグイスとコマドリにならぶ日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)に数え上げられ、いつもながら注目の的ですが、その一方で、メスはというと頭から尾にかけて背面が茶褐色という、いたってジミィ~な鳥です。でも、メスは繁殖に際しオスを選択吟味するという風格を備えているように思えます。

 

 

 

 今日から二十四節気「秋分」の末候「水始涸(みずはじめてかるる)」(四十八候/七十二候)(10/3~10/7)となります。一般的には、水田の水を抜き稲刈りに備える時季とされていますが、本来は乾いて枯色(かれいろ)になった秋の情景を表しています。

 

「雲帰る山を見て立つかゝしかな」  夏目 成美(なつめ せいび)

 

 18歳で痛風を病み右足の自由を失い、家業のかたわら俳諧を続けますが、俳人として自由に野ざらしの地を訪ねることはかなわず言い知れないあこがれの心情を詠んだともいわれています。

 

~枯色(かれいろ)の野に一層引き立つ紅(くれない)の彼岸花~

 

 

 

~すっかり葉を落とした樹で捕食に夢中のモズ~

 

 

 

エナガ「留鳥」

 

 秋の深まりが感じられるとある日、比較的標高の高いお山の雑木林へ出かける機会があり鳥撮りしました。シジュウカラやメジロなどに混じってエナガの小さな群れと出会いました。太い眉にちっちゃなお目目と団ごっ鼻というちっちゃくて”ブサかわいい”鳥として女性を中心に人気があるようです。

 エナガという名前の通り、尾が体全体からみて大変長くて頭でっかちのところが、柄の長い柄杓(ひしゃく)に似ていることが名前の由来だそうです。まさに「名は体を表す」というところでしょうか。頭でっかちのぶん尾が長いことで枝などにバランスよくとまることができます。

 

 

 

 

キビタキ(メスタイプ)

 

 仕事を終えて、広大な河川敷に位置する都市公園のいつもの場所へいつもの様に”寄鳥(撮)見鳥”しました。樹々もすっかり葉を落とし見通しがよくなった園内では、長く続いた暑さの影響でしょうか渡りの鳥影も少なく、彼岸花の開花もおくれているようで閑散としています。

 しばらく、緑陰で休んでいた時のこと、すぐ頭上でこの季節にしては珍しい澄んだ爽やかな「ピョロリン ピョロリン」というきれいな鳴き声にふと見上げると、すぐ近くの枝にキビタキがとまっていました。羽根をふるわせ盛んに鳴いていました。

 若いオスのようにも見えますが、秋の渡り時季のキビタキは、いまだ成長段階にある若いオスとメスの識別は非常に困難であることからキビタキ(メスタイプ)としました。

 

 

 

エゾビタキ(若鳥)

 

 エゾビタキは夏にロシアや中国などで繁殖を行い、冬は東南アジアなどの越冬地に渡る日本では主に秋に飛来する「旅鳥」です。中継地である当地で一時羽を休め、成鳥とともに南へ旅立つ日を待っているようです。幼鳥は8月〜9月頃の換羽で第1回冬羽となり、翌2年目の秋の換羽で成鳥冬羽になるといわれています。若鳥らしく好奇心旺盛で、こちらの様子を樹上からジックリ観察していました。