ー撮影後記ー

 

 梅雨の中休みの里山の田園地帯では、澄み渡った美空に留まって高らかにテリトリーソングを披露するヒバリの姿がありました。

 古くは、大伴家持が『うらうらに照れる春日に雲雀上がり心悲しも独りし思へば』(万葉集)と詠っていたり、松尾芭蕉(永き日を囀り足らぬひばりかな)などの句で、のどかな日本の田園風景の春の風物詩として多数詠われていますが、「揚雲雀(あげひばり)」といわれる空中さえずりよりも、実際は地上さえずりの方が主なようです。

 休耕田に、複雑で軽やかなメロディーを延々と奏でる”ナポレオンハット”(きりっと立ち上がった冠毛)に土偶顔のオスのヒバリがいました。

 ちなみに、鳥類が長時間に渡って途切れることなく鳴き続けることができるのは、文献によれば、肺の周囲に気嚢(きのう)という空気を循環させる袋がいくつかあり、この働きにより肺が常に新鮮な空気で満たされ、気嚢をしぼませて口から息を吐いた時にも、別の気嚢から肺に新鮮な空気が送られていることによるものだそうで、この気嚢は、鳥類の祖先ともいわれる獣脚類(恐竜)も持っていたと考えられているそうです。

 

ヒバリ(オス)

 

 

 

 

ー四季ごよみー

 

 月日の巡りは早いもので、二十四節気「芒種」の末候「梅子黄(うめのみきばむ)」(二十七候/七十二候)(6/16~6/20)に入りました。梅雨の時期、梅の実が黄色く熟す頃となりました。

 里山の畑の梅も黄色く熟し、たくさん地面に落ちていました。

 

 

ー撮影後記ー

 

 梅雨の中休み。休耕田の雑草の中に、巣材(チガヤの穂)をくわえたセッカの姿がありました。

 

 

 

ー撮影後記ー

 

 昨日、撮影に至らなかったヒクイナの雛と思われる黒い塊の正体を確認すべく現地に着いて早々、注意深く周囲を見渡すヒクイナの親鳥(メス)の後に続いて、休耕田の草藪から隣の田んぼの畦に次々と姿を現した4羽の雛に出会うことができました。真っ黒なふわふわとした産毛に覆われ、大きな目とちっちゃな体に似合わない異様に大きな長い脚が印象的でした。

 その後、頻繁に休耕田の草藪と田んぼを出たり入ったりと活発に動き回っていました。親鳥(メス)も雛たちを見失しわないように、盛んに小さな声を出していました。

 ストレスを与えない様に、清流沿いの遊歩道からかなりの距離をとって撮影を行いました。

 

ヒクイナ(親鳥と雛)

 

 

 

 

 

ー撮影後記ー

 

 陽が傾きかた頃、突然、休耕田の草藪から黒い塊が飛び出したかと思うと、その後を追う様にヒクイナがあわてふためいたように田んぼの中へ入っていきました。黒い塊の正体は、ヒクイナの雛のようです。(視認のみで撮影にはいたっていません。)

 親の心を知ってか知らずか、一時もじっとしていない雛を見逃すまいと、親鳥も必死の様子でした。

 

ヒクイナ

 

 

 

ー撮影後記ー

 

 メスのもとへオスが求愛プレゼントをする場面に出会いました。

 つがい形成期前のオスによるメスへの求愛給餌行動は、ある意味オスの給餌頻度や給餌物の質によって、その後の子育てにおける父性としての力量を推し量り、つがい相手のオスを選択しているという見方もあるようです。

 

モズ