今日から、二十四節気「立夏」の末候「竹笋生(たけのこしょうず)」(二十一候/七十二候)(5/15~5/19)となります。たけのこの成長スピードは早く、春先から出回る孟宗竹(もうそうちく)という品種は、2~3ヶ月で20mもの高さになり、ピーク時には1日に80~100cmも伸びるといわれています。すくすく育つようにとの願いから、ふるくからお食い初めの縁起物の一つにもなっています。

 里山の清流の川岸では、毎日のように親にまとわりつき、行く先々で餌をねだるセグロセキレイの幼鳥も、元気にスクスクと育っています。もうそろそろ親離れ子離れも近いようです。

 

セグロセキレイ親子

 

 

 

 新たな生命(いのち)が次々と芽吹くこの時季、鳥界でも子育て中の鳥やこれから子育てに入る鳥など、親鳥にとっては一大ライフイベントです。

 

~ヒバリ~

 

 近くの小高い草地にある巣にいるヒナたちの口に合う様に、咥えきれないほどの小さな虫をくちばしいっぱいに咥えたヒバリが、田んぼの畦を忙しなく動き回っていました。

 

 

 

~シジュウカラ~

 

 これから繁殖期を迎えるシジュウカラが、巣材集めに奔走していました。こちらのシジュウカラは、草むらにからまった犬の抜毛を目ざとく見つけ、先が見えない程くちばしいっぱいにほおばっていました。

 

 

ケリ(幼鳥)

 

 繁殖期から子育て期間は、田園地帯ではケリの鳴き声が止むことはありません。4月中旬に複数の箇所でヒナを確認しましたが、気性が荒く攻撃性が強いため、むやみに近づくことは避けました。

 あれから1か月、もうすでに体の模様は親と変わらりませんが、完全に飛べるまでは親が監視の目を緩めることはありません。親は幼鳥から関心をそらすために、少し離れた場所から連続的に警戒音を発し続けます。その間、幼鳥たちはその場にジッとしたままでいます。今回撮影したペアでは、4羽の幼鳥が確認されました。現在も複数のペアが子育て中です。

 

 

 

 

オオヨシキリ 

 

 今も里山の原風景がわずかに残る田園地帯では、いままさに田植えの真っ最中です。

 そんな中、なんといってもこの時季、ヨシ原や田園地帯のあちこちに点在する草地などから聞こえてくる耳障りなほどの大きな声の主は、言わずと知れたオオヨシキリの鳴き声です。繁殖期を迎え、細い茎にとまり、ズリズリと行ったり来たりして、大きな赤い口をめいっぱい開けて鳴く姿は、「この原の主は俺様だ!!」といわんばかりです。侵入者を見つけるや否や追い払いに飛び出していきます。周囲の樹の枝や草むらでは、隙をねらう他のオオヨシキリが負けじと鳴いていました。

 細身の体のどこからあんなエネギッシュな声がでてくるのか、いつも不思議に思います。

 

 

 

 

キビタキ(オス)

 

 連日「森のピッコロ奏者」と称される2羽のオス同士が、鬱蒼とした新緑の樹幹の高い位置にとまり、テリトリーとメスへのアピールで、お互い競い合う様にさまざまなレパートリを駆使して美しい声でさえずっています。相手のさえずりに耳を傾け、お互いの様子を探っているようにも見えます。揺らぐ樹々に差し込むきらめくあたたな光で、心なしか喉元の鮮やかな色合いが増しているようにも思えます。そろそろ春の「渡り」の途中の地を離れ、繁殖地であるお山へ旅立つ日も近いようです。