7/7 古民家再生日誌 29 | 住まいと暮らしとお陽さまと

住まいと暮らしとお陽さまと

日々の暮らしに朝陽のようなすがすがしさ、夕日のような温かさを感じる住まいを作りたい。
建築士として日々思い、感じることを綴ります。

伊那市高遠町の茅葺き古民家の再生を

2024年6月7日よりスタートしました。

古民家を残したい、古民家で暮らしたい

そんなかたの参考に……

そして、こんなときもあったなぁと

振り替えるための日誌です。

 
7月7日 晴天!

ワタシ(達)にできることは、
コツコツ仕事。

今日もコツコツだー!と
畳の解体に手をつけた。

畳の解体とは、
畳の縁(ヘリ)を外して、
畳表とトコを別々にすること。

縁(化繊)は廃棄。
畳表(いぐさ)は畑で土に還し、
トコは駐車スペースでゆっくり土に還ってもらう。

畳表は縦糸に麻糸と綿糸が使われている、
というのが通説なのだけど、

実際には綿糸ではなく化繊糸が使われていた!
なので、
三本に一本ある化繊糸を抜いてから畑にへ。








トコは畳表や縁を縫い付けるのに化繊糸が
使われている。

縫い目をカッターで切るので、
バラバラになった糸を見落とさないよう(努めて)、ペンチで引っ張り出す。

簡単に抜ける糸もあれば、
藁に引っかかってなかなか抜けないものもあり、
畳一枚を土に還す準備に一時間ちょっとかかる。

なので、1日二枚解体すると
違う作業がしたくなる。



残っているのは昭和に新調された5枚と、
大正に新調された5枚。


大正六年3月と書いてます

どちらも藁どこ(畳の芯が藁でできている)
で、畳表を昭和40年代に換えてらっしゃる。


今日は昭和の藁どこの畳。
最低二枚(二畳)は解体する!
という意気込みだったけど、

大正の藁どこの2倍以上の時間がかかった!
タラー

昭和の藁どこは機械で縫われていて、
化繊の糸しか使っていない、と思われる。

藁と藁の間に挟まれた藁を切り刻んだ層には、
藁でないものも少し混じる。

樹脂の畳の端くれとか、
化繊の糸を使った畳表の端くれなど。

藁を束ねていたであろう白いビニル紐が
いくつもででくる。










畳トコをバラバラにする人はいないだろうから、
トコのなかに何が混じっててもいい、
と思って作られたのだろうか?


ガンジーが機械化より手仕事を!
と言っていたことを思い出す。

大正に新調された畳トコには、
高遠新町 百瀬、と名前が書いてあった。






誰にも後ろ指をさされない仕事、
町内に納められる畳への責任と誇りキラキラ

自分の使っているものの中で、
作り手がわかるものどれだけあるかな。

ちなみに。。。
ワタシが今みにつけているもの、

ポロシャツと靴下とサンダル、
頭に巻いてる手拭いは買いました。

他は自分で手縫いしたもの。

あっ!
布は既製品やでー爆笑

 設計事務所 笑み太郎

一級建築士 池田 祐実英