『サッドティー』『曼荼羅』の話 | CIGARETTE AND RAMENSOUP

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サッドティー



サブカルな風が漂う人たち。
監督や原作者が芸術系学校出身の人間で、その環境を描いたのだろうなあというのが伺える映画っていうのはだいたい好きです。
ただただ青柳文子がかわいかった。ほんで文子は完全に観客のおとり的な立ち位置で、ほんまはこの無気力で性格の悪い今風の男(監督自身を投影しているのでは?)を中心に話は展開され、あとはイライラするくらいブスで頭の悪そうな女が4、5人ほど出てきます。+ちょいきもい男も2、3人出てきます。文子はあまりストーリーには関係ありません。まあそんなにストーリーがある映画でもないのだけれど。
でも一人一人が見事見事に超リアル。キャラも喋りも。ドキュメンタリー映画かと思うくらい。お芝居感0なのでそれで気持ちが冷めることが無く見やすいです。
文子のキャラはあまり明かされなかったのだけど、もし文子が出てこなければ、なんだか女をばかにしたような映画になってしまったかもしれません。いつでも男のことを考えていて、男にすがることしかできなくて、みたいなブスたちにはイライラしました。私は文子みたいに美しくなりたいです(見た目の話です)


曼荼羅



ザ・サブカルムービーでしたね。しかもレトロ感がすごい。70年代の匂いプンプンです。
ザ・”昭和の美男美女”がでてきてそれはとても美しいです。現代にはいない正当な美しさかなと。どうやら4人出てきてたらしいのだけど、その男2人女2人の違いがまるでわからんかった。喋り方も声も見た目も特徴が無さ過ぎてというか似過ぎてて。何故か全員関西弁だった。それがまたレトロに感じた。今おばちゃんの人も昔はこんなイケイケだったのねみたいな。
人物どころか、設定もストーリーも非常に難解かつ奇抜なので、あらすじを検索して読みながら見ないと何のこっちゃあわかりません。てか読んでもよくわかりません。
先鋭的な全共闘の左翼学生、単純再生産の法則、ユートピア、わざと難解な台詞を入れたがる辺りが、いかにも70年代アングラだなあという感じです。
しかしエロシーンもあまりエロく感じず、暴力的シーンもただ嫌悪感を感じるだけ、だらだらとした後半も効果的には感じず。この手の映画を見る事自体、もうしんどくなってきたのかなあ。もっと若い頃だったら新鮮味と好奇心で乗り切れたのかもしれないが。
前半に出てきた白い部屋と日本庭園はとても良かったと思います。