昨日触れた私の離婚のことを、
少しお話します。
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私は、車椅子に座ってボーっとしていた。
彼が、ネットを被った私の頭を撫でている。
上を見上げると、頭を撫でながら泣いている彼の顔があった。
「ごめんな。俺が悪かった…」
そう言っていた。
私は言っている意味は解った。
でも、なぜ謝っているのかが理解できなかった。
そして、なぜ泣いているのかも…
ゆきちゃんに後で聞いたことだが、
その頃の私は、
結婚する前の私、つまりまだ彼と付き合っていた頃の私に、
戻っていたそうだ。
完璧に。
私は彼のことを、その時のあだ名で“○○ちゃん”と呼び、
彼がいなくなると「○○ちゃんは?」と探し、
いなくなったとわかったとたん、たまらなく悲しい表情でうなだれていたという。
そんな私を見、品定めでもするかのように彼の変化を確認し、
ゆきちゃんはこう思ったそうだ。
『もしかしたら、お姉ちゃんたちやり直せるのかも…』
ゆきちゃんは、私たち夫婦のことをよく知っていて、
私が、倒れるような生活をしなければならない経緯も知っていた。
ゆきちゃんは、私の親に全てを話し、
退院後は離婚させようと決めていたらしい。
だが…気持ちは揺らいだそうだ…
結局私の頭が回復するにつれ、いわゆる赤ちゃん返りのような、
妙な態度は消え、私の彼に対する気持ちも元に戻っていった。
私が憶えていることは、泣いている彼の顔だけだ。
『この人なんで泣いてるんだろう…』
じっと見ていた。
不思議なことに“赤ちゃん返り”は全く憶えていない…
このタイムスリップのような現象は、いったいなんだったのだろう…
幸せな時へと、自分だけ無意識にタイムスリップしていたのだろうか…
彼のこの変化だが、ずっと続いていたのだ。
私の彼に対する気持ちが元に戻っても、続いていたのだ。
リハビリ病院へ移った後もずっと。
私は思った。
『やり直そう』と。
『彼は変わってくれたんだ』と。
そして、そんな事や子供がまだ小さかったということもあり、
親の強く勧める離婚には、至らなかったのだ。
しかし、退院し、視床痛は発症した。
私は悩み苦しみ、わめき…
とうとう彼の許容量を超えてしまい、あの事件が起きてしまった…
娘たちの承諾は得た。
「もういいよママ。我慢しなくて。」
そう言ってくれた。
怖かったので、殆んど何も持たず、すぐ家を出た。
そして、離婚に至ってしまった。
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娘たちには本当に悪いことをしたと今でも思います。
どんな理由があったとしても、
娘たちのことを考えれば、離婚など許されることではないのです。
謝っても謝りきれません…
長女はその後すぐに家を出ました。
そして、これは後で聞いたことなのですが、
次女は私に経済力がなかったため、迷惑が掛かると思い、
高校卒業までは…と考え留まることを選んだらしいのです…
初めて聞いたとき、私は泣きました…
でも今は、二人とも家を出てのびのびとしている様子です。
彼は、次女が高校生の時に再婚しているので、
幸せに過ごせていることでしょう。
よかったと思います。
彼のことはやはり気掛かりだったので、今は安心しています。
読んでいただきましてありがとうございました。