【ククルス・カノルス】◆オリジナル作品◆
「…………っ」
『美咲(みさき)!!大丈夫か!?…美咲!』
「…こ…ここは…?」
『病院だよ!昨日バイト帰りに公園の階段から落ちて一日中意識不明だったんだよ!携帯も壊れて連絡とれなくて心配したんだよ!』
「…あ…あなたは…誰…?」
『…え?…何言ってるんだよ!俺だよ!彼氏の晃(あきら)だよ!』
「え…?…私の彼氏…?…あなたなんて知らない…知らないわ…」
『そ…そんな…』
《美咲さんは頭を強く打って記憶の一部を無くしてるようです》
『…そんな…!美咲とは3年も付き合っているんですよ!その記憶が無いなんて酷いじゃないですか!先生!何とかして下さい!』
《落ち着いて下さい!治療は全力を尽くしますが、美咲さんの記憶を取り戻すには晃さんにも努力してもらわなければいけません》
『分かりました。もちろんです、美咲のためなら』
しかし晃の努力の甲斐もなく数日が経過しても美咲の記憶が戻る事はなかった。
『美咲!お見舞い来たよ』
「こんにちは…」
『今日は二人で旅行に行った時に撮った写真持ってきたよ』
「やっぱり晃君と私って付き合ってるんだね…なのに何も思い出せなくてごめんなさい…」
『大丈夫だよ!いつか記憶が戻るはずだから。…美咲は俺の事嫌い?迷惑じゃない?』
「今よく分からなくて…でも嫌いとか迷惑とか思ってない…と思う…本当にごめんなさい…」
2週間後、美咲は記憶が戻らないままだったが退院し、晃の案内でアパートに行った。
『ここだよ…俺が暮らしているアパート…美咲が毎日来てくれてるアパート…どう?何か思い出せない?』
「…晃君の…アパート…私が…」
部屋に入り、二人で撮った写真やお揃いで買った物などを見たが、やはり美咲は全く思い出す事が出来なかった。
美咲が精神的にまだ不安定だと判断した晃は代わりにバイト先に事情を話しに行き、バイトを辞めさせ、しばらく安静させる事にした。
『美咲…良かったら一緒に暮らさない?今まで美咲が独り暮らししてるの心配だし、実家だと遠いし』
「…う…ん…まだ…気持ちの整理がつかなくて…しばらく考えさせて…」
美咲は数日間悩んだ末、晃と一緒に暮らす事にした。
結局、記憶は戻る事はなかったが晃の献身的な介護もあり次第に心を開いていった。
そして1ヶ月後、晃と美咲は結婚し今までの失わた時間を取り戻すかのように深く愛し合った。
ある日の夜…
晃は月明かりの中、一人窓際に座り、目の前の美咲の寝顔を眺めながら思っていた…
『美咲…
お前が単純なおバカさんで嬉しいよ。
そりゃ俺の事なんて記憶にないはずだよ。だって付き合った事すらなかったんだから。一目惚れしてから何とかお前を手に入れたくて苦労したよ』
そう…
全ては晃が綿密に企てた計画だった。
美咲に一目惚れした晃は、ストーカーとなり名前や住所、バイト先、家族関係など、あらゆる事を徹底的に調べあげ、これらの一連の記憶喪失騒動をでっち上げたのである。
バイト帰りの美咲を待ち伏せて階段から突き落とし、証拠隠滅のため携帯電話を破壊し、彼氏のふりをして病院に運び、見事な名演技で美咲のみならず医師までも欺き通した。
そして美咲のアパートに侵入し、事前にパソコンでCG合成した2人の写真や量販店で適当に買った物などをお揃いのように飾り、あたかも3年間付き合っていたかのような時間を作り上げた。
その後、美咲のバイト先にも平然と彼氏として訪ね、代理人としてバイトを辞めさせた。
美咲は幼い時に両親が亡くなり、田舎の親戚から育てられた後に独立して都会に引っ越して独り暮らしをしてた事も晃にとっては幸いした。
その後、美咲は計画に気づく事無く2人の子供を産み、晃と共に家庭を築き上げた。
※【ククルス・カノルス】とは鳥類【カッコウ】の学名。
カッコウは自ら子育てをする事はなく他の鳥(ホオジロ、オナガ、モズ等)の巣に密かに卵を産みつけてその親鳥に育てさせるという「托卵」をする事で有名な鳥。
何も知らない親鳥は生まれてきたカッコウの雛を我が子と思ったまま巣立ちまで一生懸命に育てる。
本作品では彼女に偽の記憶を植えつけて見事に自分の思い通りにした男の行動をカッコウに見立てている。
「…………っ」
『美咲(みさき)!!大丈夫か!?…美咲!』
「…こ…ここは…?」
『病院だよ!昨日バイト帰りに公園の階段から落ちて一日中意識不明だったんだよ!携帯も壊れて連絡とれなくて心配したんだよ!』
「…あ…あなたは…誰…?」
『…え?…何言ってるんだよ!俺だよ!彼氏の晃(あきら)だよ!』
「え…?…私の彼氏…?…あなたなんて知らない…知らないわ…」
『そ…そんな…』
《美咲さんは頭を強く打って記憶の一部を無くしてるようです》
『…そんな…!美咲とは3年も付き合っているんですよ!その記憶が無いなんて酷いじゃないですか!先生!何とかして下さい!』
《落ち着いて下さい!治療は全力を尽くしますが、美咲さんの記憶を取り戻すには晃さんにも努力してもらわなければいけません》
『分かりました。もちろんです、美咲のためなら』
しかし晃の努力の甲斐もなく数日が経過しても美咲の記憶が戻る事はなかった。
『美咲!お見舞い来たよ』
「こんにちは…」
『今日は二人で旅行に行った時に撮った写真持ってきたよ』
「やっぱり晃君と私って付き合ってるんだね…なのに何も思い出せなくてごめんなさい…」
『大丈夫だよ!いつか記憶が戻るはずだから。…美咲は俺の事嫌い?迷惑じゃない?』
「今よく分からなくて…でも嫌いとか迷惑とか思ってない…と思う…本当にごめんなさい…」
2週間後、美咲は記憶が戻らないままだったが退院し、晃の案内でアパートに行った。
『ここだよ…俺が暮らしているアパート…美咲が毎日来てくれてるアパート…どう?何か思い出せない?』
「…晃君の…アパート…私が…」
部屋に入り、二人で撮った写真やお揃いで買った物などを見たが、やはり美咲は全く思い出す事が出来なかった。
美咲が精神的にまだ不安定だと判断した晃は代わりにバイト先に事情を話しに行き、バイトを辞めさせ、しばらく安静させる事にした。
『美咲…良かったら一緒に暮らさない?今まで美咲が独り暮らししてるの心配だし、実家だと遠いし』
「…う…ん…まだ…気持ちの整理がつかなくて…しばらく考えさせて…」
美咲は数日間悩んだ末、晃と一緒に暮らす事にした。
結局、記憶は戻る事はなかったが晃の献身的な介護もあり次第に心を開いていった。
そして1ヶ月後、晃と美咲は結婚し今までの失わた時間を取り戻すかのように深く愛し合った。
ある日の夜…
晃は月明かりの中、一人窓際に座り、目の前の美咲の寝顔を眺めながら思っていた…
『美咲…
お前が単純なおバカさんで嬉しいよ。
そりゃ俺の事なんて記憶にないはずだよ。だって付き合った事すらなかったんだから。一目惚れしてから何とかお前を手に入れたくて苦労したよ』
そう…
全ては晃が綿密に企てた計画だった。
美咲に一目惚れした晃は、ストーカーとなり名前や住所、バイト先、家族関係など、あらゆる事を徹底的に調べあげ、これらの一連の記憶喪失騒動をでっち上げたのである。
バイト帰りの美咲を待ち伏せて階段から突き落とし、証拠隠滅のため携帯電話を破壊し、彼氏のふりをして病院に運び、見事な名演技で美咲のみならず医師までも欺き通した。
そして美咲のアパートに侵入し、事前にパソコンでCG合成した2人の写真や量販店で適当に買った物などをお揃いのように飾り、あたかも3年間付き合っていたかのような時間を作り上げた。
その後、美咲のバイト先にも平然と彼氏として訪ね、代理人としてバイトを辞めさせた。
美咲は幼い時に両親が亡くなり、田舎の親戚から育てられた後に独立して都会に引っ越して独り暮らしをしてた事も晃にとっては幸いした。
その後、美咲は計画に気づく事無く2人の子供を産み、晃と共に家庭を築き上げた。
※【ククルス・カノルス】とは鳥類【カッコウ】の学名。
カッコウは自ら子育てをする事はなく他の鳥(ホオジロ、オナガ、モズ等)の巣に密かに卵を産みつけてその親鳥に育てさせるという「托卵」をする事で有名な鳥。
何も知らない親鳥は生まれてきたカッコウの雛を我が子と思ったまま巣立ちまで一生懸命に育てる。
本作品では彼女に偽の記憶を植えつけて見事に自分の思い通りにした男の行動をカッコウに見立てている。

