秘苑23 | 水脈のブログ

水脈のブログ

読みきかせ記録(絵本等の紹介)と、自分の心に生じた想いや、刻まれた記憶を思いつくままに綴っています。
当ブログ開設当初から好きだった東方神起やジェジュン、ユンジェに関して。そして、2021年以降は、防弾少年団(バンタン:BTS)のことに、思いを馳せることも。

ユノが自らも血を流しながら、
血まみれのカラスのようなものを
抱いて帰って来た と、
東宮殿は、大騒ぎになった。
が、すぐに
洪(ホン)尚膳のとりなしで、
世子の寝室へ通された。

横たわっているジェジュンの隣に、
異形のジェジュンを、そっと横たわらせた。
巫女の銀河(ウナ)が、何やら呪文のような言葉を
口の中で唱えると、
異形のジェジュンから、白く輝く球体状のものが
ゆっくりと浮かび上がり、
ジェジュンの体に吸い込まれていった。

深呼吸したかのように胸が大きく膨らみ、
そして、平らかに落ち着くと、
ロウのように真っ白だったジェジュンの頰に、
ほんのりとした赤みが徐々にさし始めた。

固く閉じられたままだったまぶたが
薄く開いた。

ぼんやりと天井を見つめていた
ジェジュンは、ややあって、
心配そうに見守っている洪尚膳や銀河を見、
そして、背後に控えているユノを見つけて、
にっこりと微笑んだ。

「おおっ!ジェジュンさま!!
お気がつかれましたか。
ようございました。
ホントに、ようございました。」

「ソクチョン、どうして泣いてるの?」

「ユノヤ…!?
血だらけじゃないか!!

ソクチョン、泣いてる場合じゃない。
早くユノの手当てを。
いや、ぼくが自分で。」

そう言うと、体を起こそうとしたが、
上体が揺らぎ、
慌ててソクチョンが支えた。

「大丈夫です。
こんなのかすり傷ですから。
それよりジェジュン邸下こそ、
まだ無理を…」

そんなユノの言葉を遮るように、
部屋の中に、
鋭い言葉が響いた。

「許さぬ!」