対象:小学校2年生
読んだ本
『しげちゃん』 室井 滋・作 長谷川 義史・絵 金の星社
『アリからみると』 桑原 隆一・文 栗原 慧・写真
『しげちゃん』
女優の室井滋(むろい しげる)さんが、執筆されたお話です。
子どものころ、自身の「しげる」という名前が、
男の子みたいで、嫌いだったのに、
いやでなくなったきっかけになったエピソードが綴られています。
「滋」というのは、芸名ではなく、本名で、
あとがきに
「芸名をつけようと、いろいろ考えてもみたんですが、
どの名前も自分に似合わないことに気がつきました。」
「結局、両親にもらった名前が一番好きになっていたんですね。」
と書かれています。
昭和の時代だと「しげる」という名の男の子はいたと思いますが、
平成以降、、「しげる」という名自体が、珍しいかもしれませんね。
また、「しげる」という名前が「滋養」の「滋」と
説明するくだりがありますが、
小学校では「滋」は、学習しないし、
(「磁石」の「磁」は、6年生で学習します。)
「滋養」という言葉も普段、耳にしないと思うので、
読んだだけでは、思い浮かばないでしょう。
一応、板書するようにしています。
季節は、問わないと思いますが、進級し、クラス替えがあり、
新しいお友達の名前も覚えたころかな
という今の時期に読んでみました。
自分の名前の由来を知ってる?と問いかけたら、
今年はけっこう「知ってる」と声があがりました。
(昨年も、2年生で読んだのですが、「知ってる」と答えた児童が、
意外と少なかったんです。)
私は、最初の子どもを流産して、その時、お医者様から
「その子の運命、持って生まれた生命力の長さだったんですよ。
こんな原因があったからとか、お母さんが何かしたから、流産したとか
いうことではないのです。」と言われたことがあります。
生命は授かりものなんだなと、
新しい生命ために自分ができることは、
本当にささやかなことでしかないんだな と
改めてその時感じました。
でも、やはりちょっと辛くて、
自分ができるささやかな、かつ、楽しいこと
「今度、赤ちゃんを授かったら、どんな名前をつけようか?」 と
名前のことばかり考えていた時期が、一時ありました。
自分が親の立場で、子どもの名前を一生懸命考えた記憶があるので、
しげちゃんのおかあさんの言葉に共感して、
この本を読みたくなるのかもしれません。
子どもの立場だと、私自身は、自分の名前が、
とても平凡でありきたりの名前(ご先祖様の字を一字もらったというごくありふれた由来)
だったので、ちょっと不満を感じていたような気がします。
← 今は、その一字がそんなに嫌じゃないのですが (・・。)ゞ
みんな、自分の名前好きだといいなあ。
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『アリからみると』
6月ですし、本当は、もっと梅雨らしい話にしようと思っていたのですが、
梅雨入りもしたものの、雨があまり降らず、すでに夏のようなお天気が
続いているので、夏のイメージがするこのお話を選びました。
迫力ある写真で、
「食べられちゃうよ」「悪魔見たい」と、
特に男子児童の反応が良かったです。
最近の写真絵本は、印刷・製版技術が進歩したのか、本当にきれいです。
同じく福音館書店のかがくのとも傑作集から
『だれだか わかるかい? むしのかお』 今森 光彦 ぶん・写真
も 出版されていますが、こちらは、少し説明が長いです。
好みの問題もありますが、
時間がちょっとしかない時、
短い言葉とインパクトの大きさ という点で
『アリからみると』は使える絵本だと思います。
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- だれだかわかるかい?―むしのかお (かがくのとも傑作集 どきどきしぜん)/今森 光彦
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