水脈のブログ

水脈のブログ

読みきかせ記録(絵本等の紹介)と、自分の心に生じた想いや、刻まれた記憶を思いつくままに綴っています。
当ブログ開設当初から好きだった東方神起やジェジュン、ユンジェに関して。そして、2021年以降は、防弾少年団(バンタン:BTS)のことに、思いを馳せることも。



3学期に私が唯一担当し、

今年度最終となった小学校での

「お話しタイム」は、

1年生のクラスでした。


1年生ということで、

文章は短めで、わかりやすい内容であること、

そして「早春」という季節感をテーマに、

以下の3冊の絵本を選んでみました。


『だって 春だもん』

小寺卓矢 写真・文 (アリス館)


『すみれとあり』

矢間芳子 さく 森田竜義 監修

(福音館書店)


『仔牛の春』

五味太郎 作 (偕成社)


『だって春だもん』は、

北海道や東北地方の森で撮影された

写真で構成されている絵本です。


冴えざえとした朝の湖、

まだ深い雪に覆われている

静かな

アカエゾマツの林。


静寂に包まれた世界。

でも、ほら、耳を澄ませば、

聞こえてきます。

氷がとけ、しずくとなって滴る音、

水がちょろちょろと流れ出す音。

芽が開く音。

クマが山から降りてくる足音。

おたまじゃくしが泳ぎ出す音。


うごきだす

たとえ まだ

ひかりは すこし よわくても

つめたい かぜが ふいてても

もりは ゆっくり うごきだす


冬の眠りから目覚め、

春が近づいていることが、

生きものの動きや音で表されていて、

早春の、

まさに今の時期を

詩のように表現している絵本です。


『すみれとあり』は、

まだその花は咲いていないものの、

スミレは、

通学路でも見かける

子どもたちにも身近な花の一つでしょう。

(もちろんアリも。)

スミレの

自らタネを飛ばす他、

アリに運んでもらって、

いろいろな所で芽を出すスミレ。

スミレのタネの一部を

食糧としているアリ。

お互いwin-winの関係であることを

平易な文章で説いている科学絵本です。


写真絵本ではありませんが、

精緻で写実的な美しい画は

遠目にもわかりやすく、

読みきかせに向いているのではないか

と思っています。


ラストは、

五味太郎さんの

かわいいイラストの絵本

『仔牛の春』を。


春がきます

雪がとけます

土がかおをだします

草が芽をふきます


文章だけを読んでいると、

一年間という時の流れを

ただ淡々と述べているだけ

のように思えるのですが。


「仔牛」の体が描かれている

と思いきや、

花咲く野原?

草が生い茂った大地?

雪が降り積もった雪原?

ケムに巻かれているうちに、

視点は再び「仔牛」に向けられ、

「仔牛」の体にも、新たに

角がちょっぴりはえました。

という形で

一年間という時の流れの証しが描かれている

という

ちょっぴり不思議な

でも、

絵本ならでは の楽しさを

味わえる絵本ではないかと思っています。


時の流れは誰にでも平等に訪れます。

春本番になるころには、

2年生になる1年生はもちろん、

聴き手誰もが

自分と「仔牛」を重ねられるであろう

幸せな絵本です。