それいけ、卵卵、脚本家 -26ページ目

それいけ、卵卵、脚本家

昼はサラリーマン。夜と週末を使い、せっせと脚本を書いているわたしの日常、非日常です。

猫目小僧


「猫目小僧」を観に渋谷のユーロスペースにいきました。

ひさしぶりにいったら、場所が変わっていて、ラブホテル街のド真中にありました。


中に入ったら長蛇の列で、すごい人気だ、と感心していたら、劇場が開くと大半の人たちは、隣で上映されている「隠された記憶」の方に入っていき、残りの比較的高齢な層が「猫目小僧」を観に入っていきました。


観終わった感想は意外に良かった、というところです。


最初、違和感があった、小太りの猫目小僧もだんだん、石田未来 さんと同じくらいキュートに見えてくるから不思議です。


しかし、不思議なのは、猫目小僧の中身はいったい誰だったのか。


白木みのるかと思ったがもう歳なはずだし、あんなに機敏に動けるわけがない。

監督の井口昇 さんが入っているのかとも思ったが、身長があまりに違いすぎます。

いったい誰?


内容はどっかの村で起きる古くからのいいつたえの「肉だま」に次々と村の人間たちが姿を変えられ、我らが猫目小僧が対決するのです。肉だまがバタリアンみたいに大増殖するのです。


ちょっと不幸な石田未来さん、病気がちな弟、リストラされた田口浩正 パパ、未来さんの思い人、ライダー載寧龍二 、まだ生きてたの、つぶやきシロー 、肉だまを操る、ギョロりこと竹中直人、いじめっ子、野田京子、封印をといたバカップルにくまきりあさ津田寛治 はかなり豪華なキャストぞろい。


井口昇監督は、少女の扱いが実にうまいです。

ボーダーレスです。ソフトオンデマンドなどのAVの監督ですが、松尾スズキと組んで芝居もやって、新耳袋や一般作も多数手がけています。なかでも、梅図作品 にはかなりの思い入れがあるようです。


梅図作品はおそろしいのですが、人間の心の造詣描写が抜群で、能にきわめて近い漫画だと思います。

その世界観をかなり正確に描写できるのですから、たいしたものです。

才能ある方はCMだろうがAVだろうが異業種にはまだまだたくさんいると思います。

キングレコード
怪談新耳袋-花嫁さん編-
キングレコード
恋する幼虫
松竹
楳図かずお恐怖劇場 「まだらの少女」「ねがい」

これも彼の原点なので観てみたいのですが、カレー、食えなくなりそう…。勇気をください。


ソフト・オン・デマンド
美少女便器

タイヨウのうた


おそらく、この映画はYUI がいなければ、成立しない映画だったと思います。

劇場予告を初めて観て、観たいと思い、封切り日にわざわざ観にいったくらいですから。



タイヨウのうた


この映画を観るまで、YUIの事はほとんど知りませんでした。

しかし、映画の中で顔を思い切り歪めながらも、絶唱する彼女の姿をいや、歌う姿勢を見るとゾワッと思わず鳥肌が立ちました。


圧倒的な存在感です。

演技も初めてとは思えません。

ミッチーもそうですし、アーチストは表現者として、いろんな事ができる人、多いですね。

これを才能のない人が演じると、楽器の弾けない人や歌えない、昔のアイドルにやらせるよくあるテレビの三文芝居になってしまいます。


XP(色素性乾肌症)に生まれた彼女は明るい太陽を見る事ができません。

唯一の外の世界の窓口は寝る夜明け前の窓と元ヤン入った、岸谷五郎 パパと麻木久仁子 ママ。

それに幼馴染の典型的なメガネっ子キャラの通山愛里 ちゃんと夜の公園だけ。


そんな彼女が窓の外にボードを付けた原付きにまたがった、塚本高史 に恋をするところから始まります。


XPは名前は知りませんがよく学研系の雑誌にそういう病気があったのは知っていましたけど。


結果だけを言ってしまえば、病気系の映画は若くして死ぬからいいのです。

思い出は美しいままで終わり、短いから一生懸命に生きようとするのです。


生と死を描写する、ひまわりが見事に小道具として生きています。

どことは書きません。

映画、観てください。劇場で観てください。


全体的に無理のない淡々とした流れで、押さえているところはちゃんと押さえている、脚本、原作の坂東賢治 さんの力、大です。


監督の小泉徳宏 さん、若いのですから、あまり迷ったりせず、これからもがんがん良い映画を撮ってほしいです。


『まだまだ16なんだから、可能性は一杯あるよ』

YUIのセリフに励まされた人たちはけっこいうると思います。


映画を観終わって、席を立つとき、なにげなく観客の反応を見たのですが、ほとんど泣いてて、立てない人たちがほとんどでした。


作り手から見たら、魅惑の最高の瞬間なのでしょうね。


この映画が16歳ではなく、66歳、106歳の主人公だったら、この泣き虫達は果たして泣いたのかなとも思ってしまいました。「8月の鯨」だとたぶん泣かないし、観にいかないんだろうな、きっと。

自分たちが歳を取る事もまだ想像つかないし、きっと理解できないと思います。


唯一の気がかりは、わたしがトイレにいる時、入ってきた蜂を便座を閉め流したすぐ後に入ってきた、若者が便座のフタを開けた瞬間、彼がどうなったかを確認できなかった点です。

大丈夫だった?


プルート

『プルートで朝食を』

イギリス映画というべきかアイルランド映画と表現するべきか、とても悩みます。

独立運動をテロの一言でくくるべきか、という近代戦争の論調と似ているものがあります。


監督のニール・ジョーダンキリアン・マーフィー もアイルランド人ですから。


幼い頃から女性の小物に関心があった青年が女装して、自分の母親を探しに旅に出ます。

これは自分探しもかねているのです。


もっと言えば、自分は何人かもかねています。


だから、注目すべきは、ダニ―・ボイルの髭男のキリアン・マーフィーが美しく女装してステキ、といった表面的なことではないのです。


ニール・ジョーダンの長年のテーマは、ほとんどアイルランドですから。


アイルランドとイギリスのことを学ぶにはいい映画です。

大場 つぐみ, 小畑 健
DEATH NOTE (1)

原作 大場つぐみ、作画 小畑健

コミケなどでも人気キャラ『デスノート 』が間もなく公開。映画サイトはここ


原作はあまりに有名です。

悪魔が落とした人を殺せるノート。

それを使う側と逮捕を目指す側のせめぎあいです。


メインは藤原竜也松山ケンイチ との月(ライト)とLの頭脳戦でしょうか。


原作があるとどうも役者がしだいに型にはまっていくのは宿命でしょうか。

目張りがかない濃い人たちが出てきます。


原作にない、キャラ、秋野詩織を香椎由宇 が演じています。

まあ、彼女が出て文句を言う奴はあまりいないでしょう。


中村獅童 がどこに出てるのか判りませんでしたが、死神のリュ―クだったとは。

CGでなくともそのまま出ても充分いいと思います。

ワイヤーワークでつりまくりでしょう。


監督が金子修介 監督なので期待大です。


脚本がマックスファクター大石哲也。

この方、大石哲也 さんだと思うのですが、なぜにマックスファクター?





青い棘

『青い棘』の中で登場した2つのアイテムについて。


まず妹が占いに使う、占いマシーン。

戦前のドイツには一般的だったのか定かではないが、電気ではなく、占ってほしい人が握りを握るとその作用で振り子が回転し、最後にタロットの出た目で占うらしい。


次がアブサン

水島 新司
あぶさん (1)

水島新司が同名の漫画を書き、本人が経営している四谷3丁目に同名のお店がある。


通称、『緑の妖精』と呼ばれ、二ガヨモギを主成分としたリキュールの一種。

戦前の物は含有量が多いため、副作用として幻覚が生じ、「飲むマリファナ」として愛飲者が急増したが、中毒者も増え、規制された。


現在は成分を調整した物が市販されているが、調整された物はおいしくないし、映画の主人公のように、トブ事はできないようです。


しかし、最後が「自殺クラブ」ですから、本当に金持ちの道楽三昧の映画ではありました。



明日への記憶

堤ワールド健在でした。『明日への記憶』。

阿部ちゃんと仲間由紀恵がいつ出てくるのかと思いましたが。


最後は悲惨な末路になるのは判りきったことです。

現実問題から言えば、決して希望のあるお話ではないのですから。


それでも、あのイメージで終わらせるのは見事です。

単なる(こういっては失礼ですが)介護物語に終わっていないから感動するのです。


水川あさみと謙さんの濃厚なラブシーンを期待しても、残念ながらそれはありませんでした。


脚本が砂本量さんなので、これが遺作なのでしょうか。見事です。

最後まで感動させていただきました。




小林 政広
神楽坂映画通り

誤解のないように明記しますが、小林政広 監督自身には、非常にシンパシーを持っております。

映画を完成させるまでに苦渋の生活を送っていらっしゃった事も理解しているつもりです。

そして、彼の前職がフォークシンガーであるからこの映画ができたのでもない事も知っています。

しかし、あえて書かせていただきます。


主人公の行動に共感を覚えるのが映画の醍醐味であると考えます。


バッシング 』の主人公には何の共感も覚えませんでした。


話のベースはイラク人質事件 後、解放され、日本に帰国した女性のその後を描いた作品とされています。


もちろん、イラク人質に対するネットを主とした邪悪な批判は悪であると思います。

あからさまに『死』を当然とする書き込みをしたすべての無責任な人たちには、猛省を促したいです。


ただ、あの北海道の左翼一家と現実をよく認識していない頭でっかちな高校生ライター?と自衛隊の悪口しか言わないあのお姉ちゃん(バッシングはたぶんこの人をイメージしたのでは)達を誰も支持しなかったのは、彼らの態度にも問題があったのも事実です。


ですから、小林政広監督がお書きになったように、すべてのボランティアに対するバッシングと捉えるのは少々解釈が違うのではないでしょうか?

たとえば、マザーテレサのように、謙虚に全てを投げ打って尽くす方を批判する日本人はいないのではないでしょうか。

それがおそらく共感だと思います。


評価するとすれば、主人公の身勝手さが浮き彫りにされ、ますます共感を覚えないのを再確認させてくれたくらいなのでしょうか。

LOST

昨日、Bs-i で観たので、他で観た方と開きがかなりありますが。


『LOST』 はかなり大掛かりでスリリングでおもしろいテレビ映画です。

日本だと飛行機物はパイロット関係は良くても、墜落関係は最近、ほとんど観ません。

パニック物の王道なので、残念な限りです。


オーストラリアのシドニーからアメリカのロサンジェルスに向かっていたオーシャニック航空815便は、太平洋上で乱気流に巻き込まれ、墜落しまいます。機が堕ちたのは、どこか南の島の海岸で、医師ジャックは生存者たちを手当てするうち、一行をまとめるリーダーになっていきます。生存者の数は48人です。


物語はここから始まります。


飛行機の乗客は病気持ちや過去にさまざまな傷を持つ者で魅力満載。

そして謎の島には、イノシシは出るは何故か北極クマは出るは先住民はいるは、謎の襲撃者はいるはまさにアイランド冒険映画にふさわしく、次々事件が起きます。


とにかくセットが大掛かりで金使ってるのがとても判ります。

アメリカにある有名な『飛行機の墓場』から分解したジェット機を墜落現場に配置してあるのですから。


制作総指揮、監督、脚本はJ・J・エイブラムス


主演はメインにマシュー・フォックス、エヴァンジェリン・リリ。


他にもたくさんいますが、特筆すべきは、『シュリ』のキム・ユンジンも主演している所でしょうか。

英語は堪能な筈ですが、設定では英語がうまくない役になっています。


ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
LOST シーズン1 DVD Complete Box

ボックスがすでに出ているのですが、観る気力を無くすくらい分厚いです。

セカンド・シーズンもあるので、飽きないように少しずつ観ようと思っています。

東映
メイキング・オブ バルトの楽園


マツケンサンバヒトラー総統 との一騎打ち!!

『バルトの楽園』

収容所映画といえば、「戦場にかける橋」が有名ですが、今回はひさびさに日本側が善玉です。


日本軍が滑稽なまでの、プロパガンダ中国や恨流の韓国などB級映画や国産でも自虐的左翼映画にうんざりしていましたから、こういう爽快なお話は観ててたいへんに気分がいいものです。


実際、すべての日本軍が悪者扱いされる映画ほどつまらない映画はありません。

アメリカで「レイプ・オブ・ナンキン」の実写化が検討されているらしいですが、中国の陰謀にハリウッドが荷担するのもいかがなものでしょうか。


やはり、映画は楽しめないといけません。

娯楽じゃなきゃ、映画じゃありません!!


しかし忘れてはいけないのは、地獄のような戦場描写があってこそ、地獄のような収容所があってこそ、その後の天国のような収容所があるのです。


歴史的にも坂東収容所は実在したので、これを疑う人は左翼か根性が捻じ曲がった不信感の塊みたいな人ですね。

「私がスペインに引かれるのは、スペイン人はたえず死を意識している。死があるからこそ、生があり、思い切り生を楽しもうとする」とは、天本英世さんが生前、おっしゃっていた言葉でした。


中島哲也監督は、日本のサム・ペキンパ―だ。


「嫌われ松子の一生」を観終わった瞬間、そう思いました。


「下妻物語」に出てきた金属バットと蹴りのキーワードは今回も健在でした。


昔、吉田戦車の漫画で「いじめて君」というキャラがありましたが、男が変わるたびに、ボコられ、ケリを入れれられ続ける中谷美紀を観ているうちに、彼女がだんだん「いじめて君」に見えてきました。

吉田 戦車
いじめてくん


ぴあで倉田真由美さんと対談がありましたが、まさに「だめんず・うぉ~か~―」の実写版です。


倉田 真由美
だめんず・うぉ~か~ (7)

美しい景色、病弱な妹、やさしい家族、ビデオクリップばりの原色満載の映像もただそれだけでは、壮大なだけで白々しい話として、終わったと思います。


愛情と痛みは紙一重なのです。


ボコられれば、ボコられるほど、ケリを入れられれば入れられた分、松子の男に対する愛情は紅蓮の炎をメラメラと真っ赤に激しく燃え上がるのです。


だから、中島監督は実は愛情をもっとも熟知している方であると思います。


この映画をご覧になる前にこれを観てない方はぜひ観てから望んでみてください。


ワーナー・ホーム・ビデオ
風と共に去りぬ

スカーレットも実は松子に負けないくらいの、だめんずだったのですね。