ベートーベン交響曲第7番、フルトヴェングラー指揮BPO(1943、メロディア原盤)。その真価をオーパス蔵盤で再認識。同じオーパス蔵で出ている名盤の誉れ高きフルトヴェングラー指揮VPO(1950、EMI)と比較し、より一層の覇気と表現意欲に満ちており、動的表現の凄まじさは、火を噴くかのよう。2010年12月21日
クナッパーツブッシュ指揮BPOのベートーベン交響曲第8番をターラ盤で。クナBPOの一連の演奏の中でも特に傑出したもの。ブルックナーの第8では後年のミュンヘンPOとの録音に、第9ではシューリヒトVPOに及ばない感もありますが、このベートーベンは一つのスタイルを極めた名盤。2010年12月21日
フルトヴェングラー指揮VPOによる歌劇「ドン・ジョヴァンニ」全曲(映像、ハイビジョン・リマスター版)。往年の名歌手ディ・ステファノが、フルトヴェングラーが振ったのは序曲だけと証言していましたが、その真偽はともかくとして、56年も前の映像が見違えるように鮮やか、かつ精細な画質で蘇ったことを喜びたいです。2010年12月25日
トスカニーニ指揮NBC響の映像を観る。ヴェルディの「諸国民の賛歌」。トスカニーニは自ら熱唱しながらの指揮。反ファシズムを貫き通した彼の思いが溢れた演奏ですが、そうした背景を抜きにしても純粋に感動的な演奏ですね。2010年12月25日
タワレコ試聴。ベーム=ウィーン国立歌劇場の1955年再建記念公演での歌劇「フィデリオ」全曲(オルフェオ盤)。音質が著しく改善されています。ベームの表現は70年代の晩年様式と異なり、引き締まった軽量級の演奏です。最初、整音の影響かとも思いましたが同時期のモーツァルト「レクイエム」も全く同傾向の演奏 2010年12月25日
待望久しかったザンデルリンク=ベルリン響のブラームス交響曲全集がプロフィールレーベルから復活。カプリチョレーベルで出た当時(95年)、滞在中のニューヨークのホテルの自室で繰り返し聴いたのを懐かしく思い出しました。しみじみとした感慨深い演奏の数々! 復活に感謝! 2010年12月25日
クライバー指揮の喜歌劇「こうもり」全曲。CDで聴くのは久しぶり。今の耳で聴いても、天才的煌めきに満ちた鮮烈な演奏。名盤として有名なベームVPO盤(71年)と録音年が4年しか違わないのが信じられないほど現代的。バイエルンの歌劇場を振っているのにVPO以上にウィーン的な瞬間が多々あるのも驚き。2010年12月27日
レヴァイン指揮フィラデルフィア管のマーラー第10。クックによる全曲版ながら第1楽章だけでも深い充足感。寒々しい渇き切った表情の中に、時折、慰撫するように現れる瑞々しい歌! ラトル指揮BPOの美麗極まる演奏も魅力的ですが、個人的にはレヴァインのこの演奏に惹かれます。2010年12月29日
ウェルザー・メスト指揮VPOのニューイヤーコンサート2011の録画を1週間遅れで見る。「青きドナウ」「ラデツキー行進曲」などヨハン・シュトラウスの作品は往年のウィーン・スタイルを想起させる典雅さ。「我が人生は愛と喜び」などヨゼフの作品は強音部に含みが乏しく、より豊かな情感があればと。2011年1月8日
カルロス・クライバー指揮シュターツカペレ・ドレスデンによる歌劇「魔弾の射手」全曲を久しぶりに。やはり素晴らしい! 1970年代初頭に、ドイツ・オーストリア系の音楽で次代を担う指揮者が世界中で求められていた中、この録音を引っさげて颯爽と現れたのがクライバーでした。今聴いても、その時の衝撃がそのまま蘇ります。2011年1月10日

